女性蔑視発言で炎上している東京オリンピック組織委の会長、森喜朗氏がどうやら辞任する模様です。
まあこないだも書いた通り、「女性ってなこうだから困ったもんだよね」みたいな考え方は日本人男性にはまだまだしみついているもので、実は自分もそういう意識をもっているんじゃないかということを省みることもせずに、男性優位が当たり前の時代に育ってしまった森さんのようなお年寄りの失言をつかまえて大騒ぎするのもどうかと思うのですが、ここまで騒ぎが大きくなってしまっては辞任もやむなしでしょうね。
しかし、森さんよりも私が吐きそうなくらい嫌悪をおぼえたのは、オリンピックの大スポンサーであるトヨタ自動車の豊田社長の声明。
森さんの女性蔑視発言は、「トヨタが大切にしてきた価値観と異なり、誠に遺憾だ」だそうですよ。
いやいやいや、トヨタのサイトをみるかぎり、お前んとこは執行役員に女性はひとりもいないし、女性取締役も社外の人がひとりいるだけだろ。社外取締役の工藤さんが就任したのがつい最近の2018年で、それが「トヨタ史上初」とかいってニュースになった。
いったいどこが「トヨタが大切にしてきた価値観と異な」るんだよ。女性が社長やってるとか役員の半分くらいが女性とかいう企業ならそれ言ってもいいけど、旧態依然たる男優位の大企業の代名詞みたいな会社の社長がそれを言うな白々しい、としか言いようがない。「わが社もまだまだ道半ばです。これから改善します」って言うんならともかく、「うちはちゃんとやってます!」アピールかよ。
世の中の風向きが森さん批判になってきたタイミングでそれを批判する声明を出し、企業イメージを毀損しないように巧妙に手を打つ狡猾さ。さすがだな。日本のトップ企業たるトヨタがほんとうにジェンダー差別がない企業なら、日本の多くの企業はそれに倣うだろうし、日本全体としてもっとジェンダー差別が少なくなってるはずでしょ。
森さんよりもこういう気持ちの悪い経営者を批判するべきなんですけど、こんな経営者をマスコミが批判できないっていうのがねえ。なにしろ広告費でマスコミを支配していますからね。その状況下で「いやいや、豊田さんがそれ言う?」って批判するような立派なジャーナリストはいないのか。
PANDEMONIUM「THE LAST PRAYER」
イタリアのメロディック・パワーメタルバンド、PANDEMONIUMの2012年作。3枚目?4枚目?ちょっとわからない。
同名異バンドがいっぱいいすぎてよくわからないけど、たぶん聴いたことない。けっこうベテランみたい。ダサすぎるジャケット絵が聴く気をそそりますなあ。エピカルなパワー・メタルを期待して聴いてみますと・・・
想像したとおりのサウンド。スピードとパワーにのせて随所にクサメロをぶちこんでくる、正統派のメロディック・パワーメタル!
これはいいね。ヴォーカルのハイトーンが若干頼りないと感じますが、曲が良ければそんなことはどうでもいい。
途中、デスメタルのようにヴォーカルがガナったりするところもあって、個人的にはそんなことしないでもっと徹底的に泣きメロを盛りだくさんにしてほしかったし、「あれ?これで終わっちゃうの?」っていう半端な曲もあるんですけど、これは中古で見つけたら買う価値あり!
オススメ度・・・★★★★
VOLTURE「ON THE EDGE」
アメリカ、ヴァージニア州出身のヘヴィ・メタルバンド、VOLTUREの2013年作。アルバムは出てるのこれだけかな?
このバンドは2011年のミニアルバム「SHOCKING ITS PREY」を聴いたことがありましたが、あまりいいデキとは思えなかったので忘れていました。たまたま中古盤が手に入ったので聴いてみますと・・・
「SHOCKING ITS PREY」のときよりは格段にカッコいいメタルアルバムに仕上がってました!
いわゆるNWOTHMと言われるバンドたちのような、スピードのある正統派メタル。このアルバムではところどころに長尺のメロディアスなギターソロを配置し、聴かせどころをつくろうという意識が感じられます。自己主張しまくるベースもステキ。
残念なのはちょっと平板なヴォーカル。キャッチーなサビとかがもっとあれば違ったんですけど、それもあまりない。ENFORCERなどはそこが優れているわけで、そのあたりを頑張ってくれれば・・といったところか。
でもこれは無条件で応援したくなるバンド。いまは活動してないのかな。
オススメ度・・・★★★☆
CASKETGARDEN「THIS CORRODED SOUL OF MINE」
ハンガリーのメロディック・デスメタルバンド、CASKETGARDENの1stアルバム。2003年作。
Amazon.co.jp This Corroded Soul of Mine
CDについてた日本語解説にも書いてあったように、AT THE GATESあたりの影響をモロに感じさせるメロディック・デス。徹底的にヘヴィなギターサウンドに心地よい疲労をおぼえます。なかなかカッコいい。
しかしまあ、CASKETGAREDENならではだな・・と感動するような独自性は別に感じられなかったかな。同じことやってたバンドは吐いて捨てるほどいた。これが東欧ハンガリーのバンドだから「おお。すごいね」となりますけど、もし北欧出身だったら「よくいるメロディックデスの十把ひとからげのうちのひとつ」となる気もします。
そこを打破するにはやっぱり、一度聴いたら忘れられないくらいのキラー・チューンがあったりとか、ものすごくキャッチーなリフなりサビなりがあったりとか、そういうのが必要だと思うんですけど、残念ながらそれはない。惜しい。
オススメ度・・・★★★
といったところで今回はこれくらいで。