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今週聴いたもの:2024年10月3日~10月9日(KUNI、TANKARD、GENGHIS TRON)

先日記事に書いた、いわゆる「袴田事件」の再審で無罪判決が出た件。検察が控訴を断念し、袴田さんの無罪が確定しましたね。

「袴田事件」元死刑囚・袴田巌さんに再審無罪判決!検察は潔く受け入れて腹を切れ!

まあ控訴断念は当たり前、というか10年遅い。10年前から検察に有利な新しい証拠などなにも出てないのだから、10年前に再審開始の決定が出たときにおとなしく降伏するべきだった。ほんとうに無駄な引き延ばしだった。袴田さんも含め関係者が亡くなるのを待つために時間稼ぎしたとしか思えない。

それにしても、控訴断念を表明した検察トップの談話は見苦しかった。要するに「捏造も無罪も認めねえ。ほんとうは上訴してやるところだが、被告がかわいそうだからここで引っ込めてやるよ」という内容で、国民総出で批判して袋叩きにしてやらなければならないはずのヒドイものでした。

よく「人を殺した者は命で償わせるのが当たり前」といって死刑が必要だと主張する人がいる(ていうか残念ながら大部分の国民がそう)し、信じがたいことにそういうことを言った法務大臣もいたけれども、それならば、自分たちのメンツのために袴田さんから58年もの時間を奪い、人生を台無しにしてまさに殺したも同然の仕打ちをした検察や裁判所、犯人扱いの報道をしたマスコミには腹を切ることを要求するのが当然じゃないの。死刑賛成派はなぜそういう声を上げないの? 死刑囚に対して「吊るせ!殺せ!」と言うのと同じように、「事件にかかわった刑事や検察や裁判官を吊るせ!」と騒ぐべきじゃないのか。人を殺したら死んで償うのが当たり前なんでしょ?

それはともかく、これまで無罪を勝ち取るために頑張ってこられた袴田さんの姉の秀子さんは、「刑事や検察官や裁判官には切腹してもらいたい」くらい言ってもいいと思うけれども、そんなこと一言も言わない(もちろん腹の中にはそういう気持ちもあるでしょうが)ところがカッコよすぎた。控訴されるかも、という段階でも「したけりゃあすればいい」とか言ってましたもんね。ふつうなら「こっちももうトシだから頼むから控訴しないで」とか言いたくなるでしょ。あんなカッコいい90歳に私もなりたい。

袴田さんの無罪が確定したのは喜ばしい限りですが、それだけで終わってはいけない。こんな冤罪を防ぐための司法制度改革と、死刑廃止まで踏み込んでいかなくては、袴田さんの58年間の意味が薄れてしまう。といっても、大臣になってさっそく不祥事を暴露されて意味不明の言い訳をしているようなアホが法務大臣、そんなアホを側近だからといって大臣にしちゃうような野郎が総理大臣では、無理だろうなあ。

KUNI「MASQUE」

日本出身のギタリスト、KUNIのデビュー作。1986年。

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日本のヘヴィ・メタルがまだ名実ともに「ジャパメタ」であったころ、18歳という若さで単身アメリカに渡った人が外国人ミュージシャンたちとつくりあげたアルバム。そこには当時の「ジャパメタ」らしさは垣間見えない。といって当時流行っていたLAメタル風というわけでもなく、キラキラしたきらびやかさはなくヘヴィで湿っている。ジメジメしたメロハー曲、アグレッシヴなメタル曲、スピードあふれる流麗なインスト・・・と、バラエティ豊かな構成になっています。

けっこう前に再発されていたんですね。知らなかった。なんと1,000円、しかもボーナスとしてライヴ2曲が入ってる。これは買えるうちに買っとかなきゃ大損ですよ。当時貸レコード店で借りて聴いたんですけど、LIONのカル・スワンが歌う「Restless Heart」がとにかく好きで、そこだけ聴きまくっていました。懐かしい。

 

いま聴きなおしてもほんと素晴らしい。曲自体も最高だがカル・スワンの歌も最高。ヴォーカルはほかにジョン・パーデルや元ANTHRAXのニール・タービンが参加してますが、個人的には全曲カルでいってほしかったくらい。

インストが4曲あるんですが歌入りの曲のほうが好き。こういうのがふつうに聴けた80年代はほんと良かったなあ。これの次の「LOOKIN’ FOR ACTION」 も素晴らしかったので聴きなおしてみよう!

おススメ度・・・★★★★☆

TANKARD「ONE FOOT IN THE GRAVE」

ドイツののんだくれスラッシャー、TANKARDの17作目。2017年作。

Amazon.co.jp タンカード『ワン・フット・イン・ザ・グレイヴ』【通常盤CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付き)】

すでに膨大なカタログをもちつついまだ活動中らしいベテランバンド。私も好きなバンドですが、すべてのカタログをチェックできてない。それはやっぱりいい意味で「どれを聴いても同じ」だから、ってのがあるかもしれない。もちろん時代によって多少スタイルが変わるところもなくはないけれど、基本はシンプルかつスピードあふれるスラッシュ・メタル。そこにたまに「楽しく呑もうぜ」みたいな陽気な歌を混ぜ込んでくる。

ということでこの作品は未聴だったのですが、この作品、ほかのアルバムよりもシリアス度が高く、しかも速い曲が並んでいて、そこは私も望むところであり大歓迎。

 

まあそうなると、ほかのオールドなスラッシュ・バンドとなにが違うの、という感じもしてくるけれども、ハイクオリティな曲が並んでいて大満足。メンバーはすっかりオジサン(相変わらず人の好さそうな笑顔で写真に納まっている)になり、初期のようなブッとんだアグレッションはさすがに少し後退しているとしても、老練さを交えたエネルギッシュなスラッシュ・メタルを続けてくれていることには尊敬の念をおぼえる。この次の作品もまだ聴いてないので今度買ってみよう。

おススメ度・・・★★★★

GENGHIS TRON「DEAD MOUNTAIN MOUTH」

USのエクスペリメンタル・メタルバンド、GENGHIS TRONの1st。2006年作。

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エクスペリメンタルだのプログレッシヴだのいうタイプは基本的に嫌い、ってのは何度も書いていますが、たまたま手に入ったから、食わず嫌いはいけないと思っていちおう聴いてみたもの。1ミリも期待してませんでしたが・・・

 

期待しないで良かった。エレクトロニカに接近したエクストリームメタル、と言ったらいいのか。こういうの「サイバーグラインド」とかよばれるらしいが、う~ん異常に退屈。こういうつくり手のマスターベーション的な作品を聴くと、ほんとカネ払って損したという気になる。

デス声(なにを叫んでいるかはまったくわからない。ただわめいているだけ)やブラストビートがうるさいのに,、あまりの退屈さに眠たくなるというある意味不思議なサウンド。それがいいんじゃねえかという人ももちろんいるでしょうが私は無理。

おススメ度・・・★

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