知床観光船の事故について毎日さかんに報道されています。
いまだ12人の方が行方不明というなか、事故の原因や責任の追及も始まっていますね。
しかし報道をみていて心の底から嫌になるのは、犠牲になった方のプライバシーを暴いてニュースのネタにしようというその相変わらずの姿勢。
亡くなった男性がその日にサプライズのプロポーズを計画していた・・というのも報道されていましたが、そんな個人的なことをわざわざ暴き立てて全国民に知らせる必要ある?
もし災害や事故に巻き込まれて死んだら、自分の意思(死ねば意思表示できない)とは関係なしにそんなプライバシーが垂れ流されちゃうんだなと考えると、怒りしかわいてこないんですけど。こういう事故で私が死んだら「本人はこんなブログやってました」とかバラされるかもしれないわけか。怖いなあ。どう考えても異常。
親族の方か警察か、どこかからその話を聞いて、「こりゃあ視聴者の感情に訴えるいいネタになるぜ!」と考えて、悲しみに沈んでいる親族の方々に「いいすか?これ記事にしていいすか?」って交渉したのであろう(まさか勝手にはやってないと思いたい)と想像すると、そのイヤラしい根性に吐き気がする。テレビコメンテーターとかにはひとりくらい「そんなこと暴く必要あります?」っていう奴はいないのか。このエピソードきいて涙ぐんでたコメンテーターもいましたが、そこは「やめましょうよ」って言ってほしいなあ。
報道機関のやつらは二言目には「国民の知る権利が・・」とかぬかすけど、そんな個人的な話を知りたいと思わないまともな国民もいっぱいいるのになあ。自分たちがゲスな野次馬根性の持ち主だから、国民みんなもそうだと思ってるのかな。
記者会見では知床遊覧船の社長に厳しく質問を浴びせていた記者もいたけど、自民党のウソツキ政治家にもあれくらい食い下がってみたらどうなのか。マスコミがもっとまともなら政治ももっとまともになるかもしれないのに。
TERRA NOVA「LIVIN' IT UP」
オランダのハード・ポップバンド、TERRA NOVAの1stアルバム。1996年作。
知らなかったけど現在も活動してるんですね。
いつもデスやスラッシュにどっぷり浸かっていると、たまに無性にメロハーが聴きたくなるときがあります。このTERRA NOVA、いくつかの作品には触れたことはあったものの、この1stは聴いたことなかった。
スカっとさわやか。キラキラした透明感のあふれるポップ・サウンド。ジメジメした湿り気をメロディアスハードにもとめる私としてはあまり好みのタイプではないけど・・・
曲は悪くない。ヴォーカルも適度にしわがれててカッコいいし。デビュー作でこのクオリティは尋常じゃない。北欧メタルっぽい美しいメロディを随所で聴かせ、ポップだけどアメリカのバンドみたいなノーテンキな軽さは感じさせない。このへんのバランスが素晴らしく魅力的。
メロハー好きには絶対におススメできる傑作と言えるでしょう。しかしもっと胸をえぐられるような重いメロディを聴きたい私としては、ちょっと物足りないなあ~というのが正直なところ。バラードも美しいけど。もっと感情を揺さぶられるような曲がほしい。そういうバンドじゃない、と言われればそれまでか。
おススメ度・・・★★★☆
MANIAC ABDUCTOR「CASUALTIES OF CAUSALITY」
フィンランドのスラッシュ・メタルバンド、MANIAC ABDUCTORの1st。2019年作。
Amazon.co.jp Casualties of Causality
バンドロゴやジャケ絵をみて、USもしくは南米のバンドかと思ったら違った。しかしいずれにしろこれはオールドスクールなスラッシュメタルを期待できそう・・・と胸を躍らせながら聴いてみますと、
自己主張しまくりのバキバキベースを聴けば、これは誰でもOVERKILLを思い起こすであろう・・っていうオールドなスラッシュ・メタル。スタイルとしては同じフィンランドのLOST SOCIETYあたりと同じ系統か。お友達なのかな。
それはいいんだけど、曲がたいしたことないのもLOST SOCIETYと同じじゃ困るなあ。この系統のバンドの多くに見られる傾向なんですけど、聴かせる部分というか、感情を揺さぶられるメロディとかを意識して配置するっていうのがあんまりないから、聴き終わってなにも残らない。聴いてる間はザクザクのリフに身を任せていれば気持ちよくなるっていうのはあるし、こういう古臭いサウンドをやってくれてるのはうれしいけど・・・。
おススメ度・・・★★★
NORDWITCH「MØRK PROFETI」
いまだ戦渦にあるウクライナ。そのウクライナ出身のブラック/デス・メタルバンド、NORDWITCHのデビュー作。2017年。
「NORD」は北で、「WITCH」な魔女。そのバンド名にふさわしくヴォーカルは女性。
イントロは陰鬱ながらもメロパワみたいな雰囲気で、そういうバンドなの?・・・って思った瞬間に、超速ブラストと下水道ボイスが炸裂するブラッケンド・デスが襲ってきました!
このヴォーカルの邪悪さはなかなかのもの。しかもこれが女性の声なんだからなおさらスゴイ。今どきは女性であっても男よりもブルータルな声出す人も多いですが、これは言われなければ絶対に女性だとは思わないでしょ。エフェクトはつかってないのかな。
しかしメロディックなバンドを期待したイントロのときに抱いた直観はけっこう当たってて、基本はメロディックなデスメタル。そこにノルウェーあたりのブラック・メタルの風味が随所にまぶされてる、って表現すれば適当かな。
中古品が安く手に入ったから聴いただけでまったく期待してなかったんですけど・・・これは素晴らしい掘り出し物。ヴォーカルもキャッチーなラインになるように考えられてて「ただ吠えてるだけ」っていう印象は受けないし、叙情性やドラマ性をたたえた耳に残るメロディがふんだんに盛り込まれてる。たまにこういう高品質バンドに巡り合っちゃうから知らないバンドのCDを適当に買い漁るのはやめられない。
キーウ出身らしいから活動がどうなってるか。活動どころではないであろうっていうのが心配(FACEBOOKページは昨年以来更新されてない模様)。とにかく戦争がはやく終わって、無事な姿を見せてくれると同時に素晴らしい新作に期待したい!
おススメ度・・・★★★★