2019年9月7日に新宿で実施された
丘みどりのリサイタルの模様をおさめた
ライヴDVD、Blu-ray、CDが先日発売されました!
先日出たアルバム「女ごころ~十人十色~」がそれはもう恐ろしく素晴らしい内容で感激したばかり。
それに収録されていた超絶カッコいい「風の寺」の別バージョンも入っているとのことでこれはもう買うしかない。
クルマの中とかで聴きたいので私は今回もCDをチョイス。
今回はその感想を。
さらにバラエティ豊かな選曲になり、グレードアップが感じられる
昨年もライヴ作品を出してくれていて、
その感想も記事にしました。→CD「丘みどりリサイタル2018~演魅(えんび)~」を聴いた
これは毎年の恒例になっていくんですかね。
今回の「演魅Vol.2」のCDはオープニングとエンディングを含めると25曲を収録。
Amazon.co.jp 丘みどりリサイタル2019 ~演魅 Vol.2~
荘厳かつ勇壮な「オープニング」にシビれた次の瞬間に
「佐渡の夕笛」のイントロになだれ込む流れは猛烈にクール。
さらに「能登は冬色」「鳰の湖」とドラマティックな曲を続けて叩きつけてきます。
う~ん、イイなあ。
4曲目から他人の曲、いわゆる名曲のカバーになるんですが、自身の持ち歌のほうがそれよりも断然カッコいいというところが、そこらの若手女性歌手と違うところなんだな。
カバー曲はなかなかビックリする選曲でしたね。
曲目に「紅」って書いてあって、えっ?「紅」ってあの「紅」?と思ったらやっぱりX JAPANの「紅」。
これは驚いた。お客さんの反応はどんなだったんだろう。
ギターパートをホーン・セクションがやっていたりして、演奏はもちろんゴリゴリのメタルにはなってなかったけれど、演歌歌手のコンサートでバスドラがドコドコ疾走するのを聴くことはなかなかない。
すっごくイイじゃないか。「行くぜ新宿ゥぅぅぅ!!」というスクリームを聴くと、ロック系のカバーをもっとやってほしい気もしてきます。
前に「島津亜矢はカバーをやるならポップスなんぞでなくメタルをやれ!」と書いた→島津亜矢はメタル名曲をカバーしてくんないかな のですが、
丘みどりがやってくれちゃった。
どんどんやれ。たとえば陰陽座の曲なんかは丘みどりにビッタリとハマリそう。
ハイライトは「幽玄組曲」
しかし個人的にハイライトだと感じたのはやっぱり
「願・一条戻り橋」~「鶴」~「風の寺」と連なる
「幽玄組曲」。
「願・一条戻り橋」は小金沢昇司が歌ったあの曲、
「鶴」はロシア民謡、
「風の寺」は「女ごころ~十人十色」アルバムに収録されていた曲で、3曲でひとつのストーリーとなっている組曲。
これはもう圧倒的に素晴らしい。ああ、観に行きたかった・・と死ぬほど後悔。
なかでも「風の寺」はアルバム収録バージョンとは歌詞もアレンジも変えられさらに壮大で神秘的なアレンジになっていて、カッコよすぎて倒れた。この「演魅Vol.2」でないと聴けないのでもう買うしかないでしょう。
ド迫力で哀しみをブチまけるその歌唱は、そこらのヤサ男演歌歌手たちでは逆立ちしても敵わない凄さ。
いやあ・・2019年ももうすぐ終わりというころになって凄いものを聴かせてもらいました。2818円+税では安すぎますね。
ついでにちょっとだけ文句も
というわけで曲と歌唱は1ミリも文句ナシ。
しかし私のようにひねくれた人間はどうしても文句もちょっとだけ言いたくなります。
「オープニング」を入れたり観客の声も前作よりよく聴こえたりで、「ライヴ感」という点においては
前作よりも少しは改善された気がするんですが、
要所要所で「そこは切るな」という編集がされていて、ムリヤリCD1枚につめこもうとした感がやっぱり感じられちゃう。
たとえば、実際のコンサートでは「幽玄組曲」が終わって一度幕が下りアンコールで「何度も何度も~母への想い~」に入っていったようなのですが、
だったらCDでもそこをちょっと表現してほしいな、と。
CDでは「風の寺」が終わって間髪入れず「何度も何度も」が始まっちゃってて、
これでは「幽玄組曲」のドラマの余韻に浸るヒマもないわけですよ。
CDはあくまでも歌の部分のダイジェスト盤であり、そのあたりを余すところなく体験したいのなら映像作品を買え・・・ということなんだろうし、
私のように細かいことをグダグダ言うようなファンはいないんでしょうが、
次からは5000円でもいいから2枚組にしてほしいなあと思っています。
しかし何度も言うように曲と歌唱はとてつもなく素晴らしい。
紅白では「紙の鶴」でもいいけどどちらかというと「風の寺」を歌ってほしい・・と願いつつ、
今日も丘みどり作品を聴きまくります!