水森かおりの毎年恒例のアルバム「歌謡紀行」シリーズの最新作、「歌謡紀行20~鳴子峡~」が発売されました!
先日出た「笑顔でいようね」が、私としては「あれれ~?なにこれ」っていう曲でちょっと落胆していたところ。
妙に変わったことしなくていいから、いつもどおりのクオリティのものを聴かせてくれることを期待して、もちろん予約して入手。
現時点での感想を簡単に。
「鳴子峡」もいつもと少し違った曲だったが・・・
表題曲である「鳴子峡」。さきほど「妙に変わったことしなくていいから!」と言いましたが、この曲はいつもの弦哲也先生&水森かおりによる「ご当地ソング」の様式美からは少しはみ出たところのある曲でしたね。
大仰なイントロから始まり、しっとりとした歌い出しから徐々に徐々に盛り上がって、サビで哀愁があふれ出ちゃう・・・っていうのがいつもの様式。しかしこの曲は超短いイントロからいきなりサビ。
個人的にはこのパターンはこれっきりにしてほしい・・と思うんですけど、しばらく聴きこんでいるとサビのみならず最初から最後まで徹頭徹尾キャッチーなフレーズが詰まっていることがわかり、弦哲也先生さすがだなあ、やっぱり演歌といえどもキャッチーなところがなきゃあダメだよなあ、とあらためて認識するのです。「笑顔でいようね」もそうでしたが、現在のポップス曲はそこをないがしろにしたものばかりだからつまんない。だからCDが売れないのに。
書き下ろし曲が7曲も!これはお買い得!
今回のアルバムはこの「鳴子峡」のほか、定番曲が6曲、そしてオリジナル書き下ろし曲がなんと7曲。いつもならカバー曲が3曲くらいあるところを、今回はそれはナシ。なんと贅沢な。これは嬉しい。
そのオリジナル曲。今回はどれもこれもかなりイイですよ。
「最上川」は弦哲也先生らしさ全開の、いつもの曲ですね。最上川の舟歌を意識して、いつもならギターとかを使うであろうところに尺八を用いているのがカッコよさを増大させてる。
「愛のオルゴール」はこのアルバム中で最も気に入った曲。秋元順子あたりに似合いそう。しっとりと湿り気をふくんだ歌唱とキャッチーなサビが胸に迫ってくる。これは東京都のご当地ソングということか(北区の「飛鳥山」が舞台)。
「ハートブレイク・ヨコハマ」はポップでノリのいい曲。真田ナオキあたりが歌ってもカッコよさそう。
「大阪ひとりぼっち」はさわやかな哀愁をただよわせる歌謡曲。やしきたかじんとか桂銀淑の曲にありそうな雰囲気。
「哀愁土佐路」はわりとオーセンティックな水森かおり演歌って感じですね。ファルセットを多用する曲でカラオケは難しそう。
「夜明駅」(よあけえき)は大分県に「夜明」という駅があってそこがモチーフらしい。さびしい無人駅を思い起こさせるような、物悲しい歌。これもすごく気に入ってます。
「美ら島めぐり」は曲名でわかるように沖縄の曲ですね。これもやっぱり恋に破れた女性の心情を歌っていますけど、すごくポジティブな雰囲気で、かなしいことも多いけどがんばってみよう・・という気にさせられる。
いやあ良かった。いつも思うけど、年イチで出しててこのクオリティを維持できてるっていうのは良く考えるとかなり凄いことなのでは。毎年「全曲集」出しても新曲以外は全部過去のヒット曲とカバー曲、っていうのよりは、やっぱり書き下ろし曲がいっぱいあったほうがいいに決まってる。
個人的には、定番曲には「越後水原」を(「鳥取砂丘」のように)毎回絶対に入れてほしいんですけど、それはまあしょうがない。とにかくいつもどおりにハイクオリティな作品でした!ぜひとも買うべきです!