愛知県西尾市出身の演歌歌手・葵かを里の、
最新の全曲集にして15周年記念アルバムである、
「葵かを里 全曲集~加賀友禅の女(ひと)~」が先日発売され、
私も買って聴きました。
私はこの人の作品はついこの間までほとんどチェックしていなかったのですが、
後述するように最新曲が異常にカッコよくて、
これはウカツだった・・と反省。
音源はすべてチェックしなくては・・と思っていた矢先に全曲集が出たので買った次第。
今回はこの全曲集の感想を。
個人的2019年演歌ベスト・チューンの最右翼「加賀友禅の女(ひと)」
この話は前にも書きましたが、
ことし2月に発売された彼女の最新曲
「加賀友禅の女」があまりにカッコよくてブッ飛ばされ、
これまでマークしていなかったことを後悔。
この曲については記事にもしました。
この曲は誰が何と言おうと素晴らしい。
2019年の個人的演歌ベスト・チューンはこの曲か、もしくは丘みどりの「風の寺」のどちらか・・・
ていうくらいのもの。
上品で優雅で色っぽく美しく、そのうえふかい愁いを帯びる。
しっとりとしつつ「おんな心をじりじり焦がし」ているような情念を吐き出すその歌唱は、なんど聴いても震えがくるカッコよさ。
これが大ヒットにならないようじゃあ、日本の歌謡界(と、ファン)はもう救いようがない。
今回の全曲集はこの曲とそのカップリング曲「かたかごの花」など15曲を収録。
15周年にひっかけて15曲にしたらしい。
私は彼女の過去の音源をまだ聴けてないので、
「加賀友禅の女」「かたかごの花」以外は聴くのは初めてでしたが・・・
これが・・かなりカッコいい曲が揃っていて感激。
「北寒流」「京都白川おんな川」「保津川ふたり」はいずれも哀愁たっぷりのドラマティック演歌だし、
「雪の兼六園」は悲痛とも言えるくらいの、哀しみのあふれだすサビに胸がしめつけられます。
「恋してマンボ」みたいな軽快な曲もあるにはあるけど、全体的にはシリアスな哀愁演歌が多いんですね。
なかでも私が「オっ!?」と思ったのは
「勝連うみないび」。
この曲の「勝連」は沖縄の古城「勝連城」のことで、
「うみないび」とは「王女様」のことだそうです。
そこで実際にあった、王女様の悲しい物語を曲にしたものとのこと
(彼女のブログに解説がありました→葵かを里公式ブログ)。
この曲、2011年に出てたんですね。こんないい曲をいまさら知るとは不覚もいいところ。
哀しげに響く三線が素敵。
唯一無二の個性が完成されている歌唱が素晴らしい
聴いていると、その歌唱は随所で「なんか川中美幸っぽいなあ~」と思うところがありました。
影響を受けているのかどうかは知りませんが、
ため息をもらすように穏やかなのに感情豊かで、せつなくも美しいその歌声は、
もう完全に唯一無二の個性、魅力を完成させている・・と感じました!
こういう人が売れてくれなきゃあ、日本の歌謡界はお先真っ暗ですよ。
ぜひとも全曲集を買って、この美しい音世界を体験しておくべきでしょう。
今後旧譜を少しづつ買うつもりなので、聴いたらまた記事にするつもりです!