以前、思い出の名盤として
→思い出の名盤~LAメタルの隠れた傑作「IN THE BEGINNING...」/MALICE
の記事でMALICEの「IN THE BEGINNING...」について書いたんですが、
「LAメタル 名盤」とか、そういったワードで検索してくる方がけっこういるんです。
「LAメタルの名盤」と言われて思いつくものはたくさんありますが、
今回話題にするW.A.S.P.のデビュー・アルバムは、
楽曲の素晴らしさという点では並ぶものが思いつかない名盤中の名盤でした。
イメージだけで判断すると損する、という教訓を得た思い出
W.A.S.P.(ワスプ)は、1982年から活動するアメリカ・ロサンゼルス出身のヘヴィ・メタルバンド。
いわゆるLAメタルの代表的バンドのひとつです。
最近、5枚目のアルバム(実質は中心人物であるブラッキー・ローレスのソロアルバム)
である「THE CRIMSON IDOL」発売から25周年ということで
それをリ・レコーディングし新曲も追加、映画までついた
アニバーサリー・エディションが発売になり。話題になっているようです。
私はまだチェックできてないので詳細はわかんないですが。
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「THE CRIMSON IDOL」をW.A.S.P.の「最高傑作」とする人も多いですね。
たしかに「THE CRIMSON IDOL」は「LAメタル」という括りからは完全に外れた、
ブリティッシュ・メタルっぽいカラーの作品(実際アメリカでは売れなかった)
で、私も嫌いではないんですが、
なにしろデビュー・アルバム「W.A.S.P.」(邦題は「魔人伝」)があまりにも完璧すぎて、
その後の作品はかすんで見えちゃうんですよね。
1984年に出たデビューアルバム。
これの前にEP「Animal(Fuck Like a Beast)」を出していましたが、
あまりにも歌詞が過激・・ということで
所属のメジャー・レーベルが発売を許可しなかったというイワクが。
当時の雑誌などでは
「Animal(Fxxk Like a Beast)」と表記されていて
(アルバム・ジャケットも「Fxxk」になってたし)、
中学生でしかも英語が得意でもなかった私には
「Fxxk」というのがわからなかった。
「xx」が伏せ字だということもわからなくて、
辞書で「fxxk」を引いてみてもそんな単語はなく、
発禁になるくらいだからソッチ方面の言葉なんだろうな・・・
と思い、オトナに訊くこともせず、
意味を知るまでにしばらく時間がかかった覚えがあります。
amazon.co.jp Animal / Fuck Like a Beast / Live Animal
↑この下品さ、いかがわしさ。
聴く前には「見た目よりマトモな音」
という評判は聞いていたものの、
それなりにおどろおどろしくヘヴィなサウンドなんだろう、
と思いつつ「魔人伝」→「Animal」という順番で聴きました。
すると・・・おげれつ股間ノコギリの画像からは想像もできない、
キャッチーで超ハイクオリティな楽曲が襲ってきました!
たしかにメタルとして聴くなら「THE CRIMSON IDOL」のほうが上かもしれませんが、
うるさいロックン・ロール、として聴くなら
圧倒的に1stアルバムがベスト!
超キャッチー、捨て曲なしの名盤!
「魔人伝」のオリジナル盤は「I Wanna Be Somebody」から始まります。
はじめて聴いたときはダーティなダミ声で絶叫するブラッキーのヴォーカルにビックリしましたが、
とにかくすべての曲が1回聴けば必ず覚えてしまうほどのキャッチーさを備えていて、
しかもヘヴィ&ラウドでメタルらしさもきちんとあって、
ガキだった私でもその凄さに圧倒されました。
いま聴いてもまったく色あせない素晴らしい曲ばかり。
「Hellion」なんてもう最高ですね。
聴くと必ず「he~~~~~~~llion!!!」とシンガロングしたくなります。
2枚目の「THE LAST COMMAND」も素晴らしいアルバムでしたが、
1stの「W.A.S.P.」が完璧すぎたためイマイチに感じてしまいました。
その後は度重なるメンバーチェンジや音楽性の変化などにより
私もW.A.S.P.の作品をあまり聴かなくなっていきましたが、
この記事をお読みのあなたがもし万が一この作品を未体験であれば、
いますぐ聴いてみることを強くおすすめしておきます!