民法の成年年齢を18歳に引き下げる法律が4月に施行され、それにともない改正少年法も施行となり、刑事事件で起訴された18・19歳の実名報道が「解禁」になったそうです。
成人年齢の引き下げ自体、ただ単に政権与党が選挙で勝ちやすくしたいだけじゃねえのか、というくらいのもので、ほかになんのメリットがあんだよ、っていう気がしますが、少年被告の厳罰化、実名報道にはさらにメリットゼロ、デメリットしかないですね。これもただ単に「少年だろうが凶悪犯は厳罰にしろ。被害者の気持ちを考えろ」という声に対して「ちゃんと対応してます!」とポーズをとるためだけでしょ。
厳罰化はともかくとしても、実名報道にはそもそもの問題がありすぎる。だいたい、起訴された時点ではまだ「被告」であって無罪を推定される身であるわけだから、その段階で実名報道されるのは成人だろうがおかしいことなはず。無罪推定の原則という概念はこの国には存在しない。小学校で教えるべきことなはずですが・・・。日本が人権後進国たる最大の要因はこれじゃないですかね。刑事司法にかぎっていえばこの国は中国やロシアとなにも変わらない。起訴されればほぼ間違いなく有罪になるから起訴の時点で(それどころか逮捕された時点で)有罪扱いが当たり前になってるけど、そのこと自体がおかしいのに。日本の警察や検察や裁判所がそんなに優秀で完璧にみえる?
もちろん、凶器持って逃げてるとか、実名報道がどうしても必要な場合もあるでしょうが、無罪推定ってのは絶対に譲れない「原則」でしょ?違うのだろうか。その原則を無視してまで実名で報道しなきゃならない理由なんかあるだろうか。有罪になってからではなぜいけないのだろうか。起訴の時点で犯人扱いしておいて万が一無罪になってもどうせマスコミの奴らは「間違えました。すみませんでした」も言わず「当局がそう言ったから」で済ますわけでしょ。少年だろうが成人だろうが有罪確定まではAとかBとかでいいでしょ。どうしても実名が知りたい国民は公開の裁判に足を運べばいいんだから、知る権利が侵害されるとか意味がわからない。
いずれにしろ少年被告の実名報道は更生を困難にし再犯率があがるだけになるでしょう。そしてますます「少年だろうが厳罰を」という声があがり、ますます世の中は荒廃する。その連鎖をストップするために働くのが法律家や政治家の使命のはずですけどねえ。逆のことばっかりやってる。
だいたい、警察の人間だの官僚だの、もしくはスポンサー企業の人間だのが犯罪を犯した時には匿名で終わらすくせに少年事件の実名は報道したがるってのは、マスコミがまともな仕事する気がない証拠ですね。警察だの行政機関が名前や事実を隠したらそれを追及するのがマスコミの使命じゃないのか。
羽山みずき「こころ町」
山形県出身、「みちのく娘!」でも活動する羽山みずきの新曲!
ふんわり、おっとりとした歌唱が唯一無二の持ち味となっている人ですが、こんどの曲もそれを活かした感じの、あまり起伏のない感じの曲になっていました!
彼女の持ち味は充分に発揮されているし、私も含めこの歌唱の味が好きという方には文句ない曲でしょうね。しかし曲としてはあまりに地味かなあ~。もう少しでいいからキャッチーなところが欲しい。聴いてるあいだはその歌唱の心地よさを堪能できてイイけど、聴いた後どんなメロディだったか忘れる。カラオケでは歌われなさそう。現時点でこんなこと言ってても何回も聴くうちに「最高だ」ってなるかもしれないけど。
カップリング曲は島倉千代子の「愛のさざなみ」で、これは最高の選曲。彼女以上に島倉千代子の曲を歌うのにふさわしい人はほかにいないでしょう。そこを評価して、おススメ度は★★★★。
ANTHRAX「SOUND OF WHITE NOISE」
アメリカのベテランヘヴィ・メタルバンド、ANTHRAXの6作目。1993年作。
前にもどこかで書いたことがありますが私はANTHRAXをあまり評価してない。
正統的メタル、正統的スラッシュ(なにが正統かは人それぞれでしょうが一般的な意味で)が好きな私としては、クロスオーバー的なメタルを志向するANTHRAXはすすんで聴く気にはならなかったのです。1stはその爆発的エネルギーが好きだったし、ジョーイ・べラドナの歌唱と正統スラッシュ風味とハードコア的風味のバランスが絶妙だった2ndは傑作だったと思いますけどね、あとはあまり・・・。
このアルバムも、たしか発表当時に聴きましたが、「なんだこれ・・・」と思って二度と聴かなかった覚えが。ハードコアパンクとの接近はまだ我慢できたけど、モダン・ヘヴィネスをきかせたグルーヴ・メタルへの接近は、それが90年代のトレンドだったとしても許容できない。こんなだから90年代以降メタルは下火になったんだよなあ。しかも曲は異常に退屈だし。こんなアルバムがヒットしたっていうのもある意味メタル界にとっては不幸でしたねえ。
おススメ度・・・★☆
TYRANT「LEGEND」
神奈川県のシンフォニック・ブラックメタルバンド、TYRANTの2ndアルバム。2002年作。同名異バンドが現在にも過去にも多すぎるこういうバンド名はやめたほうがいいと思うのだが・・。
キーボードが前面に押し出されたシンフォニック・ブラック・メタル。雰囲気はエレガント、速い曲でもアグレッションはあんまり感じない。ヴォーカルはかなりイーヴルでモロにブラック・メタルしてる。美しくてイーヴルなブラックメタルとでも言えばいいか。
う~んしかし、中心となっているキーボードが印象的なフレーズを量産してくれてるかというとそうでもなくて、つまるところ耳に残るフックやドラマティックな起伏のある曲はあんまりなかった気が。タイプは全く違うが、キーボードが頑張るんだけどそれがマンネリテキトーなメロディばかりだったからつまらなかったCHILDREN OF BODOMと同系統の退屈さを感じる。
雰囲気は美しいし、シンフォニック・ブラックのマニアには受け入れられるかもしれませんが、私にはちょっとイマイチに思えました。ネット上の情報で知るかぎり、2005年発表の3作目以降は新作がないようだけど活動はしてないのだろうか。
おススメ度・・・★★★