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全演歌ファン必聴! 弦哲也「旅のあとさき」を聴いた

以前に、→令和2年3月22日放送のNHK BSプレミアム「こころの歌人たち」に弦哲也先生が登場 という記事をあげたところ、いつも同じ時間にやっていた「新・BS日本のうた」の記事よりも多くのアクセスをいただいたようでした。

弦哲也先生という演歌の神が登場したんですからそれも当然といえば当然か。前にも同じこと書きましたが、やっぱりそういうことなんだろうと思います。

で、その記事でも少し書いた弦哲也先生の音楽生活55周年アルバムが発売され、私も聴きましたので記事にしておきます。

綺羅星のごとく並ぶ名曲たち。さらに未発表曲?も収録

収録曲は全12曲。作曲はもちろんすべてが弦先生。歌ってるのも弦先生。

Amazon.co.jp 旅のあとさき

 

「旅のあとさき」というアルバムタイトル。そしてCD帯には「旅に出ることの歓び 旅をすることの儚さ 今すべてが歌になる」という文言。

それらが示すとおり、それぞれの曲が日本のどこかを舞台にした曲になっています。ラストの「演歌(エレジー)」は「歌人生」という「旅」がテーマか。

 

()内はオリジナル歌唱歌手。

①北の旅人(石原裕次郎)

②大阪セレナーデ(都はるみ)

③五能線(水森かおり)

④渡月橋(五木ひろし)

⑤夏井川(弦哲也)

⑥御蔵島唄(弦哲也)

⑦長崎の雨(川中美幸)

⑧新宿の月(山本譲二)

⑨湯涌恋灯り(弦哲也)

⑩深谷宿ひとり旅(弦哲也)

⑪天城越え(石川さゆり)

⑫演歌(エレジー)(弦哲也)

「オリジナル歌唱」が弦先生でクレジットされているのが5曲。どうも「御蔵島唄」は過去に発表されている曲らしいけれども、音源があるのかないのか、あるなら何に入ってるのか見つかりませんでした。あとの4曲は新曲もしくは未発表曲、でいいのかな?

既発の名曲もあらたなアレンジで新鮮

既発の曲はいずれも掛け値なしの名曲揃い。「北の旅人」や「天城越え」なんかはこれまでのアルバムにはほとんどいつも入ってるし、ほかの曲にしてもいいのに・・と思いつつ、CDをプレイしてみると・・・

どの曲もいままでに聴いたことないアレンジで、新鮮な気持ちで聴くことができました。このあたりにも一切スキがないところがさすが。他人の曲をカバーしても「これではただのカラオケでは・・・」っていうふうになっちゃってるそこらの歌手とは大違い。

 

トップの「北の旅人」は渋いサックスがフィーチュアされていて、40周年(「弦点回帰」)のときのピアノバージョンとも45周年(「弦哲也 弾き語りの世界」)のときの弾き語りバージョンとも違った味わい。名曲を名人が料理するんだから、なにをどうしようともカッコいいのは当たり前。個人的にはやっぱ弾き語りがダントツですけど。

 

都はるみが歌ったという「大阪セレナーデ」は知らなかった。なのでオリジナルとの比較ができませんが、しっとりとムーディなアレンジ。私は好きなタイプの曲じゃないけどイイ感じですね。

 

水森かおりが歌った「五能線」。この選曲はなかなか意外でしたが、水森とは違った、どこか男ならではの哀愁といったものを感じさせる名演。

 

個人的に最も「おお~!!」と唸ったのは山本譲二が歌った「新宿の月」。これは山本バージョンもカッコよかったけどこっちはそれ以上。全編にわたってブルージーなエレクトリック・ギターが泣きまくってて、これがもうどうしようもなくステキ。これは誰が弾いてるんだろ。弦先生本人?そのへんのクレジットをのっけてほしかったなあ。

 

問答無用の代表曲「天城越え」はピアノ伴奏のみ。ドラマティックさと燃えあがるような情念の凄まじさが魅力の曲ですが、静か~なピアノ曲になってもその魅力は同じ。そこはやっぱり弦先生の歌唱がカッコいいからなんでしょう。

新曲(?)も聴きどころ満載

「オリジナル歌唱」弦哲也とクレジットされている曲も魅力的なものばかりでした!

さわやかでやさしいメロディとリズムが心地よい「夏井川」。

懐かしい雰囲気で、故郷を思い起こして涙しそうな「御蔵島唄」。

一聴しただけで「これは絶対弦哲也楽曲」とわかりそうな、オーセンティックな泣きの弦哲也演歌といった感じの「湯湧恋灯り」。

「深谷宿ひとり旅」はもっと演歌色が濃く、ハッピーな感じの曲。川中美幸あたりが歌ったらものすごくよさそう。弦先生の歌唱ももちろんイイけど。ブックレットのこの曲のページにはおちょことトックリを前にして微笑む先生の姿がありましたが、まさしくそんな雰囲気の曲ですね。

ラストの「演歌(エレジー)」は、55年の音楽人生という「旅」について歌うような曲。「この歌人生に かけた男の かけた男の 演歌を聴いてくれ」なんてところは泣けますね。偉大な足跡を残した人が歌うからこそ味わえる感動。ステキすぎる。

まだまだ、100周年まで頑張っていただきたいものです。

 

ということで、当然ながらこの作品は演歌ファンならずとも買わなければならないでしょう。

偉大な作曲家がその名曲と新曲をセルフプロデュースした作品が3,000円。安すぎですね!

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