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思い出の名盤:IRON MAIDEN「IRON MAIDEN」

これまでIRON MAIDENの初期名作について書いてきましたがこれが最後です。

私としては5枚目「POWERSLAVE」までが至高のヘヴィ・メタルバンドとしてのIRON MAIDENであり、6~9枚目までは好きだけど棺桶に入れてほしいっていうほどでは・・・って感じで、そして10枚目以降は全部クソ、という認識なので、「名盤」として言及するのはこれで終わりになります。

思い出の名盤:IRON MAIDEN「KILLERS」

思い出の名盤:IRON MAIDEN「THE NUMBER OF THE BEAST」

思い出の名盤:IRON MAIDEN「PIECE OF MIND」

本格的にメタルへの目覚めを呼び起こされた名盤~「POWERSLAVE」/IRON MAIDEN~

これまで書いてきたように私は中学生のときに「POWERSLAVE」でIRON MAIDENを初体験、そこからさかのぼって旧作を聴き、最後に手に取ったのが1stアルバム。「POWERSLAVE」で聴かれたような格調高さや神秘性あふれるサウンドとは違う、あまりに生々しく若々しく攻撃的なそれは、ガキだった私の心をわしづかみにしました。

速くてアグレッシヴ、かつ華麗な1曲目からしてヤラレた!

IRON MAIDENの2~5枚目のアルバムを聴いた中学生の私は、その激しさ、ドラマティックさ、ツインリードのハモリの美しさ、バキバキいうベースやギターのリフのカッコよさにヤラレまくり、これがメタルというものか・・と目を開かれる思いをしていました。

最初に聴いた「POWERSLAVE」も整合性がありながらもけっこう騒々しい音像(に当時の私は感じた)でしたが、さかのぼって聴いていくとやはり初期に近づけば使づくほど荒々しく攻撃的なサウンドになっていくんだな、と感じていました。とくに「KILLERS」なんかはその前のめりのパワーに圧倒され、1stアルバムにもそういうアグレッシヴさを期待したのです。

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なにしろガキだったので「鋼鉄の処女」っていう邦題の意味がわからなかった。まあアルバムタイトル、つまりバンド名を直訳すればそうなるわけですが、それが中世ヨーロッパの拷問具の名前に由来するというのはたしかライナーノーツを読んで知ったと記憶してます。

 

で、貸しレコード店で借りてきたレコードに針を落としますと・・・大仰な序曲が入ってた「KILLERS」とは全然違う、真っ正直につっぱしる1曲目「Prowler」が爆裂します!

くはあ~。今聴いてもまったく色あせない、めちゃめちゃカッコいい曲。ギターソロのクールさはもう尋常じゃない。音がチープ?だからどうした。ものすごくアグレッシヴで4分に満たない曲なのに、緩急を心得た曲展開で「ただ突っ走ってるだけ」とは感じさせない。1stアルバムの時点で、誰にも似てない唯一無二のサウンドをつくりあげていたのはホントに凄い。

 

ちなみにこのアルバムでいちばん好きな曲は2曲目の「Remember Tomorrow」。ポール・ディアノの男の哀愁あふれる歌唱と、感情がせきを切ってあふれ出したかのような中間部の疾走がカッコよすぎる。

わずか5分チョイの尺でもこれだけドラマ性のあふれる曲になる。凄いなあ。これ聴くと今のMAIDENがいかに冗長な曲ばかりやってるかが浮き彫りになっちゃう。

 

思い出深いという意味では、インストの「Transylvania」も私にとって重要な曲。のちにギターを手に入れたとき、雑誌か何かにこの曲の楽譜があるのを見つけて、それを見ながら一生懸命練習した曲。リフだけはすぐに弾けるようになって、カッコいい曲をコピーして弾くことの気持ちよさを体感できた。ヤケクソ気味にアグレッシヴなドラムも好き。

 

以上3曲が個人的に思い入れの深い曲。とは言っても、キャッチーな「Running Free」も好きだし、プログレッシヴでドラマティックな「Phantom of the Opera」も好きだし、つまるところ全部好き。初めて聴いたときは、終わってから最後の最後にポールがなんか言うの聴いてすごくビックリしたのを覚えてます。

↑この曲も約7分で、MAIDENの曲としてはものすごく長い曲じゃないけど、今のMAIDENがやってる10分以上の曲よりも、聴きどころという意味では100倍くらい中身が詰まっている。頼むから今の大作主義は見直してほしい。長けりゃあいいってもんじゃないんだよなあ。

メタルを知らない人に勧めるとすれば、まずは初期2枚を推す

今さら私ごときが言うまでもなく、これはもうヘヴィ・メタルという音楽を定義づけたというべき歴史的名作。

私に言わせれば初期5作は全部そうなんですけどね、むき出しのアグレッションと理屈抜きでエキサイトできるカッコよさを持っているという点で、この1stと2ndの「KILLERS」は別格。もしメタル初心者に「IRON MAIDENでまず聴くべきアルバムは?」って訊かれたら私は初期2枚を推したい。10枚目以降は「間違ってもカネ払って聴くな!」って言いますけど。

 

これでIRON MAIDENの名盤回顧記事は終わり。できればふたたび、若かりし頃のような理屈抜きに震えられる作品をつくってほしいものです。少なくとも最後まで聴くのが拷問と感じられるような大作主義はもうやめてほしい。それがトシを重ねるということなのかな。いやいや、オッサンになっても若い時と同じ、いやそれ以上に刺激的なことやってるSODOMみたいなバンドだっているじゃないか。今のメイデンはクソ、なんて言ってすみませんでした!と土下座したくなるような復活を祈りたい!「SENJUTSU」が売れていい気になっちゃダメ!

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