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真田ナオキ「真田ナオキの世界」を聴いた

真田ナオキがテイチク移籍後初のアルバムを発表。タイトルは「真田ナオキの世界」!

Amazon.co.jp 真田ナオキの世界

 

真田ナオキのダミ声を聴くたびに「カッコいい」と思いつつも、実は彼の音源はひとつも買ってなかったんですよ。シングル曲はけっこうラジオで流れるから聴けたし。夢グループ在籍時のアルバム「メイドインナオキ」もシングル曲とカバーが大半だったので買わなかった。

今回のアルバムもどうせカバーとかばっかりなんだろ・・と思って買うつもりはなかったんですが、「12曲中9曲が新録、作曲はすべて彼の師匠である吉幾三」ときいて、こりゃあ買うべきだとAmazonで即ポチ。

超個性的な歌手であると同時に、超天才ソングライターでもある吉幾三がこのアルバムのために書いた曲を、唯一無二のカッコいいダミ声をもつ真田ナオキが歌う。ならとりあえず聴かなきゃあ。と、ものすごく期待して聴きましたが、これが・・・

期待を裏切らない素晴らしいデキ

期待どおりの素晴らしいアルバムになっていました!「恵比寿」「昔に・・・誘われて」「我が身恨んで」以外は新録曲ということでしたが、私は「恵比寿」以外は聴いたことなかったので全曲新鮮な気持ちで楽しめました!

トップの「Happy hour」からしてインパクト絶大。吉幾三師匠の「今日はお疲れさん。乾杯!」の声から始まるキャッチーでダンサブルな曲。真田ナオキのダーティ(もちろん誉め言葉)な歌唱と渋いギターソロのバックで「枝豆まだあ~?」ってクダをまく師匠の声には思わず「うるせえwww」と笑っちゃう。このへんはもうまさに「ザ・吉幾三ワールド」って感じ。

 

さわやかな旅情歌謡「昔に・・・誘われて」もキャッチーでイイし、沖縄っぽい「島の娘の恋詩」もこれまでにない雰囲気だし、胡弓をフィーチュアした「草原越えて・・・」もスケールの大きさを感じさせてカッコいい。「母の声」なんかは三味線がベンベン鳴りまくるロック調の曲で、最後の「Copacabana」は曲名そのもののイメージの南米調の曲。とにかくいろんなタイプの曲がおさめられてます。しかしどの曲もキャッチーなフックがきちんと用意されてるところがさすが吉幾三。

個人的には、ソウルフルなダミ声を聴かせる「ひとりぼっち」が、彼の歌唱の魅力を最大限に引き出してる気がして好き。これはステキすぎる。

 

ブックレット巻末には吉幾三師匠のメッセージがあって、そこには「・・・いろんなジャンルを今のうちに唄っておけば、今後の歌手としての未来が開けてくると思っています」という言葉があるので、多種多様な曲が入りまじる構成は意識してやったということなんですね。

ちなみにたとえば「雪國」みたいなタイプの正統派演歌は入ってない。これは正解なんじゃないでしょうか。どう考えても「演歌」というワクに押し込んでしまってはもったいない人ですよね。アグレッシヴな曲ではダーティかつカッコいいダミ声を聴かせる半面、「Maria」みたいなバラードではやさしい澄んだ歌声も聴かせる。

「演歌歌手」という先入観・イメージをとっぱらって聴いてほしい!

こうなるとテイチクには「演歌歌手」という売り方をしないようにお願いしたいところ。wikipediaには「演歌歌手」って書いてあるし、一般の認識はそうなってるみたいで、すると「演歌」という先入観でこの素晴らしいアルバムを買うのをためらう人も出てくるかも・・と思うと残念。これまでのシングル曲も演歌らしい演歌は実はなかったですしね。最新曲「本気(マジ)で惚れた」も、まるっきり昭和歌謡だけれども「演歌」というテイストはない。なんで「演歌歌手」って思われちゃってるんだろう。

 

いずれにしろ、天才の吉幾三が書き下ろした曲が満載なだけあって曲のデキは最高、そして歌唱も最高。これで収録曲が演歌っぽい曲ばかりだったら「吉幾三のアルバム。歌唱を担当するのは真田ナオキ」ってなりそうでしたが、これまでになかったような曲もあることもあって、このアルバムはそうなってない。吉幾三が好きな人も、真田ナオキが好きっていう人もどちらも満足できるアルバムじゃないでしょうか!このアルバムが大ヒットしてくれて、彼のさらなる飛躍のきっかけになることを期待してます!!

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