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ARCH ENEMY「BLOOD DYNASTY」を聴いた!

世界で最も著名なメロディック・デスメタルバンドのひとつ、ARCH ENEMYの12枚目となるニュー・アルバム、「BLOOD DYNASTY」が発売されました。

もちろん私も予約して入手。国内盤はデジパック仕様なのか。管理がたいへんだからプラケースのほうが助かるのだが・・・環境に配慮したりしてるのかな。

 

Amazon.co.jp Blood Dynasty(ブラッド・ダイナスティ)

 

「WAR ETERNAL」「WILL TO POWER」「DECEIVERS」の各アルバムについては、実は私はあまり聴き込むことにならなかったのです。ここにもいろいろ書きましたが、1曲聴けばカッコイイと感じるんだけどアルバム通して聴くとダレてきて、「繰り返し聴こう」という気にならずCDはラックの肥やしに。まあ私は聴いたCDの9割5分くらいはそうなるので、残りの5%に入るくらいに「めちゃめちゃスゴイ!」というふうにはならなかった、というだけで、どれも素晴らしい作品だったとは思います。ARCH ENEMYの作品となれば期待するレベルが高くなる、っていうのもある。

ARCH ENEMY「DECEIVERS」を聴いた

ARCH ENEMYの「WILL TO POWER」を聴いた

しかし今作は、先行して公開されてた曲がカッコよかったというのもあって、かなり期待していたんです。ほかの曲があんまり、というパターンも往々にしてあるから過度な期待をするのはやめとこう、と思いつつ、CDを聴いてみましたら・・・さすがのデキで大満足でした!

(私がもとめる)「らしさ」満載の曲が多くて感激!そして新機軸も!

1曲目はさきに公開されていた「Dream Stealer」。これを聴いて期待が大きくふくらみました!

 

おお~なんかメロディックデスに「原点回帰」してるような! しかもリフも曲展開も途中にはさまれる叙情フレーズも、いかにも「らしい」ものばかりで、これぞARCH ENEMY、ていうか「私がもとめる」ARCH ENEMYのデスメタルを体現してくれてる!

 

続く2曲目「Illuminate the Path」も「らしい」曲ですが、ここではサビにクリーンボイスを使用している。

この曲に関していえばクリーンボイスの使用がものすごく効果的になっていると感じました。全編デス声でもよかったけど。3曲目の「March of the Miscreants」ではサビがクリーンとデスの中間みたいな歌い方になっていて、私としてはこういうののほうがいいかな。5曲目「Don't Look Down」も同じようにしてキャッチーなサビを聴かせてくれる。

クリーンボイスといえば今作には全編クリーン、ギターもレギュラーチューニングという曲が。これはフランスのBLASPHEMEというバンドのカバー。マニアックなの持ってくるんだな。このカバーは「本編」の一部という扱いのようです。しかし、全編クリーンをやってもそれはカバー曲で、というのはやっぱりデス声へのこだわりは捨てないってことなんだな。私的にはこのカバー曲自体はちょっとつまらない曲で、べつにいらないという感じでしたが。もともとボーナス扱いの予定だったそうで、そのままボーナスでよかったんじゃないのかな。

それはともかく、何度か「デス声には表現力の限界があるからデス声にこだわるのやめたら?」みたいなこと書いたんですけど、とどのつまり近作では曲がイマイチだったから私も「デス声一辺倒じゃダメじゃね?」と思ったところがあったのかな、と今作を聴いて感じます。今作は曲のデキが(私の思う)「黄金期」を彷彿とさせるデキになっているから、すると全編デス声でもいい、ていうかクリーンはなくてもいいんじゃね?という気になってくる。

 

で、クリーンボイス&レギュラーチューニングの曲を入れてみたりといった新機軸もあるものの、基本的には「これぞ!」という、一聴すればすぐにARCH ENEMYとわかる曲で埋め尽くされています。凶暴かつメロディック。

 

 

シングルになった曲のなかでは、私は前出の「Dream Stealer」と、ハードコア的な怒涛のリフが爆走する「Liars & Thieves」がお気に入り!

 

 

久しぶりに超カッコいいカバー曲がボーナスとして収録されてて嬉しい!

さっきBLASPHEMEのカバーは曲がつまらないからべつになくてもよかった、と書きましたが、ボーナストラックとして日本盤にはもう1曲カバーが入ってる。DEATHのあの名曲「Evil Dead」。

これが超絶カッコいい。そもそも原曲が死ぬほどカッコいいから当たり前といえば当たり前ですけど、いままでARCH ENEMYがボーナスで入れてくれたカバーは私に言わせれば「原曲のカッコよさ台無し」みたいなのがけっこうありましたからね(前作の「Into The Pit」とかマジでガッカリした)、今回はオリジナルを素直にグレードアップした感じになってて、そうそう、こういうのが欲しかったんだよ、ありがとう!となりました! 正直、もし私がDEATHを知らずこれをカバーと知らずに聴いたら、「ラストの曲がいちばんカッケぇ・・・」ってなったかも。やっぱりオールドスクールなスラッシュはいいなあ。

 

↑こちらはオリジナル。こんなカッコいい曲をティーンエイジャーのころにやってた故チャック・シュルディナーはほんと異次元の天才。これが出たときにはあっちこっちで酷評されていたんだから、天才のやることは凡人にはなかなか受け入れられないってのは真実なんでしょう。

 

どの曲も「私の好きなARCH ENEMY」の曲になっててCDをストップできずにラストまで来て、ラストのDEATHのカバーでKOされ、また1曲目の「Dream Stealer」に戻ってそれも聴いちゃって、また最後まで聴いちゃう。久しぶりに思わず延々と聴き続けちゃうアルバムの登場!これはラックの肥やしになることはなさそう。来日することがあるなら私も老骨に鞭打ってライヴに参加しようかな!

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