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KK'S PRIEST「SERMONS OF THE SINNER」が会心のデキ!必聴!

元JUDAS PRIESTのギタリスト、K.K.ダウニングが結成したヘヴィ・メタルバンド、「KK's PRIEST」のアルバムが発売されましたね!

タイトルは「SERMONS OF THE SINNER」。

当初は夏に発売予定だったものがなぜか延期に。

しかし前もって何曲かがYOU TUBEにて公開され、私も逐一チェック。どうやらJUDAS PRIESTにかなり近いスタイルの、ストロングなピュアメタルを追求した作品っぽい・・・と期待しながら発売を待っていました!

元JUDAS PRIESTのK.K.ダウニング率いる「KK's PRIEST」がMVを公開!こりゃあ超楽しみ!

もうすでに何十回と聴きましたが、現時点での感想を書いておきます。

現在のJUDAS PRIESTの物足りない点がなにか、を認識しちゃう快作!

JUDAS PRIESTからのKKの脱退や、いま現在のお互いの関係にはいろいろドス黒いものがあるようですね。まあ長年やってればいろいろ軋轢も生まれるだろうし、そこにビジネスという要素もあればそれはもう仕方がないことで、個人的にはそういうことにはあまり興味はないです。ミュージシャンは素晴らしい音楽を生み出してくれればそれでいいのであり、メンバー間の確執などが音楽のデキに影響してしまうようなことさえなければ。

で、KK's PRIESTのデビュー作。

Amazon.co.jp サーモンズ・オブ・ザ・シナー

曲はすべてKKによるもの、プロデュースもKK。コロナがなければ1年ほど早く発表できてたらしいですが、KKによればそれも「曲を練る時間ができた」ということらしく、JUDAS PRIEST時代のように時間や他メンバーとの意見の相違など、あらゆる制約なしでつくりたいものをつくったという作品!

最初に公開された「Hellfire Thunderbolt」はJUDAS PRIESTの「NOSTRADAMUS」制作時にすでに書かれた曲だったがバンドには採用されなかったという話。ええ~、こんなにカッコいいのに?ロブが歌えなかっただけなのでは・・・と勘繰ってしまう。

 

この「Hellfire Thunderbolt」のカッコよさに「こりゃあ期待できる!」と喜びに震えましたね。これは今のロブが歌うJUDASには無理でしょ。いつもしまってあるギターを引っ張り出して、リフをマネしつつヘドバン・・っていうのを久々にやりましたよ!

アルバムでそれに続いて収録されている「Sermons Of The Sinner」もティム・オーウェンズの金切りヴォーカルが冴え渡りまくり。中間部で泣きまくってくれるドラマティック展開が素晴らしい!

 

ロブに文句をつけたいわけではないけど、やはりロブの高音が出ないことによって今のJUDASの楽曲のデキには制限が加わっているのは間違いないし、そこが聴いてて「カッコいいけどなんか物足りないなあ~」って感じるところなんですよね。

JUDAS PRIEST「FIREPOWER」を聴いた

そこへいくと、ティム・オーウェンズもすでに50代なかばではあるけれども、その歌唱のパワーには衰えは感じられず、ロブには申し訳ないがティム・オーウェンズにやめてもらってロブを戻したのはJUDAS PRIESTにとってはあまりいい決断ではなかったなあ~とあらためて思います。

今のJUDASってなんかHALFORDやFIGHTみたいですしね。ロブにはそっちで頑張ってもらって(「WAR OF WORDS」や「RESURRECTION」は超名盤)、JUDASはKKとティムが残ってやっていれば、想像を絶する名作がJUDASに生まれていたかもしれない。

↑メタル・アンセム的な「Brothers Of The Road」はわりと軽めの、シングル向けの曲。アンセム的な曲はほかにもあって、個人的には「Raise Your Fists」のほうが好きかな。↓

 

動画はあがってないけど「Metal Through And Through」もアンセム曲。長尺で複雑な構成だけど、「We raise our spirits without a care,charged by thunder everywhere,united we have no fear」のメインフレーズがカッコよくて耳に残るので最後までダレルことなく聴けちゃう。さすがだ。

 

そして、JUDASの名曲中の名曲「The Sentinel」のフレーズを用いた「Return Of The Sentinel」も超絶ドラマティック。これこれ。JUDAS PRIESTの「FIREPOWER」は曲がシンプルすぎた。こういうのやってほしいんだよなあ。これを聴くと、KKのソングライティングのセンスがJUDAS PRIESTにとってどれだけ重要だったかがわかる気が。KKはJUDASに戻りたいって言って、JUDAS側はそれを断ったという話ですけど、なんともったいない話なんだろう。

なんかIRON MAIDENっぽいけど、MAIDENはこれ聴いて反省してほしい。長尺な曲ってのはこうやってやるもんだ・・・というお手本じゃないでしょうか。

全編をとおしてベースがハッキリ聴きとれるサウンドもイイし、ドラムの音もイイ。ヴォーカルも素晴らしいし、ギターソロも「PAINKLILLER」のときを彷彿とさせるダイナミックさがあって素晴らしい。まもなく70のおじいちゃんがこんなカッコいいメタルやってるのに、若いバンドがみんなつまらないのはなんでなんだろう・・・という気にもなってくる。

 

いやあ・・・これは最高じゃないの。正直なところ、JUDASの「FIREPOWER」は、私のとってのヘヴィ・ローテーションアルバムになることはなかったんだけれども、このアルバムはもうひたすら繰り返し聴いちゃう。最後の「Return Of The Sentinel」を聴き終わったら、どうしても「Hellfire Thunderbolt」に戻りたくなっちゃう。文句なしにカッコいいからです。まもなく2021年も終盤・・というときになって、いいものを聴けて良かった。これ聴いて「JUDASみたいだ」っていう的外れな批判もあるようですが、KKがJUDAS PRIESTの一部であり、JUDAS PRIESTはKKのルーツなんだから、その人がやりたいことやったという作品であればそれは当たり前。前述のように私に言わせれば今のJUDASのほうが「HALFORDみたい」であって、なんか違うのでは・・・と思っちゃう。JUDAS PRIESTファンならずとも、全メタルファン必聴の名作でしょう!ぜひともみんなで買って盛り上げ、来日公演が実現してほしい!そのときは私も二十数年ぶりに、レザー&スタッドに身を包みヘドバンしに行くかも!

KK'S PRIESTの新作「THE SINNER RIDES AGAIN」を聴いた!!

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