韓国ソウルの繁華街・梨泰院で起こった群衆事故。
とんでもない大惨事で、映像が流れると胸が苦しくなる。しかも亡くなったのは大部分が10代から30代の若者だという。あまりにひどい。警察は惨事になる4時間も前に通報を受けていたのに事態を甘く見て対応しなかったという話もありますね。クソすぎる。
そして若い日本人女性ふたりが犠牲に。ご本人はどれだけ苦しかったか、ご遺族の悲しみはいかばかりか、と思うともう言葉もない。
事故の翌日には亡くなった方の氏名が報じられた。氏名を報じることについては、家族が韓国へ行ってる、という人は「まさかうちの子が・・」という心配で胸が張り裂けそうになるだろうから必要であろうことはわかる。
しかし日本のマスコミは、氏名だけでなく亡くなった方の顔写真やインスタグラムの画像などを速攻で見つけ出して全国ネットで流していた。知床観光船事故のときにも書いたが、なぜマスコミはこう無神経なのだろう。そんなプライバシーを垂れ流す必要ある?名前だけで充分だろ。
あれはご遺族には了承をとっているんだろうか。了承をとりつけているとしても、事故の2日後くらい、ご家族は憔悴しきってるなかでこれから急いでソウルへ向かう、っていう段階で「写真出していいすか?」「インスタの画像をテレビで流していいすか?」とか訊いたってことでしょ。そのシーンを想像すると異常に気持ち悪くないか。よくそんなことできるよね。インターホンごしにご家族に取材してるところも放送されていた。いまだにこんなことやってんのか。
ご遺族の感情を踏みにじってまでプライバシーを暴露する理由はただひとつ、「そのほうがニュースが面白くなるから」でしょ。吐き気がする。この点はテレビも新聞もみんな一緒。もう淡々と事実だけを報じるようにしろよ。
政治家やら官僚やらが隠すことについては必死で追及することをしないくせに、こういう事件事故の犠牲者のプライバシーは異常なスピードでもって徹底的に暴こうとする。昼のワイドショーのコメンテーターらは弁護士だの元国会議員だののエライ(?)奴が揃ってるくせに、なぜそこに疑問を呈さないのだろう。カネのためにしゃべるだけだからそんなこと言うはずもないのか。
視聴者である我々がそういうところに鈍感だからこうなってしまう、ってのもあるんでしょう。なぜ日本の事件事故の報道は犠牲者のプライバシーを垂れ流すのが当たり前になっているのか、それは視聴者のほうに薄汚い野次馬根性がしみついているから、報道機関の奴らはそれを知ってるから、ってことなんでしょうね。
高倉健「風に訊け」
言わずと知れた日本映画史に燦然と輝く名優・高倉健の生誕90年を機に「その歌の世界を俯瞰できるものを」という意図で企画された、未発表音源も含むアルバム。2021年発表。
先日記事にした「名歌復活!弾き語り昭和のメロディー」の再放送で徳久広司先生がこのアルバムに収録されている「対馬酒唄」を歌ってるの聴いて、あまりにカッコよかったのでなにも考えずに買いました。
→BSフジ「名歌復活!弾き語り 昭和のメロディー~#9」の再放送をみた
↑この1曲を聴くためだけでも買う価値はありますね。曲もいいが声もいい。ものすごく上手い、ってわけじゃないのに胸に迫ってくる「味」は、まさに健さんだから出せるものでしょう。母を想う曲「朝顔の詩」なんかはこの声で語られ歌われるともう涙出てきちゃう。演技もそうだけど、歌ってのはテクニックじゃないってのがよくわかる。
これは素晴らしいアルバム。「網走番外地」や「八甲田山」を見なおしてみたくなりました。
おススメ度・・・★★★★
CAULDRON「TOMORROW'S LOST」
カナダの正統派ヘヴィメタルバンド、CAULDRONの3作目。2012年作。
前に2ndアルバムを記事にしましたね。→今週聴いたもの:2021年9月30日~10月6日
そのオールドスクールなサウンドスタイルはまさに私好み。今作も・・・・
いやあ、1st、2ndよりもさらにオールドに、そしてキャッチーなヘヴィメタルになっている。知らないで聴いたなら、1980年に出たNWOBHMバンドの作品・・って言われてもまったく疑わないでしょう。こもった音が醸しだすジメジメした湿り気が最高。そして、聴かせるリフ、聴かせる歌メロ、聴かせるギターソロが満載。いまどきのメタルの、モダンヘヴィネス+グォ~ていうグロウル、っていうのに慣れちゃってる人には物足りないんでしょうが、ほんとうにメタルを愛しているなら必聴の素晴らしいアルバム!まるっきりメイデンな最後の曲がいちばん気に入りました!
おススメ度・・・★★★★☆
8FOOT SATIVA「BREED THE PAIN」
ニュージーランドのメロディック・デスメタルバンド、8 FOOT SATIVAの3作目。2005年作。
ニュージーランドのメタルってのはあまり知らないけど、このバンドはけっこう長くやってるらしい。今もやってる?
冒頭の曲のリフは北欧メロデスみたいで「オっ!?」と一瞬だけ思ったんだけど・・・
この手のバンドによくありがちな、思いつきのリフをくっつけてそこに絶叫ヴォーカルを適当にのせただけ、っていう安直なサウンド。さっきのCAULDRONがやってるような「聴きどころを意識して配置する」ってことを一切してない(ようにしか感じられない)からとにかくすぐ飽きる。悪くはないけど聴き終わった後にはなにも残らない。
おススメ度・・・★★