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今週聴いたもの:2022年3月24日~3月30日

映画俳優のウィル・スミスがアカデミー賞の授賞式でプレゼンターのコメディアンをブン殴った事件。

日本ではスミスに同情的な声が多いようですが欧米人は逆みたいですね。あの程度のジョークで、しかも権威ある式典の場で暴力をふるうなんて許されない、ということのようです。

まあプレゼンターのジョークも1ミリも面白くなくて、なにか面白いこと言って「おれってこんなウィットに富んだトークができるんだぜ!」とアピールしたいという、森さんとか麻生さんとかの自民党のジイチャンたちのようなイヤラシイ感覚が気持ち悪いのはたしか。コメディアンのくせにあんなつまらんこと言ってしかもそれがウケてるっていうのが日本人の感覚では理解できないけど、欧米人はあれが当たり前なんでしょうね。

なのでひっぱたきたくなる気持ちもわからなくはないけど、あそこはグッと我慢して、自分がしゃべる番になったら「いま弁護士に連絡して法的手続きを始めました。妻に対する侮辱は許せません」って一言だけ言えばよかったのに。あそこで殴ってしまうのはどう考えてもやりすぎ。子ども並みの煽り耐性だと批判されても仕方がない。プレゼンターはぶん殴られても場を壊さないように取り繕おうとしてましたしね。どっちがプロらしいかは明らか。

とはいうものの、私も「空気読まずにあの場でブン殴っちゃったの、プロとしてどうかは別として男としてはカッコ良すぎる」と思ったし、スミスを擁護する日本人の感覚は決して間違ってないと思います。「反省してるんだし殴られた方も告訴しないって言ってるんだから許してあげれば」という気持ちです。

しかし、若き日の沢尻エリカが映画の舞台あいさつで質問されて「別に・・」って答えてひどく叩かれた事件がありましたが、あれが許されないこととするなら、たとえ奥さんを侮辱されたとしてもスミスの暴力は許されなくても当然と考えるべきなんでしょう。自分の感情にまかせてその場に相応しくない言動をとったという意味でプロ失格ってことなんでしょうね。

島津亜矢「花として 人として」

3月16日に発売になった島津亜矢の新曲!

昨年夏に「夏つばき」を出したばっかりなのに早いですね。これはやっぱりコンサートなどができない状況がそうさせてるのか。嬉しいような悲しいような。

Amazon.co.jp 花として 人として

今回は表題曲もカップリングの「錦秋譜」も両方とも杉本眞人先生の曲か。ということはド演歌ではないんだな。杉本先生独特の哀愁と愛のあふれる曲を期待して聴きましたら・・・

いやあ良かった。「花として 人として」はスケールの大きな、全人類的な愛のあふれる曲で、私はなんとなく美空ひばりの「愛燦燦」を思い出しました。

個人的にはカップリングの「錦秋譜」のほうに感動。幼くして母をなくした「私」が母となって、母の愛に気づくという歌。私は子どもをもったことがないけれど、今は認知症で口もきけない私の母が子供の私に注いでくれた愛情を思いおこすと泣けてくる。島津亜矢は母について歌う名曲をいっぱいもってるけど、またひとつそれが増えましたね。杉本先生さすがだ。自分の人生を重ね合わせながら聴くと胸に迫ってきて思わず落涙するようなこういう曲がヒットする世の中になってほしい。

おススメ度・・・★★★★★

VAL GAINA「GAIN」

ロシアのヘヴィ・メタルバンドKRUIZのギター&ヴォーカルだったヴァレリー・ガイナさんがKRUIZ解散後に結成したバンド、GAINのアルバム。製作されたのは1990年。GAINのGAINっていうアルバムのようなのですが、私が入手したCDの背には「VAL GAINA」の「GAIN」っていうアルバムみたいに表記されてる。

先日KRUIZのアルバムを記事にしてからこの人の作品をさがして入手してます。これはその流れで聴いたんですけど、このアルバムではガイナさんはギターに専念、ヴォーカルは別の人がやってる。そのヴォーカルはヘタではないけど思い切りいきんだようなハイトーンがちょっと苦しそうに聴こえるタイプで、私はガイナさんの声の方が好きだなあ。

それよりも、サウンドや曲そのものが、パワーメタル然としていたKRUIZとは全然違うのがビックリ。まあこれはKRUIZではないんだから仕方ないのか。ガイナさんのギタープレイはその個性が発揮されててカッコいいけど、メタルらしいヘヴィさやラウドさはかなり後退。アメリカナイズされた、と言ってもいいくらいの曲も。キャッチーな曲が多くていい作品だけど・・・。

12曲目「Come On With Us」は「KRUIZ-1」アルバムに収録されていた曲を別アレンジ、そして英語にしたもので、それもなんかアメリカっぽく明るくなっちゃってて、私などは「やっぱKRUIZ最高だったな・・・」となってしまう。

作品としての完成度はサウンドプロダクションの向上や楽曲のバラエティの多彩さなどもあってこっちのほうがKRUIZのアルバムより上なのは間違いないけど、ヘヴィメタルマニアとして言うなら「まずはKRUIZを聴け」ってなるかなあ。KRUIZがあまりに良すぎたからなあ。ガイナさんのギタープレイが素晴らしいってことだけはKRUIZ時代と同様。

ロシアン・メタル思い出の1枚。

今週聴いたもの:2022年3月10日~3月16日

おススメ度・・・★★★☆

VISCERAL DAMAGE「ICON OF MASSIVE MURDER」

スペインのブルータルデスメタルバンド、VISCERAL DAMAGEの2nd(らしい)アルバム。2008年作。

Amazon.co.jp Icon of Massive Murder

全然知らないバンド。どうせゴミみたいなデスメタルなんだろ・・と思って聴いたら、

意外にもハイクオリティなブルータル・デスで嬉しい誤算。VADERやKRISIUNタイプの、ひたすら重苦しくウルサく、でもカッチリと整然としたサウンドで聴き手の精神を破壊しにくるデスメタル。

いちおう「聴かせる」ことを意識しているような曲展開もそこかしこに見受けられ、ただの単細胞デスメタルではないんだなということが感じられる。

しかしこのバンドならでは、っていうところがあるかっていうと、ちょっとないかな。最後にピアノをフィーチュアしたどんよりとした寂寥感あふれるアウトロ的なインストが入っててビックリ。それも曲としてはちょっと惜しい感じの、もっと徹底的に泣けば最高なのに!って歯がゆくなるくらいの詰めの甘さなんですけど、こういうことをできるならほかの曲ももっと工夫してくれればいいのに、という気になる。あとひといき。

おススメ度・・・★★★☆

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