さる21日、3人の死刑囚に死刑が執行されました。岸田政権下では初めて。
死刑廃止派の私としてはなんともやりきれない気持ちになります。いや、いつも言うように、ほんとうの極悪人に死をあたえること自体には必ずしも反対しないけれども、ほんとうに極悪人で矯正の余地がないのかどうか、どうしても吊るさなければならないのかどうか、それを決めるのが自分たちの利益のためには平気でウソをつく国家権力の奴ら、っていうのが徹底的に恐ろしいのです。ていうかそもそもほんとうにそいつがやったのかどうかも怪しい、っていう確定死刑囚は現時点でもいるし、じっさい再審無罪になった人だっていっぱいいる。
先日は国土交通省が統計を書き換えてたっていう騒ぎがありましたよね。「書き換え」とかいうソフトな言い方してるけど、これは国民を騙した詐欺行為でしょ。それは国土交通省だから刑事裁判には関係ない? いやいや、検事が刑事事件の証拠を捏造した事件だってあったじゃないか。袴田さんの事件だって証拠の捏造がほとんど明らかになっている。役人のやることなんてそんなもんだし、あらゆる権力は必ず腐敗する、っていうのをどうして日本人は忘れちゃうのだろう。
もちろんまともに仕事してる検事や裁判官もたくさんいるでしょうが、いい加減な奴がひとりでもいるんなら、死刑なんて判決を出す資格も執行する資格もないでしょう。もし間違えたら(ていうか間違えたっぽいと言われているのもすでに実際にある)どうすんの? 検事や裁判官も完璧な人間にはなりえない以上、無能な奴もいれば正義感や使命感もない奴もいて、保身のためにウソつく奴だって絶対にいる。死刑執行を命令する権限をもつ法務大臣だった奴がつい先日公職選挙法違反で実刑になったばかりですよ。そんな奴らが人に死をあたえる?いったい何様のつもりなんだろう。
死刑廃止を訴えると、「被害者の気持ちはどうなる」っていう声が必ずあがるんですけど、どうしてもそれを言うならば、死刑に処すかどうかは被害者や遺族に決めてもらって、結論が死刑となったら「仇討ち」として被害者・被害者遺族に執行をしてもらうという制度にしたほうが、国家権力にやらせるよりはまだマシでしょう。現行の制度では被害者がもし「生きて償え」と言ったとしてもその気持ちは反映されませんしね。被害者感情を言うなら仇討ちの復活が妥当なのでは。江戸時代に条件付きで合法だった仇討ちは、近代化にともない「野蛮」ということで禁止されたけれども、野蛮さを言うならデタラメ国家権力がおこなう現代の死刑も同じようなものだし。
しかしどっちにしろ犯罪捜査をするのがウソツキ国家権力だから冤罪の可能性はどう頑張っても消せないので、やっぱり死刑はやめるしかないというところに行きついちゃう。
まあでも、日本が死刑をやめることができる日は、まだまだ当分来ないでしょうね。なにしろ驚くことに弁護士という肩書を持ってても現行の死刑制度を支持してる人もいるくらいだし、政治家は票のことしか頭にないから死刑廃止を叫んで一生懸命働く奴など出てこない。月100万円の文通費の使い道を公開するように変える、っていう程度の改革すらも満足にできない無能で問題意識ゼロの奴らですから、そんなことが期待できるはずもない。
AMON AMARTH「WRATH OF THE NORSEMEN」DVD
私が「フェイバリットバンド」とはっきりと言い切ることができる数少ないバンドのひとつ、スウェーデンのメロディック・デス / ヴァイキング・メタルバンド、AMON AMARTHのライヴ映像作品。2006年作。
Amazon.co.jp AMON AMARTH - WRATH OF THE NORSEMEN (3DVD) [2007]
うかつにも今まで手に入れる機会がなかった。YOU TUBEには公式で上がっているのでちょこっと見たことはあったんですけど、全編見たのはこれが初めて。
贅沢にも5つのライヴが収録されています。時期的には全部が2004年~2005年なので、曲はだいぶ重複しちゃっています。5作目「FATE OF NORNS」が最新作だった当時のライヴ。
彼らのライヴでの演奏は基本的にスタジオ録音のものに忠実で、どのライヴをみてもあまり変わり映えはしない。その意味ではライヴ5本は贅沢すぎて冗長に感じる人もいるかも。でもディスク2の「METAL BLADE RRROOOAAARRR」では1996年のミニアルバム「SORROW THROUGHOUT THE NINE WORLDS」の収録曲もやってて、これはたぶんけっこう貴重なのでは。これが見られるのはこのDVDだけなのかな。
↑1時間6分くらいからが「METAL BLADE RRROOOAAARRR」。音は良くないけどそれがまたライヴ感があってヨシ。
う~ん、やっぱりAMON AMARTHは2000年代の頃が最高ですな。全楽器が混然一体となって突進する破壊力と、男の哀愁あふれる雄々しいメロディに心が震わされるのですよ。「The Pursuit Of Vikings」におけるいつもの「Oden! guide our ships!」のところとか、「Death In Fire」の「Death In?」→「FIRE!!!」のところなんかは画面の前でも思わず声出しちゃう。
全編とにかくアツく汗くさい漢メタルが全開。手に入れておくべき映像作品です!
おススメ度・・・★★★★☆
COUNT RAVEN「MAMMONS WAR」
スウェーデンのドゥーム・メタル、COUNT RAVENの5作目。2009年作。
名前だけは承知していたものの残念ながら聴く機会がなかったバンド。いちど解散してから再結成後の1作目らしい。
サウンドはBLACK SABBATH色が色濃いドゥーム・メタル。ヴォーカルの声はまるっきりオジー・オズボーンで、ますますSABBATHっぽく聴こえる。
オジー・オズボーンの歌唱そのものがあまり好きでない私としてはこのヴォーカルはちょっと嫌なんですけど、これはなかなかカッコいいドゥーム。
↑これなんかかなりいいセンいってる。しかし、「オ!カッコいい!」と思って聴いてたらそれがなんかハンパで終わっちゃう、っていうのが多くて、そこらへんの詰めがイマイチかなあ、という気が。もっと聴かせるメロディがいっぱい欲しいなあ。CANDLEMASSあたりはそこが抜きんでていたわけで。しかしほかの作品もぜひチェックしたいと思わされるバンド。聴いたらまた記事にしましょう。
おススメ度・・・★★★☆
ELDRITCH「BLACKENDAY」
イタリアのベテラン。ELDRITCHの7枚目。2007年作。
90年代の初期作は聴いたことがあったかな?よく覚えてないということは、「つまらん」と思ったということなんですが、たしか複雑な曲構成のプログレッシヴなメタルをやってたような。そもそも私はプログレッシヴなんちゃらが大嫌いなので、よほどカッコよくないかぎり、そういうのは二度と聴かないしすぐ忘れちゃう。
しかしこの7作目、プログレッシヴさはかなり後退し、よりヘヴィでシンプルなパワー・メタル風に変化してました。↓この曲はキャッチーでいちばん気に入りました。
SENTENCEDみたいなメランコリックさがカオを出す曲もあって、そのへんはいいと思ったんですけど、PANTERAみたいな曲はいらないなあ。まあやたら複雑なプログレッシヴよりはマシだけど。一聴して耳の残った曲はあんまりなかったのが残念。悪くないけど特に良くもない。
おススメ度・・・★★★☆