アメリカ、コロラド州出身のスラッシュ・メタルバンドHAVOKの、5作目となるニュー・アルバム「V」を聴きました。
Amazonで予約してたらなぜか予定日に届かず、ちょっと安くなってから発送されてようやく先日届きました。安くなったのはいいけど、予約してたのにその日に発送できないとか、なにやってんのAmazon。たまにこういうのありますね。
それはともかく、HAVOKは私が新作を期待して待つ数少ないバンドのひとつ。
今回はその新作の感想を。
前作はイマイチだったが・・・
HAVOKのスタジオ・フル・アルバムはこれが5枚目。
タイトルは「V」。ストレートですね。
デビュー以来、キャッチーなリフが突っ走るなかにたま~に哀愁のメロディがちりばめられているといった、爽快なスラッシュ・メタルを聴かせてくれていました。
しかし前作「CONFORMICIDE」でテクニカル&プログレッシヴ路線(テクニカルなのは前からだったけど、そこまで露骨ではなかった)になってしまって、私は「FxxK YOU!」となったのです。もうこのバンドは追いかけなくてもいいや・・・と思いました。 くだらねえことばかり一生懸命やりやがって。メタルはカッコよけりゃあそれでいいんだから小難しいことやらなくていいんだよ・・・と。
で、今作「V」も、前もって出されていた情報では「実験的なアルバム」という話だったので、「なんだよ・・もう実験はいいよ。カッコいいスラッシュが聴きてえだけなんだよ」と、あまり期待してませんでした。
しかし聴いてみると、これがなんとフツーにカッコいいスラッシュ・メタルでした。
バカテクなのは相変わらずだけど、前作のような「どうだすげえだろ」というヒケラカシ感はない。
「実験的」ということですが、たしかにそう感じさせる曲もありました。「Panpsychism」なんかはやたら複雑な曲展開なうえにきちんと歌うバックコーラスを導入したりしてる。
しかし、全編あくまでもアグレッシヴでスピードにあふれるスラッシュ・メタル。なかなかイイじゃないか。スラッシュ・メタルであることを捨てずに「実験」をしてくれるんならいくらでもしてくれていい。
いまのところ最も気に入ってるのは、トップの「Post-Truth Era」、それから2曲目の「Fear Campaign」 ですね。
「Post-Truth Era」はMETALLICAの世紀の駄作「..AND JUSTICE FOR ALL」に入ってた「Blackened」みたい。↓ でも、それよりも圧倒的にカッコいい。
ともかく、フニャフニャなプログレッシヴ路線をやめてくれてよかった。本人たちはそんな意識はないんだろうけど、私にはそのように感じられました。
欲をいえば、「TIME IS UP」アルバムのときのように、抒情的なメロディをもう少しちりばめてくれると嬉しかったかな。そのあたりは少し印象が弱い気がしました。
この機会に「TIME IS UP」も聴きなおしましたが、するとそっちが良すぎてやっぱり新作もかすんじゃう。
「TIME IS UP」がいまのところ最高傑作
2011年発表の2作目「TIME IS UP」は、個人的に彼らの最高傑作と思っている名作アルバム。
ていうか、21世紀屈指のスラッシュ名盤と断言できますね。
ジャケットのアート・ワークをみて「どうせB級スラッシュなんだろ」とか思ったら大間違い。
超高品質の、オールドスクールな風味のするほんもののスラッシュ・メタルを堪能できます。
これこれ。ヘドバンしつつ「LET ! THEM ! KNOW !」と思わずシンガロングしちゃいたくなる疾走感、攻撃力、扇動力。これがスラッシュ・メタルの魅力というものでしょう。
全曲がキャッチーなリフをもち、決してただ単に突っ走る単細胞じゃないんだけどわかりやすくキモチよく首を振れる。捨て曲ナシの大傑作。
最も好きなのは「D.O.A.」。こういうインパクト絶大のメロディ&アグレッションのある曲が、新作にもあると良かったなあ。
今作「V」もかなりいいセンいってると思うんですけど、「TIME IS UP」があまりに良すぎて、どうしても「ニューアルバム最高!」とはなかなか言えないんですよねえ。
もちろん、このころと比べれば確実に「進化」したサウンドにはなってるのはわかるけど、個人的には「欲しいのはソレじゃない」っていう感じ。
まあ、彼らのような才能あふれる人たちに「ず~っと同じ事やれ!」っていうのは無理なんでしょうね。
というわけで、「『V』、最高だぜ!」とまではいまのところ思ってないけど、これは買っておくべきアルバムだ・・とオススメしておきます!
それと、1st「BURN」と、EP「POINT OF NO RETURN」も必聴です!