ヘヴィ・メタルを知らない人に「ヘヴィ・メタルとはなんぞや?」と訊かれたとするなら、メタルに限らず音楽についてそれを言葉で説明するのはなかなか難しいのでやはり「とりあえずこれを聴け」となにかを提示するのが早い。
そのときにひとつだけ選ぶとするなら、やはり私はJUDAS PRIESTを提示することになります。アルバムはなんでもいいが「DEFENDERS OF THE FAITH」や「SCREAMING FOR VENGEANCE」「PAINKILLER」などを提示して、「これ聴いてカッコいいと1ミリも思わなかったら他のメタルと言われているものをわざわざ聴く必要はない」と断言しちゃう。
それくらい、ヘヴィ・メタルとはすなわちPRIESTであり、PRIESTこそがすなわちメタルそのもの・・と思ってます。
そのJUDAS PRIESTの創設から全盛期まで、カッコいいリフとソロを聴かせまくってくれていたものの2011年に脱退してしまっていたギタリスト、K.K.ダウニングが、自らのバンド「KK's PRIEST」を結成、そのアルバムが製作されている・・というのは知られていましたが、このたびその収録曲のMVが公開されました!
アルバムへの期待が高まる素晴らしいデキ!
視聴してみると、これがとんでもなくカッコいい。アルバムへの期待度は爆上がり!
イイね!自然にヘドバンし始めちゃう。メタル以外のなにもでもない、正真正銘のメタル!
全体像としては近年のPRIESTに近いものがあるかな・・・という印象。
しかしKKは「PAINKILLER」アルバムを彷彿とさせるアグレッシヴなプレイを聴かせているし、なにより現在のPRIESTと違うのは、ロブ・ハルフォードの全盛期を凌駕するド迫力ヴォーカリスト、ティム・リッパー・オーウェンズのヴォーカルが冴えまくっているところ。
今のロブの歌唱を否定するつもりはないけど、高音が出ないというのは残念ながら事実ではあるので仕方がない。「FIREPOWER」アルバムはそこを踏まえたうえでカッコよく仕上げちゃったからさすがにJUDAS PRIESTは凄かった、というわけでもあるんですが、ロブの歌唱に歯がゆさを感じる人も少なからずいるでしょう。
K.K.は音域の制限を気にすることなくダイナミックな歌メロを遠慮なく書けるんだから、すると聴き手のほうも胸がすくような気持のいいメタルに期待できるわけだな。
ティム・オーウェンズはもっと評価されるべき!
ご承知のように、ティム・オーウェンズは過去に一時JUDAS PRIESTに在籍したこともあり、ICED EARTHやイングヴェイ・マルムスティーンのバンドなどでも歌った人。
とてつもなく凄いのになぜかあまり評価されてない人。彼の在籍時のJUDAS PRIESTのアルバム「JAGULATOR」「DEMOLITION」のデキがイマイチだった(私は嫌いじゃない。でも特に好きでもない)のは彼が悪いんじゃなく、流行りに乗っかろうとした作風が悪かっただけなのに。ICED EARTHは中心人物のギタリストに才能がなかっただけ。彼の歌唱は素晴らしかった。
KK's PRIESTの話を聞いたときは実はあまり期待してなかったんですけど、ティムがヴォーカルというのを知り「マジで?そりゃあ楽しみ!」というふうに変わったのです。とにかくもっと評価されてほしい。
このド迫力絶叫ヴォーカリストがKK's PRIESTのアルバムでどんな歌唱を聴かせてくれるかが楽しみ。個人的には、現在のJUDAS PRIESTでは不可能な、2020年代の「PAINKILLER」といったようなアグレッシヴなメタル作品であればうれしい!続報が出たらまた記事にしましょう。
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