旧ソビエト連邦最後の最高指導者だったミハイル・ゴルバチョフ氏が死去されたと、ロシアの通信社が伝えているとのこと。ご冥福をお祈りします。
ゴルバチョフ氏が書記長になってペレストロイカを始め、長年続いた冷戦を終結させたころ、私は高校生から大学生くらいでした。大学のゼミの教授がベルリンの壁崩壊のころにドイツに行ってきて、そこで入手してきたという「壁」のかけらを自慢げに我々学生に見せてくれまして(若いころから疑い深かった私は教授に「ホンモノですか?そのへんのコンクリのかけらを売りつけられたりとかじゃないんですか?」って失礼なことを平気で言ってた)、東西冷戦の象徴ともいうべき「壁」のかけらを手に取らせてもらったとき、まさに「世界は変わるんだ」と予感したのを覚えています。
しかし現在の指導者であるプーチンは旧ソ連へのノスタルジーを捨てられず時代を巻き戻そうとしてる。プーチンはゴルバチョフ氏のせいでソ連が崩壊した、と思って批判してたから、大々的な「国葬」なんかはやらないんでしょうね。
しかしプーチンがもしゴルバチョフ氏を自分や国家にとって重要な人物と評価していたなら、おそらくは外国の要人なんかも呼んで国をあげて盛大な葬儀を行ったに違いない。そう考えると、国をあげての要人の葬儀ってのはどこまでも徹底的に時の権力者や政権の都合によって恣意的に行われるものであるということなんだな。北朝鮮や旧ソ連の指導者の葬儀の動画とかみるとそれがよくわかる。自民党はそれと同じことを安倍元首相をつかってやろうとしているわけだ。「民主主義の根幹を揺るが」しているのは山上容疑者ではなく自分たち自民党だ、という自覚はないんだろうなあ。脳ミソに保身のことを考える神経回路しか存在しない奴らだから仕方がないんだろうなあ。
そのへんを考えると現在岸田がごり押ししようとしている安倍元首相の国葬の醜悪さがクッキリとしてくる。「国葬」の理由のひとつとして「長期政権で頑張ったから」などと言ってるけど、同じように長期政権だった小泉さんのときもやるのか? 何年首相をやったら国葬にするの? そんなことを政権の都合で勝手にやられちゃ困るから、国会を通して法律つくってからやれ、という話なのに。やってることは全体主義国家と何も変わらないじゃないか。
安倍氏にゴルバチョフ氏なみのものすごい「業績」がほんとうにあったんならまだしも、そんなものどう考えても1ミリもないからねえ・・。業績どころか「疑惑」しかないのに。そんな人を巨額の税金(どうせオリンピックのようにいろいろ理由をつけてあとになってから「200億円かかりました。明細は捨てちゃったからないです」って言うんでしょうね。旧ソビエト共産党以上の隠ぺい体質政権!)を使って、多くの国民の反対を押し切って「国葬」でおくろうって言うんだから、そこにはなにか彼自身や政権や自民党にとって「なにがなんでもやらなくてはならない」事情があるんでしょう。
その事情が、国民にとって利益のあるものであれば話は別だけど、こいつらの場合はどうせ自分たちと周辺のお友達におカネを落とすこととか、自分たちの求心力の維持のために役立てることしか考えてないでしょ。しかも「国葬」をとりしきるのが東京五輪汚職への関りも疑われてる電通ときたもんだ。どこまでもドロドロに穢れた「国葬」。「弔問外交」などとぬかしてるが、こんな状況では国家の恥をさらすだけになるのは必定で、そんな「弔問外交」が国益にかなうなんて考えるほうがどうかしてる。
それに外国首脳も「ジャパンの元首相の葬儀?それどころじゃない」ってカンジじゃないですか?小国はともかく、先進国は課長クラスとかを派遣して終わりでは。安倍氏がこびへつらって友達になった(ように演出した)トランプも、機密情報の持ち出しの容疑で調べられててシンゾーの葬儀どころじゃないんでしょ? いまのところハリス副大統領が来るって話だけど、なんだかんだでそれ以下のクラスの人がしょうがないからって感じで来て終わったらそれこそ日本は赤っ恥をかかされることになるんじゃないか。日本の凋落っぷりが世界に示される事態にならないことを祈るのみ。
瀬川瑛子「ベスト16~夫婦つづり/命くれない~」
瀬川瑛子のベスト盤。いろんな時期にベストがいっぱい出ていますがこれは1995年のもの。若いなあ。「夫婦つづり」が最新曲だったころか。
たまたま手に入ったから聴いたんですが、知らなかった曲もあって楽しめました。船村徹先生作曲の「花の舞台にありがとう」は、いかにもって感じの哀愁演歌で、それが瀬川瑛子独特ののネッチョリとした歌唱にじつによく合っていて素晴らしかった。
そのあまりにキョーレツな個性をはなつ歌唱はまさに唯一無二。しかしキョーレツすぎてヘタすると「全部同じ」に聴こえちゃうっていうのが、スゴイところでもあり残念なところでもあるのかな。しかし、何歌っても絶対に一発で「あ、瀬川瑛子」ってわかる、何歌っても「瀬川瑛子の曲」になる、それはやっぱり一流の証なんでしょう。
「命くれない」はやっぱり演歌史上最強クラスの名曲! ベスト盤の1枚くらいは家に備えておくべきです!
おススメ度・・・★★★★
KHOLD「KREK」
ノルウェーのブラック・メタルバンド、KHOLDの4作目。2005年作。
現在も活動してるベテラン。しかし私は(たぶん)音に触れるのは初めて。
どうせトレモロリフ+ブラストビート+デス声ぐぉ~っていうテンプレを踏襲したブラックメタルなんだろ・・とあまり期待しないで聴いてみますと・・・
ブラストは皆無、ヴォーカルも自然な(?)デス声。シンプルなリフと構成の曲が淡々と続きます。 「ブラックンロール」と表現されることもあるらしいけど、まさにそれは言い得て妙かもしれない。たま~に抒情メロディが挿入される、シンプルでわかりやすいブラック・メタル。
リフだけ聴いてるとCANDLEMASSっぽかったりHELLHAMMERぽかったり。キャッチーでクールで、なかなか中毒性がある。しかし歌がなあ。歌をもっとキャッチーにしてほしいなあ。そこがテキトーだからつまらないんだよなあ。いつも言うけど「ダーティな声で唸ってりゃあクール」って考えはほんと捨ててほしい。
おススメ度・・・★★★☆
E.Z.O「E.Z.O」
最後に懐かしい名盤を。80年代後半に存在した日本のヘヴィメタルバンド、E.Z.Oの1st。1987年作。
これは私が高校生のときに聴いてあまりのクオリティの高さにビックリした作品。たしか貸しレコードで聴いたから音源はず~っとダビングしたカセットしかなくて、そのカセットがビロビロになったあとは聴けてなかったのです。E.Z.Oの残した2枚のアルバムは何度か再発されているもののどちらも今はなかなか入手困難。今回はたまたま安く買えたので聴きなおしました!
個人的な趣味で言えば、前身であるFLATBACKERの、爆発的エネルギーを放つアグレッシヴさのほうが好きなんですが、E.Z.Oに改名してのこのアルバム、とにかく曲のデキも演奏も歌も最高。ジーン・シモンズがプロデュースなどで関与しているだけに「アメリカナイズされてんな~」っていう曲もあるにはありましたが、よくよく聴けばそれはアメリカナイズというより「メジャー感が増した」といったほうが的確だとわかる。
↑これをはじめとして好きな曲だらけ。
そしてこれに続く2作目「FIRE FIRE」も名曲だらけのスゴイ作品でそれも当時大好きだったんですけど、残念ながら音源が手元にない。FLATBACKER時代のものも含めてもう1回再発してくれないものか!出せばバカ売れ間違いなしだろうに!
おススメ度・・・★★★★★