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KK'S PRIESTの新作「THE SINNER RIDES AGAIN」を聴いた!!

元JUDAS PRIESTのギタリスト、K・K・ダウニング率いるヘヴィメタルバンド「KK'S PRIEST」の2枚目のアルバム、「THE SINNER RIDES AGAIN」がついに発売されました!

Amazon.co.jp ザ・シナー・ライズ・アゲイン [日本盤ボーナス・トラック2曲]

ジャケットのアートワークは前作と同じ人が担当したようです。GRIM REAPERあたりのジャケ絵を彷彿とさせるダークでイーヴルな、いかにもメタル!っていう雰囲気がいいですなあ。

この記事作成時点で、Amazon.co.jpのヘヴィメタル・ハードロック部門ランキングでは1位、MUSICカテゴリ全体でも67位。売れてるみたいですね!後述するように内容が素晴らしいから売れるのはまあ当たり前。売れなきゃあそれはレーベルが無能なだけということになるでしょう!

1stアルバム「SERMONS OF THE SINNER」がとんでもなくスゴいデキで、私も記事で褒めちぎりましたから、→KK'S PRIEST「SERMONS OF THE SINNER」が会心のデキ!必聴! 、もちろん今作も予約して入手!

今回は現時点での感想を!

曲は短くコンパクトになり、パワーとアグレッションが増大!

曲名には「sinner」「sentinel」などという前作でもつかわれていたJUDAS PRIESTを意識してるであろうワードがたくさんあるし、先に公開された曲を聴いて、どうやら方向性としては前作と同じであろう・・・というのはわかっていたので、期待していたものとは全然違ってガッカリ・・ということはない、という安心感をもって聴きましたが・・・・

やっぱりKKはファンがもとめているものをよくわかっていらっしゃる。1曲目の「Sons Of The Sentinel」は、リッパー・オーウェンズのいつもの「Ahhhh~~~」という金切り声から爆走、キャッチーなサビで聴き手を煽った後にスローダウンするパートをはさんでツイン・リードが炸裂、というまさに「様式」にのっとったパワーメタルチューンで、「さすがだ!」とひれ伏すしかなかった!こりゃあカッコいい。この曲はMVは出てないのね。

そこから間髪入れずヘヴィなリフとともに「Strike Of The Viper」がきりこんできます!この流れがいいねえ。

 

キャッチーなサビと、KKの「らしさ」が一聴で感じ取れるギターソロ。やはり路線としては前作の延長、というかそのまんまですねえ。この曲はたったの2分24秒。前作にも3分チョイの曲があったけれども、長さがどうこうという話以上に全体的に曲がコンパクトになった印象。前作は8分台の曲が2曲もあったのに対し、今作はいちばん長い曲でも6分半。

 

それに続くのは「Reap The Whirlwind」。こちらもわりとわかりやすいシンプルな曲ですね。

 

4曲目が、曲名からしてあのJUDAS PRIESTの「PAINKILLER」アルバム所収の名曲「One Shot At Glory」を思い出させる、男の哀愁があふれまくり、聴く者の勇気を奮い立たせてくれるような曲、「One More Shot At Glory」!

う~ん、いいねえ。最後はフェードアウトではなく長~い泣きのソロを聴かせきって終わってほしかった気もするけど、このアルバムのハイライトはこの曲といってもいいんじゃないでしょうか。カッコいい!

 

そして5曲目は「Hymn 66」。ヘヴィかつ複雑な曲構成で、JUDASの「SAD WINGS OF DESTINY」アルバムあたりに入っててもおかしくなさそうな雰囲気、と感じるのは私だけかな。

 

7曲目がタイトルトラック「The Sinner Rides Again」。個人的にいちばん気に入ったのはこの曲!こちらも時間的には短いながらめまぐるしい展開の曲でしたが、勇壮な歌メロを(喚きまくっているようで実は)表情豊かに歌い上げるリッパー・オーウェンズの歌唱が素晴らしい。聴いてると思わずコブシを握りしめつつ「SINNER RIDES AGAIN!」とシンガロングしちゃう!

8曲目「Keeper Of The Graves」はヴァイキングメタルみたいな大仰なクワイアが使われるドラマティック曲。

9曲目「Pledge Your Souls」はライヴでシンガロングするために書かれたんであろうアンセム的な曲。彼らに「Will You March With Us? 」と訊かれれば、そりゃあ答えは決まっている!

最後の「Wash Away Your Sins」が今作で最も長尺な曲。こちらでもリッパー・オーウェンズの歌唱が素晴らしい。曲としては・・・ギター・ソロはやっぱりKKの「味」が発揮されててカッコいいとしても、悪くないけどそんなに良くもない、って感じかなあ。聴き込んだらまた印象が変わってくるかも。

気になるところもなくはないが・・・素晴らしいアルバム!

という内容で、個人的にお気に入りは「The Sinner Rides Again」、「One More Shot At Glory」、「Sons Of The Sentinel」。

こりゃあ素晴らしい作品ですよ。前作と同じ方向性でありながら、シンプルでコンパクトな曲が多くなりわかりやすくなったことによって、よりパワーとアグレッションが強化された・・・という印象をもちました。

 

気になるところがあるとすれば、あくまでも前作との比較で言うなら、の話ですが、アグレッションが増したかわりに歌メロのキャッチーさはほんのちょっと後退したかな、というところか。ラストの曲はとくに印象薄かった。

それと、これはあくまでもオマケなんだろうから文句いうのは筋違いとわかってはいるけれど、日本盤ボーナストラック2曲が収録曲のインストバージョンってのはちょっとガッカリ。いやいやいや、「One More Shot At Glory」はインストでもカッコいいけど、勇壮な歌メロがキモの曲なのに、それのないインストなんかべつにいらないよとしか私には言いようがないんだけど。カラオケとして使いたいっていう需要があるんだろうか。

このアルバムを買うファンの大半が欲するボーナス・トラックはたぶん、KK’S PRIESTによるJUDAS PRIESTのクラシック曲のカバーじゃないですかね。もはやロブがフェイクなしで歌うのは不可能になっている曲、たとえば「The Ripper」などをこのメンツが演奏するボーナストラックなら、さらに満足度の高いものになっただろうに。

 

しかしそんなことは些細なこと。デス声でわめくだけの単細胞メタルや、小賢しい「なんとかメタル」ばかりがあふれているせいでメタルは斜陽になった。ヘヴィ・メタル人気を復活させるためには、今作のような、ヘヴィ・メタルの魅力とはいったいなんなのかということを真正面からたたきつけてくれる、どこを切ってもヘヴィ・メタルな作品を我々は買わなくてはならないし、そういうサウンドを提供してくれるバンドは応援しなくてはならない。

その意味で、この作品が売れているようであるのは非常に喜ばしいこと!この勢いで来日公演・・・となることを祈ります!

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