新型コロナウィルスによる経済的影響、景気の悪化を緩和するための対策として、「現金給付」か「消費税減税」か、どちらがいいのか・・というのが議論になっているのをテレビでみました。
現金給付は「すべての国民に1人あたりもれなく5万円」という案も出ているらしいですね。消費税減税は一時的に税率を5%にするだの思い切って0%にするだのという話もある。
消費税減税で5万円の恩恵を受けるためには、0%に戻すとすれば50万円の買い物をしなければなりませんから、するとこの局面で一時的な消費税の減税をすることは「いっぱい金を使える金持ちのほうが得をする」ということになるとも考えることができるわけか。
そう考えると、コロナによってほんとうに困っている人をとりあえず救う、という意味では現金給付のほうを急いでやるべきだという話になるのかな。消費税はコロナ云々に関わらず減税しないとダメだと思いますけど。いまの無能クソ政権にはいくら消費税を払ってやろうともちっとも世の中は良くならない。無意味です。
しかしこの状況で5万円を給付されても、一般庶民はタンスにしまうだけで景気対策にはならないでしょうね。「生きるか死ぬか」の瀬戸際に陥る人の命を少し伸ばす・・というくらいの効果はあるのか。
それはともかく、今週聴いたものの感想。
湯原昌幸「星になるまで」
これはもう1年くらい前に出た曲。湯原昌幸の「星になるまで」。だいぶ前にCDを買いましたが、ず~っと私のプレイリストに入りっぱなしになっている素晴らしい曲なので書いておきます。
これは、これまでの人生を省みつつ、いわゆる「終活」みたいな、近くなってきた人生の終わりをどう迎えるかの決意を歌う曲で、歌詞はとっても重い。
「短いね 百年足らずの人生でなにが残せるか」とか、
「またひとり友が星になる夜は 酔いつぶれたいよ ひとりこどもに戻って」とか、
ある程度の年齢をかさねて人生の終わりを意識したことがある人なら必ず心に響く、味わい深い歌詞が素晴らしい。
男の哀愁をたっぷりと湛え、かつキャッチーなメロディもイイし、歌唱ももちろん完璧。ギターのオブリガートは泣きまくり。オトナならこういう曲を聴かなきゃあダメでしょ。
こういう曲が売れる世の中になってほしいなあ。
オススメ度・・・★★★★☆
BULLET「BITE THE BULLET」
スウェーデンのヘヴィ・メタルバンド、BULLETの2枚目のアルバム。2008年作。
2011年発表の「HIGHWAY PIRATES」が素晴らしくて気に入っていたのですがこのアルバムは未聴でした。
この「BITE THE BULLET」も素晴らしい。なんてったって裏ジャケットに写っているメンバーのヴィジュアルが最高。
オールドスクールなメタルが好きな人ならこれだけで「おお!!」っとジャケ買いしちゃうかも。
中央にいるポッチャリした人がヴォーカル。この人の声がブライアン・ジョンソン(AC/DC)とウド・ダークシュナイダー(ACCEPT、U.D.O.)を足して2で割ったような感じで、かなりクセがあります。
この声が生理的にダメ・・という人もなかにはいるでしょうが、私は「イイねえ!」となります。
AC/DCっぽいキャッチーな楽曲に伝統的なメタルの風味をまぶした強靭なサウンド。
1曲目なんかは予備知識ナシで聴いたらイントロだけで「オ、AC/DC!」と思っちゃうでしょ。
そんな曲が続くなか、6曲目「City Of Sins」がいきなり様式美的なインストで、こんな曲もあるのか・・・と思ったら続く曲はやっぱりAC/DC的ロックン・ロールでちょっと拍子抜け。
個人的にはそういった様式美路線の曲も欲しかったけど、いやあこれはイイ。中毒性のあるキャッチーさ。
キャッチーな歌メロのあいだにメロディアスなギターソロをぶち込んで、必ず聴かせどころをつくっているところが最高ですね。
ヴォーカルがあまりに個性的なせいで「全部同じ曲」になっちゃう危険もはらんでいるけれど、AC/DCと同様に曲がイイからそこは心配無用になっている。
2018年発表の最新作はまだ聴いてないんですけど、急いで聴かなくては。
オススメ度・・・★★★★☆
KRISIUN「THE GREAT EXECUTION」
南米産のエクストリーム・メタルは私の好物。
これはブラジルのベテラン・デスメタルバンド、KRISIUNの2011年作。
いくつか聴いたことあるんですけど、徹頭徹尾冷酷無比、かつ耳に残るリフが毎度毎度カッコいい、高品質なデスメタル。あえて○○っぽいと言おうとするならVADERに近いのかな。
個人的にはもっとドラマ性というか起伏のある曲が多ければよかったけど、血も涙もない冷酷さが魅力なわけだからそれを求めるのは間違いな気もします。少なくとも「全部同じ曲」には聴こえない。
高品質なのは間違いないです。でも、鳥肌の立つカッコよさを感じる曲があるかというとそうでもない。
オススメ度・・・★★★☆
NEVERMORE「THIS GODLESS ENDEAVOR」
アメリカのプログレッシヴ・ヘヴィメタル、NEVERMOREの2005年作。
Amazon.co.jp ディス・ゴッドレス・エンデバー (メタル・フロンティア・アーカイヴ・コレクション)
前身のSANCTUARYが80年代に残した2枚のアルバムはどちらも素晴らしいデキで聴きまくりましたし、NEVERMOREの作品もどれもよかったので大好き。今回たまたま聴きなおしてみたのですが・・・
複雑な曲展開のエクストリーム・メタルが好きじゃない私でもこれはすんなりと受け入れられます。
デスメタル然としたブルータルさのなかに、不意打ちのように哀愁の歌メロをねじ込んでくる、聴きようによっては不自然な展開の楽曲がとても個性的。
さっきのBULLETもそうだけど、聴かせどころをつくることをきちんと心得た作風はさすがだ。メタルといえどもただ単にアグレッシヴなだけでは聴き手の心を動かすことはできないわけで、このへんが一流と二流以下の境目になるんだなあ。
聴いているとARCH ENEMYっぽいと感じるところもあるんですけど、それはもちろん逆で、ARCH ENEMYのほうが彼らの影響を受けているということでしょう。そこを考えると、ARCH ENEMYもこのような歌メロを重視した作風をマネしてくれないかなあ、と。いつまでもデス声にこだわっているようでは先はないでしょ。
オススメ度・・・★★★★
といったところで今回はこれまでにしておきます。また来週。