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ROB HALFORD WITH FAMILY & FRIENDS「CELESTIAL」を聴いた

JUDAS PRIESTのヴォーカリスト、

ロブ・ハルフォードが

「ROB HALFORD WITH FAMILY & FRIENDS」という名義で

クリスマス・アルバムを発売。

私は基本的にこういった企画作品には興味がないのですが、

ロブの作品となれば話は別。

もちろん買って聴きましたので、

感想を書いておきます。

本格派メタル作品として聴いて差し支えない

「ROB HALFORD WITH FAMILY & FRIENDS」という名義のとおり、

参加しているのはロブの弟や甥など親族と友達。

 

12曲収録されていて、4曲がオリジナル曲、残りはクリスマス・ソングのメタルアレンジ。

オリジナルのうちの2曲はイントロとアウトロ的な短い曲なので実質2曲ということになるか。

 

片方の「Morning Star」はクリスマスっぽい雰囲気で全然メタルではなく、

クリスマスパーティで仲間みんなで合唱したらいい雰囲気になりそうな曲。

 

もう片方の「Donner and Blitzen」 はリード・トラックとして発表されていた曲で、

これがもう完璧にヘヴィ・メタル。余計なものが一切ない、贅肉を削ぎ落したかのような精悍な曲。

これは・・・カッコいい。この勇壮な歌メロ。クリスマス曲にありがちな浮かれた感じはまったくない。さすがだ。

JUDAS PRIESTの近作を聴くと往年のハイトーンを期待しちゃうから

ちょっと物足りなさを感じてしまうロブのヴォーカルも、

PRIESTだと思って聴かなければまったく気にならないというか、

ハイトーンでシャウトしなくてもほんとに魅力的な歌唱だと再確認できますね。

オッサンが集まってこれだけのカッコいいメタルをやっているところをみてなんか嬉しくなり、

私も思わず普段触らないギターを引っぱり出してこの曲をコピーしてみたり。

 

クリスマスソングのカバーも、

「クリスマスソングをメタル風にしてみました」ではなく、

「本格メタルにクリスマスソングのフレーズを入れてみました」

という趣に仕上がっています。

「Joy To The World」(「もろびとこぞりて」)、「Good King Wenceslas」(「ウェンセスラスはよい王様」)なんかは歌メロはもちろんあの曲だけれども、曲全体としては完全にメタルに仕上がっていて、

このアレンジ力はそこらの凡百のメタルバンドは逆立ちしても敵わないものがありますね。

最近は安易にカバー曲を商品として売るバンドも多くて、その大部分がカスみたいな手抜きなんですけど、

これくらいやってくれればカネを払う価値があるというもので、

それができないならカバーなんぞやらずにオリジナル曲に磨きをかけることに注力してほしい。

HALFORDのクリスマス・アルバムも超カッコよかった

というわけで、「CELESTIAL」はひとつのメタル作品として聴いても聴きごたえがじゅうぶんある作品。

ところでロブは2009年にHALFORD名義でもクリスマス・アルバムを出しています。

Amazon.co.jp ハルフォードIII/ウィンター・ソングズ

今回の「CELESTIAL」はこの「WINTER SONGS」の延長線上にある作品・・と感じたのですが、

「WINTER SONGS」もクリスマスソングを取り入れていながら完璧にカッコいいメタルになっていました。

「Oh Come O Come Emmanuel」なんかは哀愁の歌メロと泣きまくるギターソロがあまりにも素晴らしいアレンジで、

キリスト教徒でもなんでもない人間からしたら退屈そのものの讃美歌を

ここまでカッコよくしちゃうロブはまさに「メタル・ゴッド」という称号を戴くにふさわしい人。

 

こうして聴くと、カバーというのはそのミュージシャンの実力が如実に現れちゃうものなんだなあと改めて痛感。

ふりかえってみれば JUDAS PRIEST がやったカバー曲なんかはどれもこれも原曲より圧倒的にカッコよかったし、

IRON MAIDENも昔JETHRO TULLやNEKTARのカバーをやっていたが完璧に「IRON MAIDENのメタル」に昇華されていた。

それくらいのクオリティでカバーしてくれるんならいいけど、

オマケのつもりでテキトーに演奏してみました・・・くらいのものをスタジオアルバムに入れて、

それをセールスに結びつけようとするバンドやレーベルが多いのにはウンザリしている今日このごろ。

 

などというくだらないことを、

「CELESTIAL」を聴きながら考えました。

皆様がCELESTIALなクリスマスを迎えられることをお祈りしております!

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