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8月15日は終戦の日

8月15日は「終戦記念日」もしくは「終戦の日」ですね。

正式には「戦没者を追悼し平和を祈念する日」というらしいですが、いまとなっては若い世代の中にはこれを知らない人もいるらしい。

もちろん私も戦後生まれ、戦争のことはさまざまな形での伝聞でしか知りませんが、親は幼かったながらも戦争を体験した世代。亡父は兵隊に憧れていて戦争がもう少し続いていれば兵隊になるつもりだったらしいし、母は満州に住んでいて終戦と同時に命からがら引き揚げてきた体験をしている。

今回は終戦記念日にあたって思うことを書いておきます。

父が歌う軍歌を聴かされて育った

私の亡父は終戦の時に13歳くらい。

そんな話をしても面白くないだろと思ったからなのか、いい思い出がないからなのか、とくに話すことがないからだったのかわかりませんが、あまり戦争体験の話をしているのを聞いたことがなかったです。いや、私のほうから「天皇陛下のことを神だと信じていたか?」とか、「日本が戦争に勝つと思っていたか?」とか訊いたことがあるような気がしますが、はっきりとした答えが返ってこなかった。やはり、あまり話したくなかったのかもしれません。

かたや母のほうは、満州での小学校生活の話とかをよくしていました。何度も聞かされたのは引き揚げのときの話。兄弟のうち何人かは引き揚げの混乱ではぐれてしまい、奇跡的に帰ってこられたもののあやうく「残留孤児」になってしまうところだったらしい。おそらくは相当に過酷な状況だったはずですが、私の母はあっけらかんと話していましたね。まだ7つか8つくらいのときだったので、あまり覚えていないというのもあったのか、それともあまりに苦しい思い出は話したくなかったのか。母ももう認知症のおかげで話すこともできないので、そのへんも今となっては訊けなくなってしまいました。

 

で、亡父は自身の戦争体験の話はあまりしなかったけれども、少年期には兵隊に憧れていたらしく、戦闘機や軍艦や軍隊についてのウンチクは相当なものでした。そのおかげで私は戦闘機や軍艦の名前はたくさん覚えた。

ドイツとイタリアは同盟国でしたから、戦中に少年期を過ごした亡父の中ではヒトラーやムッソリーニも極悪な独裁者という認識はあまりなかったようです。ヒトラーに関しては「しがない伍長から、演説の才覚だけで成り上がった男」として評価していたようでした。

それだけでなく、亡父は「軍歌」が好きで、一緒にお風呂入ったりすると必ずそれを聴かされるので、否が応でも私も覚えました。

最も聴かされたのは「海ゆかば」。

歌詞の意味もわからぬまま覚えてしまった曲。幼かったし、父は歌の持つ意味など語ってくれませんでした(語ったかもしれないが覚えてない)から、「水漬く屍」は「水、くかばね」と勘違いして「くかばね」ってなんだろ、と思っていたし、「大君の」は「おお、君の」だと思っていた。

幼いころはその旋律だけををとらえて単純に「哀しげだけど荘厳な雰囲気でカッコいい曲」と感じていました。

しかしその歌詞の意味はザックリといえば「どこで死のうが心が天皇陛下のおそばにさえあれば、後悔などせぬ。」っていうことですよね。

この曲はいろんなとらえかたができて、「天皇陛下のために死ね!」という軍国主義そのものの曲ということもできるし、戦争の犠牲となった方たちへの「鎮魂歌」ともいえますね。

私はいまだにそういう意味でこの曲をどう評価すべきなのかわからないのですが、私の亡父はどうも兵隊さんを鼓舞する曲としてとらえていたんじゃないかというフシがありました。

それがいいか悪いかは私にはなんとも言えませんが、この曲を「軍国主義を後押しする歌」としてタブー視する人もたくさんいるようです。

しかし、こういう曲があって、兵隊さんを送り出すときにも犠牲者に哀悼をささげるときにも歌われた、という事実は後世に伝えていかなくてはならないんでしょう。

戦争を知る世代がいなくなろうとしているいま、それはもう意識してやっていかなくてはならないでしょうね。

私はこの曲を純粋に音楽的に素晴らしいと思うと同時に、「こういう覚悟で戦争に行って散った人たちのおかげでいまの日本がある」と感謝の祈りをささげたくなったりもします。しかし、こんな歌が二度とつくられてはならない。

歴史や意味を無視するなら、軍歌は名曲の宝庫

私は父の影響で軍歌をたくさん覚えました。

ガキで意味はわからなかったから、難しいことは考えず純粋に「カッコいい」と思う曲もたくさんありました。

私はメタルでもMANOWARやTANK 、IRON MAIDENのような勇壮な曲を好んでいますが、それはひょっとして幼いころに父から教わった軍歌が影響しているのかもしれません。


↑これはカッコいい。亡父が大好きだった曲。こういうのを聴かされたり歌わされたりすれば、命がけでお国に尽くすぞ!という気にもなってしまうというか、背中を押されるでしょうね。その意味でこのカッコよさは犯罪的。

↑これも映画の主題歌だったらしいですが、いわゆる軍歌は基本的にキャッチーで歌いやすいんですね。歌える、というのは気持ちを高揚させるという意味で重要な要素ですからね。

↑イントロだけ聴くと「全部同じじゃねえか・・・」となりますが、その歌メロはとにかくキャッチー。こういう歌をわけもわからず父とお風呂で歌っていましたから無邪気だったというかなんというか、恐ろしい気もします。

↑こんなポップな曲も。しかし、映画「八甲田山」みたいに、命がけの過酷な進軍をこの曲を歌い(歌わされ)ながら強行して命を落とした人もたくさんいたんだろうと思うと、これも罪深いポップさですね。

 

ここまで軍歌を「カッコいい曲も多い」と褒めてきましたが、それはまさしくただ単に音楽的に「カッコいい」からそう言ってるだけであって、べつに戦争をカッコいいと思っているわけではないので誤解のなきよう。

戦意高揚のためにこういう曲がつくられ歌われた・・ということを知ることは、われわれ戦争を知らない世代には非常に重要なことだと思うので記事にした次第。

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↑こういったCDもたくさん出ていますから、まずは音楽的な優秀さを知るだけでもいいので聴いてみるべきでしょう。

そういえば、いまのNHKの朝ドラのモデルになっている作曲家、古関裕而は軍歌や戦時歌謡もたくさんつくった人でしたが、そのあたりについてはどう描くんですかね。いま止まってて再放送なのか。

最近のNHK朝ドラはまるで少女漫画のようなファンシーで軽い内容ばかりでもう見てないんですが、そこを避けて通るようならもう国民が払った受信料でそんなゴミみたいなドラマ作るな!っていう話になりますね。まあ見てないので文句言う資格もないか。

 

ドラマにしろ音楽にしろ、戦争を伝えていくことはものすごく重要なことで、こういう日にこそ政治家は街頭演説でもなんでもやって国民に語るべきなはずですが、奴らがそんなことするのは選挙の時だけ。政治家は、無能でもいいから、たのむから戦争にだけは「NO」と言い続けてほしい・・と思っています。

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