毎年恒例。水森かおりの「『歌』で旅するアルバム」、「歌謡紀行」の最新作、
「歌謡紀行17~水に咲く花・支笏湖へ~」
が発売され、私も当然、予約して手に入れました!
昨年の「歌謡紀行16」も当たり前のように素晴らしいデキで、
出来栄えはどうなのか、という心配はまったくしてませんでしたが、
予想通りのクオリティの高さでした!
DVDつきの初回限定盤を購入!
今回の「歌謡紀行17」は、
「水に咲く花・支笏湖へ」のミュージック・ビデオ及び字幕入りカラオケ
の映像がはいったDVDつきの「初回限定盤」と、
CDのみの「通常盤」が発売されています。
私は初回限定盤を買いました。
amazon.co.jp 歌謡紀行17〜水に咲く花・支笏湖へ〜(初回限定盤)
ミュージック・ビデオとカラオケのほうはとくに言うことはないので
(DVDついててもいつも1回しか見ないので、いらないといえばいらないんですけどね、DVD付き、と言われればそっちを持っておきたいと思うのがファンというもの)、
肝心な曲のほうについて。
今回は14曲を収録。
うち、このアルバムのための書下ろし曲が4曲
(「夢色トレイン」、「燕三条 雨が降る」、「雨晴海岸」、「多度津 みなと町」)、
カバー曲が4曲
(「小樽運河(都はるみ)」、「なみだ恋(八代亜紀)」、「ふりむけばヨコハマ(マルシア)」、「長崎の夜はむらさき(瀬川瑛子)」)
となっています。
あとは、表題曲「水に咲く花・支笏湖へ」と、おなじみの名曲「越後水原」「輪島朝市」「伊勢めぐり」「鳥取砂丘」「ひとり薩摩路」
という構成。
曲の収録順は北海道からはじまって薩摩で終わる、
おおむね日本列島を北から南に下ってくる構成になっています。
しかし通して聴いても「無理やりそういうふうにしました」、
という不自然さは感じさせず、
このへんはさすがだなあ、という気がしました。
おなじみの曲についてはいまさらなんだかんだ言う必要はないでしょう。
私が水森かおり史上最強の名曲のひとつと思っている「越後水原」を
ちゃんと入れてくれているところは好印象。
いつ何時聴いてもシビれるカッコよさ。
これほどカッコいい曲をポンポン書いちゃう弦哲也先生はどんだけ天才なの?
で、注目はやはりカバーと新録曲、ということになりますが・・・。
昭和のアイドル風の「夢色トレイン」が新鮮
書下ろし曲でもっとも印象的だったのは、
いかにも昭和のアイドルが歌っていたような感じの
「夢色トレイン」。
曲名だけ見て「これはいったいどこをモチーフにしたご当地ソングなの?」
と思いましたが、
歌詞に「札幌始発の 『すずらん』で」とあるように、
札幌~室蘭をはしる特急「すずらん」を歌った曲。
これは曲名を「特急すずらん」とかにしたら明らかにヘンで、
「夢色トレイン」という曲名はなかなか上手いなあと思いました。
こういう曲はあんまりなかったと思うんですけど、
「越後水原」のような超ドラマティックな曲でもこういうポップな曲でも
どちらを歌ってもまったく違和感なく聴かせてしまうところは
さすがとしかいいようがない。
「燕三条 雨が降る」の「燕三条」は上越新幹線の終点である新潟駅のひとつ手前の駅、だそうです。
歌詞の中での「終着駅」は、つまり新潟駅のことですね。
しっとりとした3拍子にのせて、愛が終わってしまった哀しみを抱きつつ
東京をすてて旅立つ女性のせつない心情が歌われます。
一発で覚えられるサビをもっていて、カラオケで歌いたいという方も多くなるのでは・・という曲ですね。
「雨晴海岸」(あまはらしかいがん)は富山県高岡市。
こちらは水森かおりのご当地演歌の王道ともいうべき曲構成ですね。
王道を行く曲なだけに今回の4曲の書下ろしの中ではちょっと印象が薄いけど
けっして悪くない。
「多度津 みなと町」の「多度津」は、
瀬戸内海に面する港をもつ香川県の町。
お得意の3連のリズムで、曲調はなんとなく
昭和歌謡によくある「何とかブルース」みたいな感じ。
前川清あたりが歌ってそうな曲。
女性演歌歌手のトップの座は当分安泰か
カバー曲では「長崎の夜はむらさき」が
もっとも気に入りました。
瀬川瑛子のあまりにも独特な、鼻にかかった声が
苦手な方もいるんじゃないかと思うんですが(それが病みつきになる、という人も多いんでしょうね)、
水森バージョンは自然な感じでスっと耳に入ってきて心地よい。
いやしかし、
「『全曲集』を毎年出す必要あんの?」と言いたくなる歌手も多い中で、
年イチのペースでアルバムを出しても毎回毎回恐るべきクオリティ。
ヒット曲の多さといい、
せつない曲は徹底的にせつなく、前向きな曲は徹底的に前向きに歌えちゃう万能の歌唱力といい、
やはり彼女の女性演歌歌手のトップの座は当分の間は安泰だな、
と再認識した次第。
もう、紅白のトリは彼女じゃなきゃあおかしいでしょ!