自称「グローバル企業」のトヨタ自動車のオウンドメディア「トヨタイムズ」に出演していた俳優(歌舞伎役者)が銀座のクラブで強制わいせつをはたらいて問題になってる件。どうやらトヨタイムズは降板、彼をつかっていたほかの企業もそれにならって降板させる動きが相次いでいるようです。
まあ降板は当然じゃないですか。クラブはヘルスやソープとは違いますからねえ。ヘルスだってムリヤリ本番したらそれはもう犯罪なわけだし。飲んでしゃべるだけの場であるクラブで下着はぎ取って触ったらそりゃあセクハラじゃなくて強制わいせつでしょ。クラブで働くんなら性加害受けて騒ぐな、とかアホなこと言う人も多いらしいけれどもそれはあまりに的外れ。そういうプレイをできるイメクラにでも行けよ。そういうところに行かないということは、本気で嫌がる女性じゃないと楽しくないんでしょうね。すると野放しにしておくともっとヒドイ犯罪につながるかもしれなかったわけで、彼はここで痛い目にあってよかったのかもしれない。
それにしても歌舞伎役者ってのはほんとまともな人はいないんですね。閉鎖された世界で、しかも大名跡とかは世襲できちゃうという、競争原理のはたらかない世界だからそうなるんでしょう。そもそもあんなもんが「伝統芸能」などともちあげられるのはほんと理解できないし。みんな心の中では「なにが魅力なのかさっぱりわからない」と思ってるくせに、どうして素直にそれを言わないのだろう。日本人は「伝統」などという権威に弱いんだなあ。だから皇位継承問題でも「万世一系」などという幻想にしがみつこうとする奴が多いんでしょうね。
歌舞伎のことはともかく、今回気持ち悪かったのはやっぱりトヨタ自動車の対応。週刊誌報道の第一弾が出た時は「示談していて本人も反省してるから」などといってCM続投しようとしてたのに、もっとヒドイ第二報が出て態度を変えた。
いやいやいや、最初の報道の時点で、彼がいかに水商売の女性を蔑視してる人間かというのが明らかになったはず。東京五輪のときに組織委の森さんが女性蔑視発言で世間の批判にあったときは「森さんの発言はトヨタの価値観とは異なり誠に遺憾」とか言ってたくせに、自分が客で相手がなにも言えないのをいいことに女性に強制わいせつをはたらくような、まさに女性蔑視と職業差別の権化のような奴には「わが社の価値観と異なる」とは言わねえのか。じっさいは異なってないから続投させようとしたんだろ。
結局なりゆきで「思ったよりヤバそうだからこのままでは会社に傷がつく」と判断したから彼の降板を決めたんであって、自社の「価値観」からしてこういう奴は許せん!ってことじゃないんでしょ。「相手は水商売の女だろ?示談もしてるんだろ?じゃあ下着はぎ取って体触ったっていいじゃねえか」と会社として判断していたから、第一報の時点では「続投」の方針だったんでしょ。社長は自分がドヤ顔したいときは表に出てくるくせに、自社のイメージキャラにしていた(しかも社長自身の肝いりで起用したらしいじゃないか)奴がまさに女性蔑視の蛮行で問題起こしてもな~んにも意思表明しないのね。「価値観」なんてなにももってないんだろうなあ。
五輪のときの「わが社の価値観と異なる」発言のときも「ウソつけ!」と思ったけれど、これが日本のトップ企業で、しかも「グローバル企業」とか言われちゃってるっていうのが、まさに日本経済の斜陽化を象徴していますねえ。
田中あいみ「ファースト・アルバム『孤独の歌姫』」
日本クラウン期待の大型新人、「日本一のソウルフル・ボイス」、田中あいみのファーストアルバム!
デビューシングル「孤独の歌姫」に収録の3曲に加え、新曲が2曲、カバーが7曲。
新曲はちょっと演歌テイストの「恋無情」と、初期のアン・ルイスみたいな雰囲気の「GOOD BYE FOREVER」。「GOOD BY FOREVER」で聴かせる、女の子っぽいかわいらしさを感じさせるハイトーンの伸びがすごく魅力的。そして低音域では「カッコいいオンナ」っぽい、クールでソウルフルで艶のある声をきかせてくれちゃう。なにを歌ってもカッコいい。
「はじめておぼえた曲」だという「すずめの涙」では、桂銀淑そっくりのカスレ声を駆使しながらもサビではクリアでエモーショナルなハイトーンで、聴き手のこころをゆさぶってくれる。
同じくハスキーな声が魅力的な門倉有希の名曲「ノラ」なんかを聴いても、よくありがちな「カラオケで歌ってみました」みたいなカバーに終わらない、オリジナリティにあふれた歌唱で最高。いい曲を上手い歌手が歌えばカッコよくなる、っていうのは当たり前なんだなあ。その当たり前が実現されることはなかなかないんだけど。
これは素晴らしいアルバムじゃないでしょうか。表題曲「孤独の歌姫」は何度聴いてもカッコいいし、
これはもう「売れなきゃおかしい」というレベル。まあ素晴らしい作品だからといって売れるとは限らないってのが世の中の理不尽なところで、そこは細川たかし師匠と日本クラウンに頑張ってもらいたい!そして我々聴き手は歌謡界を盛り上げるためにとりあえずCDを買うべきでしょう!
おススメ度・・・★★★★☆
LOUD&CLEAR「LOUD&CLEAR」
USのメロディアスハードロックバンド、LOUD&CLEARの1st。1997年。
山積みになってずっとほったらかしにしていたCDの山から出てきたもの。こんなの買ったっけ?、いちおう聴いてみるかあ、と期待しないで聴いたら、
意外(と言ったら失礼か)にもハイクオリティのメロハー。いかにもアメリカン、ていう軽~い曲もあるけど、基本は適度な湿り気をふくんだキャッチーなハードロック。
曲がイイうえにヴォーカルが強力っていうのが作品の魅力を押し上げている。高音域が強力になったスティーヴ・ペリー、もしくはヒューゴって感じ。さらに分厚いコーラスが歌メロを盛り上げてくれる。
90年代のアメリカっていうと、少なくとも音楽に関してはあまりいいイメージないけど、こんないい作品をつくってたバンドもいたんだよなあ。今は活動してないんだろうか。再発しろ!
おススメ度・・・★★★★
NIGHTFELL「THE LIVING EVER MOURN」
こちらもUSのバンド。オレゴン出身のブラック・メタル、NIGHTFELLの1st。2014年作。
Amazon.co.jp Living Ever Mourn
アメリカのブラックメタルかあ。あまり期待できないかな。どうせ・・と期待しないで聴いたら、
あれれ。こちらも意外や意外、けっこうカッコいい。ブラック・メタルといっても、ブラストしながらギャア~って言うだけの単細胞じゃない。90年代の北欧メロディック・デス、もしくはデスメタルだったころのPARADISE LOSTみたいな哀愁あふれるメロディが要所要所に挿入される、荒涼としたブラック・メタル。
4曲目なんかではクリーン(といってもヘタだけど)ボイスで歌ってコーラスも入ったりしてまるでBATHORYみたいだけど、聴かせることを意識した曲構成とメロディは、「キャッチー」という感じではないにせよすごく印象に残るものが多くて、珍しく繰り返し聴くことになりました。ラスト8曲目はなかなか感動的な大曲。泣きの長尺ギターソロとかをぶっこめばいいのに、っていうのがちょっとだけ不満かな。エモーショナルなギターソロが入るとこの寒々しさが失われてしまうってのもあるので難しいな。
どうやら現在も活動しててアルバムも4枚くらい出てるようなので、ほかの作品もチェックしなくてはなりませんね。アメリカはすっかりメタル後進国になった感がありますが、だからといってシカトしていてはいけないんだなあ。
おススメ度・・・★★★★