トヨタ自動車が、昨今の原材料費の高騰などを鑑み、通常毎年2回取引先に部品の値下げ要求をする「価格改定」を2022年下期は見送る、というニュースを見ました。
読売新聞オンライン トヨタ、部品の値下げ要請しません…「大変苦しい状況だと理解している」
ええ・・。これってどういう趣旨のニュースなんだろう。「値下げ要求しない」がニュースになるとは。下請けは毎年値下げするのが当たり前なの? トヨタは産業界の支配者だったのか。 こんなニュースを垂れ流しておいてテレビコメンテーターとかは「値下げ要求しない?それがなんなの?」とか「はあ~?トヨタ何様だよ!」って言わないのか。スポンサーにはなにも言えないのであればエラそうなことばかり言わないで当たり障りにないことだけを言ってればいいのに。
知らなかったが、トヨタと取引してる企業はなにごともなくとも年中行事のように毎度毎度「値下げしろ!」などと要求されるのか。死ぬほど儲かってるくせに毎年毎年出品者にもとめる手数料を勝手に上げるAmazonと同じか。要請とは名ばかりで実質は強制なんでしょうが、そんな殿様企業と取引しなきゃやっていけないっていうのは苦しいだろうなあ。なにか理由があって値下げを要求するんじゃなくて、なにも状況が変わらなくても毎年2回定期的に「値下げしろやコラ」って言うなんて、いったい何様のつもりなんだろう。それが得意の「カイゼン」というものなのか。カンタンなんだな。
どれだけ儲けをむさぼれば気がすむのか。だいたい、「値下げしなくてもいいですよ、よかったですね~」などといかにも自分たちが情けをかけてやってるみたいな言い方がすでに気持ち悪い。原材料費が上がってるんだし、そもそもものすごく儲かってるんだから「値上げを受け入れる」ならわかるが、「値下げしなくてもいいよ」ってのはニュースにするほどのことなのか。マスコミは広告主であるトヨタに媚びたくてこんなのをわざわざニュースにしてるんだろうなあ。ニュースにするんなら「これまで毎年値下げを要求して取引先を泣かせていたトヨタが、今年はさすがに値下げ要求を断念」っていう方向でやるべきでは。とくに理由もなしに定期的に値下げ要求なんて、下請法や独禁法にはひっかからないの?
取引先には定期的に値下げさせてるというわりには、不思議なことにトヨタのクルマがどんどん安くなってるなんていう話は聞かないし、同じくらいの値段の他メーカー車と比較して圧倒的に高クオリティであるっていう気もしない。 そりゃあ2兆円も儲けが出るはずだ。取引先には泣いてもらい、消費者には高い車買わせて、そのカネをスマートシティだのどうでもいいようなことにカネをつぎ込んでる。2兆円の儲けの一部でも使えばいま出回ってるトヨタ車のすべてに踏み間違い防止装置つけて悲惨な事故を減らせるだろうに、そんなことは決してやらない。
まあ社員がパワハラで亡くなって11年もほったらかしで遺族と和解できなかった件でも経営者が「会社の隠ぺい体質のせい」とか言って自分のせいじゃないアピールするくらいですからね、「苦しいでしょ?今回は特別に値下げしなくても許してあげる」なんて上から目線も「会社の体質」というものなんでしょう。これが日本のトップ企業。日本の斜陽っぷりを象徴している気がします。
V.A.「吉幾三トリビュートアルバム 幾三フェスティバル」
50周年を迎えた吉幾三をリスペクトする徳間ジャパン所属の後輩歌手たちが集まって、彼の楽曲をカバーしたアルバム!先日出たばかり!
Amazon.co.jp 吉 幾三トリビュートアルバム「幾三フェスティバル」
吉幾三が日本屈指の天才コンポーザーであることは明らかで、その楽曲を実力ある歌手たちがカバーしてるんだからそのデキが悪いはずがない・・ということでもちろん買いました!
冒頭の「酒よ」と、最後の「涙・・・止めて」は参加歌手みんなで歌うアレンジ。「酒よ」がカッコいいのは周知だし、戦争の悲惨なニュースを日々目にする今の状況で「涙・・止めて」を聴くととてもかなしい気持ちに。
曲自体は全部最高なのでいまさら言うことはないし参加歌手の歌唱も素晴らしいです(松原のぶえってやっぱスゲ~って再認識)が、葵かを里の「酔歌」、朝花美穂の「津軽平野」、それから黒川真一朗の「かあさんへ」がとくに良かった。「かあさんへ」は聴くと自分の親不孝さ加減が身に染みて後悔の念から必ず涙腺をぶちくだかれる曲で、その意味であまり聴かないようにしてるんです(猛烈にいい曲なんだけど心が揺さぶられるのがつらくて聴きたくないなんていうスゴイ曲はそう多くない)が、こんな曲をゴマンともってる吉幾三はやっぱり天才。いま続々出ている50周年企画のアルバムまだ買ってないけど、やっぱり買うべきだな。
おススメ度・・・★★★★☆
MAXXXWELL CARLISLE「VISIONS OF SPEED AND THUNDER」
現在はHELLION(先週紹介しました→今週聴いたもの:2022年7月14日~7月20日) に在籍しているというギタリスト、Maxxxwell Carlisleの2015年発表3rdアルバム。
Amazon.co.jp Visions of Speed and Thunder
ジャケットに写ってるモヒカンのムキムキ男(彼がMaxxxwell。ボディビルダーでもある)をみるとパンキッシュなサウンドを予想しちゃうでしょうが大間違い。正統派パワーメタル。ネオクラシカルな雰囲気の曲もあるけど、私は断然↓みたいな勇壮でキャッチーな歌メロのパワーメタル曲が気に入りました!
いいねえ!最高じゃないか。ギターソロはただの手癖っぽい速弾きが多いのがちょっと気になるかな。しかしどこまでもメロディを大事に聴かせようとする姿勢には好感。ヴォーカリストはとっかえひっかえに違う人が出てくるけれども、曲に一本筋が通っているのでチグハグな印象にはならない。どこまでも硬派なメタルをもとめるマニアには絶対におススメ!
おススメ度・・・★★★★
KORGULL THE EXTERMINATOR「REBORN FROM ASHES」
スペインのスラッシュ/ブラック・メタルバンド、KORGULL THE EXTERMINATORの2015年作。4枚目?
Amazon.co.jp REBORN FROM ASHES
ある程度のトシのメタルマニアならバンド名をみれば「ああ、VOI VODのあの曲からバンド名をとったのね?」となるはず(カナダのVOI VODの名盤2ndアルバム「RRROOOAAARRR」に同名の曲がある)。
けっこうなベテランですが私はこれまで聴く機会がなかった。エクストリームさが後退してからのVOI VODはあまり好きでない私としては、「RRROOOAAARRR」のころのVOI VODに影響されたスラッシュ・メタルであれば大歓迎。ちょっと期待して聴きましたら・・・
↑この曲はそんなにたいしたことないけど、こりゃあカッコいいよ!ヴォーカルの歌いまわし(言われなければまずわからないがヴォーカルは女性)とか、一部の曲のリフなんかを聴くと「あ、VOI VODっぽい」と感じる部分もあるものの、あれほどひねくれたというか手の込んだところはあんまりなくて、初期VOI VODよりももっとストレートでわかりやすい。そしてもっと速いし狂暴。曲によってはCELTIC FROSTみたいで、とにかくそのへんの古いスラッシュが好きなんだな、というのがヒシヒシと伝わってくる。
それに初期VOI VODはアグレッシヴでありながら荒涼とした寒々しいサウンドでしたが、こっちは冷酷でありながらも熱気を感じる前のめりの勢いがステキ!
で、1曲カバーが入ってるんですけど、それがVOI VODと同じカナダのバンドRAZORの名曲「Take This Torch」。オリジナルよりもさらにド迫力に仕上がってました!カバーとかやってもオリジナルよりつまんなくて「いらねえよこんなもん。カバーなんかやらんでいいから自分たちの曲をもっと磨け」っていうバンドも多いなか、このカバーはかなりのデキ。実力のあるバンドなんだな、とわかります!ほかのアルバムも買わなきゃあ!
おススメ度・・・★★★★