本ページのリンクには広告が含まれています 新譜レビュー 水森かおり 演歌・歌謡曲

水森かおり「日向岬」を聴いた

毎年この時期恒例、現在の演歌界の第一人者にして「ご当地ソングの女王」水森かおりが新曲を発売。

タイトルは「日向岬」。宮崎県ですね。意外なことに宮崎県の曲はこれが初だそうで、まだ歌われてない県は徳島県と福岡県のふたつになったとのこと。

前の曲「九十九里浜」も千葉県を歌った最初の曲だったらしいから、おそらく意識的に47都道府県制覇を目指してこの流れになっているんでしょう。すると来年は徳島か福岡が濃厚になるか。徳島だと「鳴門海峡」とか?それだと伍代夏子の曲にあったし兵庫県とどっちみたいな話になっちゃうからダメか。福岡でも曲のモチーフになりそうな曲はいくらでもありそうだけど意外ですね。

こうなると福岡や徳島の自治体は「ウチを扱ってください」とかいう話を徳間ジャパンとかに持っていくんだろうか。もし「鳥取砂丘」レベルの大ヒットになったら当地には確実に大きな経済効果がうまれるでしょうからね。

そういえば曲のモチーフとしてどこを採用するかっていうのはいったい誰がどのように決定するんだろう。それを決める権限がある人がはっきりしてたら、ぜひウチの地元を歌ってほしい!という自治体の担当者はワイロとかを包んだりしそう。そんな自民党みたいなことする人ばかりじゃないと思いたい。

レーベルや事務所が「ご当地」を決めて作詞家に「これをモチーフに」と依頼するのかな。水森かおりクラスの新曲ともなればれば利害関係が複雑かつ巨大になるだろうから、作詞家が勝手に決めるわけでもなさそう。すると「ウチをとりあげてほしい」と考えた自治体はどうするのがいちばんいいんだろう。水森本人にアプローチするのがいいのかな。しかし本人に決める権限はないんだろうしなあ。

個人的には、「ご当地」が決まったらたまには地元の一般市民から歌詞を募集してみたりするのも面白いんじゃないの、と。作詞家のセンセイの稼ぎに影響するのが問題なら、カップリング曲だけでもいいじゃないか。そこからあらたな才能が発見されることだってあるかもしれないし。

カップリング含め3曲とも宮崎県が舞台のメジャー曲

それは来年以降に注目するとして、今回は「日向岬」。とりあえずタイプAとタイプBが発売に。

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表題曲「日向岬」は久々にメジャー調。弦哲也先生&水森かおりの組み合わせでは定番の、3連符の多用が印象的な力強い曲。

「デデデデ!デデデデ!」っていうのがいかにも昭和っぽい。前作前々作はいきなりサビから入ったりとか、これまでにないものを取り入れた曲でしたが、今回はオーセンティックな感じですね。明るい曲調であってもいつもと同じ失恋の曲、最後に「哀しみを吐き出してすべて忘れて歩み始めるぞ!」みたいにさわやかに盛り上がるところが好き。このへんはさすがだなあと。

 

彼女のラジオで聞いて初めて知りましたが弦哲也先生は1曲につきメジャー調とマイナー調の両方を用意するらしい。そこで「どっちがいいかな?」というやりとりが生まれるとのこと。するとどんな曲になるのかは歌手本人の意向やセンスにも少なからず影響されるってことなんだな。

タイプAのカップリングは「離愁・・・高千穂」。これも弦哲也先生。スケールの大きいかんじのさわやかな曲。音域は広くないけどカラオケ難易度はこっちのが高そうかな。

タイプBは「日南海岸」。こちらは大谷明裕先生の曲。「夢色トレイン」や「美ら島めぐり」なども大谷先生だったことを思い起こせば、この曲もじつに「らしい」曲だなあという印象です。イントロからして昭和のフォークっぽさが全開。口笛はちゃんと人がふきこんだものらしい。上手いなあ。どうすればこんな音が出るのか。

 

3曲ともにいい意味でいつもどおりで、期待を裏切らないものになっていました! そしていつもどおりに出る(?)であろうタイプCタイプD、それから気が早いけど「歌謡紀行22」にも期待しましょう!

水森かおり「歌謡紀行22~日向岬~」を聴いた

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