先日記事にした、7月に延期された島津亜矢のコンサートは結局中止に。
すると、イープラスからハガキが来まして、それが7月9日に島津亜矢が「初の配信コンサート」をやりますよ・・というお知らせでした。
価格は3000円。公演時間は1時間。視聴はリアルタイムのストリーミングだけで、巻き戻し再生などは不可能。
う~ん、ちょっと高くない?しかも内容は「singer」からの曲と新曲ポップスのお披露目、ということでどうも演歌色が排除されているかとっても薄い感じみたいだし、どうするかなあ・・・
と悩んだのですが、件のコンサートの払い戻しされるおカネもあるし、私自身「配信ライヴ」といった類のものは未体験なので、話のタネにするのもいいかな・・ということで3000円を支払い、視聴することにしました!
「配信」に魅力を感じない
ブログなんぞをやっているとけっこう勘違いされるんですけど、私自身は基本的にデジタルの世界の進化についていけない人間。LINEもツイッターもやったことないし。音楽を聴くことに関してはことさら、できるだけアナログのほうがいいと思っています。
今は音楽を配信で買ったりストリーミングで聴いたりするのが当たり前になってますが、データを買うだけなのにこの価格なのかよ・・っていう気持ちにいつもなっちゃうんですよね。CDやレコードとかみたいにカタチに残るモノならともかく、デジタルデータだけのものにカネを払うのにはまだまだ抵抗があるのです。
だから、ライヴを配信します、3000円で・・・って言われたとき、「うわあ・・高い」と正直いって思いました。数日間は繰り返し観られる、とかじゃないのに。デカい会場も使わないのに。しかももし視聴中にデータ通信に支障が起こったりデバイスに異常があったりしたらすべてパアなのに。
まあしかし、初の配信ライヴということで、いったいどれだけの人が見てくれるか未知数なので仕方がないのかな。
ともかく文句は観てからいうことにしましょう。20時の開演の前にパソコンの前に座り、酒をちびりちびりやりながらスタート。のみながら観られる、っていうのはリアルのコンサートでは(少なくとも演歌系では)できないのでイイですね。
内容は文句なしでした!さすが歌怪獣。
20時ちょうどにスタート。トップは「時代」。
そこから珍しくトークが入り、やはり彼女の地元でもある九州の豪雨災害について触れられました。
伴奏はピアノとギターとパーカッションの3人だけのアコースティックライヴ。静か~におごそかに、エモーショナルかつ力強い歌がストレートに堪能できます。
曲目は以下のようになっていました。
「時代」
「帰らんちゃよか」
「アイノカタチ」
「for you...」
「Shallow」
「夢やぶれて」
「メリー・ジェーン」
「木蘭の涙」
「今あなたにうたいたい」
「君とみてるから」
「The Rose」
「マイ・ウェイ」
「I Will Always Love You」
いやあ良かった。ヘタな演出・小細工ナシ、徹底的に歌の魅力だけで1時間、パソコンの前に釘付けにされました。アコースティックのみというゴマカシのきかないなかで聴くと、その歌唱の凄みが配信であってもビンビン伝わってきます。歌だけでこれだけ心が揺り動かされる感覚を味わえる人はそう多くない。さすがだ。
途中でバックの演奏の方たちの紹介をきちんとやってくれた。ピアノはクレバヤシヤヨイさん、ギターはタニコウイチさん、パーカッションはカワセマサトさんと紹介されてました。全員めちゃめちゃカッコよかった。ふだんメタルばかり聴いてるからよくわかんないのですが、あの手で叩く打楽器はカホンっていうやつか。シンバルとか手で叩いても、ああいうシャープかつ味のある音が出るのはさすが。
「君とみてるから」は新曲。NHK「ラジオ深夜便」で流れているらしい。この曲は正直に言うとあまりピンとこなかったかな。
発売はどうやら配信のみらしい。まあポップス曲です!って言ってるくらいだから年配のファンに買ってもらおうっていう意識はないんでしょうが、CDなら買おうかなあ~と考える私のような人間もいるのに!
考え方がちょっと変わった
21時をちょっとだけ過ぎたところで終了。いやあ・・・歌唱も演奏も素晴らしかった。視聴前と視聴後では、いろいろ考えが変わりました。
視聴前は、選曲は「SINGER」からなのかよ、演歌やれよ!・っていう感じだったんですけど、この編成でこのアレンジならこの選曲はベストだったかも。ていうか、もういらねえ・・と常々言っている「SINGER」シリーズも、こういった感じで斬新なアレンジで聴かせてくれるなら、どんどん出してほしいとも思っちゃう。
それに、パソコンでコンサートみるのに3000円?高いよ!・・・っていうのも間違っていた。もちろんナマで体験できるほうがいいに決まってるけど、パフォーマンスが圧倒的に素晴らしければモニター越しであっても金額に見合う満足を得ることができる。島津亜矢だからこそそれが実現できるわけで、ヘナチョコな人がやったら「これで3000円?カネ返せ!」ってなると思いますけどね。
どうせならこれを録音したやつをCDにして売って、豪雨災害のチャリティに活用すればいいのに。私ならもちろん買いますよ。3000円払ってよかった。
もしコロナがまだまだ長引くようなら、次は演歌でアコースティック配信コンサートやってくれないかなあ、と願いつつ今回はこのへんで終わります。
あと、今回初めてやってみてわかったけど、配信ライヴはデジタルに不慣れな年配ファンにはいろいろ敷居が高いかもしれないので、そのへんは興行主側にもっと努力してほしい気もします。会員登録させられたりとにかく面倒くさかったし、難しく感じる人も年配には多いでしょう。セキュリティなどの兼ね合いもあるからあまりカンタンにもできないのか。デジタルは便利な反面で不便も多いですなあ。