このあいだ、HELLOWEENの記事を書いたので、
それと関連していわゆるジャーマン・パワー・メタルの話をしばらく続けようかと。
と言っても、さてなにから書いていこうか・・・
ACCEPT? RAGE？ いやいや、もっとマイナーなところでTRANCEとかSTORMWITCHとかもいいかな・・・
といろいろ考えた挙句・・
HELLOWEENを1988年に脱退したカイ・ハンセンとともにGAMMA RAYで活躍、
現在はPRIMAL FEARやソロで活動しているヴォーカリスト、ラルフ・シーパースが
10代のころに結成したバンド、
TYRAN' PACEの傑作について少し書いてみよう、と。
「JUDAS PRIEST大好きです！」と全力で主張するサウンド
TYRAN' PACEは1983年にドイツで結成されたバンド。
先述のようにヴォーカルのラルフ・シーパースと、
ギタリストのオリバー・カウフマンが中心となって生まれました。
今回話題にするのは1985年発表の２ndアルバム、「LONG LIVE METAL」。
amazon.co.jp ロング・リブ・メタル/ウォッチング・ユー
↑ここには日本国内盤の2ndと3rdのカップリングされたＣＤを貼っておきました。
TYRAN' PACEは３枚のアルバムを残し解散（1998年に違うメンバー構成で再結成され１枚の作品が出ていますがそっちはよく知りません）。
現在ではすべてが入手困難になっています。
しかし・・・
2ndの「LONG LIVE METAL」はほんとうに素晴らしいデキで、
これが入手困難というのは非常にもったいない。
再発しろ・・・ていうか、PRIMAL FEARのメンバーで再録音してくんないかな
（ちなみにラルフ・シーパースはソロアルバム「SCHEEPERS」のなかで、TYRAN'PACEの3rd「WATCHING YOU」収録の「Saints of Rock」をやってくれてます）。
A面トップの「Shockwaves」はイントロのリフだけでヤラれます。
ギターソロもカッコいいなあ。これだからメタルは素晴らしいんだなあ。
そしてラルフ・シーパースの超音波ヴォーカル。
今と比べるとやっぱりまだまだいろんな意味で若いなあ・・と感じますが
それもそのはず。このときはまだ20歳くらい。
で、このほかの曲も、
キャッチーな歌メロ、メロディアスなギターソロをもちつつ、
徹頭徹尾ハード＆ヘヴィな正統的パワー・メタルの佳曲が目白押し。
はっきりいって捨て曲はないです。どれもこれも素晴らしい。
ただし、どれもこれもモロに、あまりにも露骨にJUDAS PRIESTっぽい。
これはラルフのヴォーカルがロブ・ハルフォードっぽいから、
というだけでなく、曲自体が完全にPRIEST風味になっているからしょうがない。
ギタリストは絶対にPRIESTをカバーすることからギターを始めたに違いない。
１stアルバムはさらに露骨にJUDAS PRIEST風。
ていうか、PRIESTの曲を拝借して自分たち風にアレンジしただけでは・・・と勘繰りたくなるくらい。
「LONG LIVE METAL」と比べると音も悪いしイモっぽさ、B級臭が強いものの曲は悪くない。
3rd「WATCHING YOU」もかなりいいデキでしたが、
楽曲の充実度は圧倒的に「LONG LIVE METAL」が上でした。
ヴォーカルのラルフ・シーパースはこの後
元HELLOWEENのカイ・ハンセンと合流、
GAMMA RAYで素晴らしい作品を次々につくってくれました。
現在やっているPRIMAL FEARも凄い作品が多いし、
私としてはなによりも、50歳をすぎてもピュアな正統派メタルを
やり続けてくれているところが嬉しい。
GAMMA RAYやPRIMAL FEARの作品についても今後書いていくつもりです。
ともかく、「LONG LIVE METAL」はジャーマン・パワー・メタルの名盤と断言して差し支えのない素晴らしい作品。
どこかでみつけたら迷わず入手しておくべきです！