哀しみの演歌と絶望のメタルを聴き漁るブログ

演歌とメタルをとおして、人生の理不尽さをみつめるブログ。

DEATH/BLACK/DOOM 思い出の名盤・名曲

思い出の名盤:ブルータル・デスメタルはここから始まった。SUFFOCATION「HUMAN WASTE」。

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ヘヴィ・メタル初心者だった十代のころの私が「もっと速く、もっとウルサいのが聴きてえ!」という動機でスラッシュ・メタルに傾倒していった、という話はこれまでに何度も書きました。

その過程で、「こりゃあもう究極じゃないの?」と思わされたバンドや作品にはいくつも出会いました。SLAYERの「HELL AWAITS」を聴いたときには「これ以上速いのはできないでしょ」と思ったし、BATHORYの「THE RETURN...」を聴いたときも「これ以上邪悪なのはムリだろ」と思った。

思い出の名盤:スラッシュ・メタルとの出会い・・「HELL AWAITS」/SLAYER

思い出の名盤:魔界への扉をひらく!BATHORY「THE RETURN......」

そのあたりの作品が独自の世界観をもっていて大傑作なのは間違いないとしても、BPMのうえではさらに速く、音圧的にはさらにウルサいメタルはその後どんどん出てきて、どんどんエスカレートしていったのはご承知のとおり。

その究極のかたちのひとつとして現在あるのがいわゆる「ブルータル・デスメタル」。デスメタルのなかでもさらに過激さを突き詰めたスタイルの音楽。私もそのタイプは好きでよく聴いていますが、ひたすら過激なのがその特徴であるので、だんだんに「ただ過激なだけ」では印象に残らなくなってくる。轟音のなかにいかにして耳に残るフックをつくりだすか、っていうのがその一流と二流以下の差になってくるわけで、そんなにカンタンな音楽ではないんですな。そのへんを勘違いして「俺たちこんなスゲエ演奏できるぜ!」とテクニックのひけらかしに走るバンドが多すぎる。だからつまらないのに。

そんな感じだから、個人的にはいわゆるブルータルデスのなかには「これは歴史に残る名盤」っていうのは少ないんですが、今回取り上げるのはその元祖的な大御所バンドの作品であり、若かった私が「これ以上は人間ワザでは無理でしょ!」とぶっ飛び、しかも演奏は凄いのに曲は耳に残るフック満載という奇跡的なことをやってのけていた。アメリカ、ニューヨーク州出身のSUFFOCATION。ブルータル・デスの始祖!

これって本当に人間が演奏してるの?と疑った最凶サウンド!

1990年ころ。私はちょうど20歳くらいで、三流大学に在籍しながらもほとんどまともに勉強せずパチンコとバイトに明け暮れ、ちょっとカネができるとメタルのレコードをドサッとまとめて買う生活を送っていました。

メタル界は80年代のブームが過ぎ、グランジだのオルタナティヴだのが流行り出してメタルバンドもそれに影響されつまらなくなる暗黒期を迎えるころでしたね。そしてアンダーグラウンドなシーンではスラッシュ・メタルをさらに過激な方向に突き詰めたデスメタルの草創期となっていました。

より速く、よりウルサいメタルを・・という欲望に忠実だった私ももちろんデスメタルには注目していて、DEICIDEやOBITUARYやDEATHを聴きまくっていました。同世代の友人たちはみんな米米CLUBとかサザンとか爆風スランプを聴いてた時代。

そんななか、どこかの輸入レコード店で偶然みつけたのがSUFFOCATIONのデビューEP「HUMAN WASTE」。

Amazon.co.jp HUMAN WASTE

この血なまぐさいジャケ絵が最高ですなあ。予備知識なんにもナシでジャケを見て迷わず買った記憶があります。

ジャケ絵も最高でしたがサウンドはもっと最高でした。1曲目「Infecting The Crypts」で受けた衝撃はすさまじかった。

これは名曲!デスメタルはこうやって演るんだよ!というお手本ですなあ。

今だと同じことしてるバンドが掃いて捨てるほどいるから若い人はそうでもないでしょうが、1990年ころにこれを聴いたときのインパクトはハンパじゃなかった。この声もドラムも人間離れしすぎだろ、と。

ドラムはともかく声はなんらかのエフェクトを使ってるんだろ・・と当時は思いましたが、どうもそうでもないらしい。DEICIDEやOBITUARYも当時は衝撃的だったものの、彼らのデス声はまだそこそこ人間らしさを残していた。しかしこれはあまりに非人間的。

まさに「Brutal」という形容がピッタリくるサウンド。残忍さ、凶暴さ、血生臭さという点では当時は並ぶものがなかったんじゃないでしょうか。MORBID ANGELも凄かったけど、彼らにはどこか荘厳さや気品というものがあって、「凶暴」って感じじゃなかったし。

そして、圧倒的アグレッションをまき散らしつつもリフや曲展開が意外なほどキャッチーっていうのがSUFFOCATIONの凄かったところ。イントロの5秒で「あ、あの曲」ってわかりますしね。デビューEPからしてこのデキだもんなあ、彼らはホント凄かった。20歳くらいの私はこの異次元レベルのサウンドにとにかくヤラれた。

その後の作品も良かったが・・・

「HUMAN WASTE」EPののち1991年、EPの曲も3曲収録されたフルアルバム「EFFIGY OF THE FORGOTTEN」が出て、もちろんそっちも買って聴きまくりました。

Amazon.co.jp Effigy of the Forgotten

この1stフルも徹底的に速くブルータルでしかもキャッチーという素晴らしい作品で、今聴きなおすと91年当時にこのクオリティでやってたSUFFOCATIONはまさに神・・とは思うんですが、

サウンド・プロダクションが向上したぶん、むき出しの凶暴さが少し奥に引っ込んじゃった感じ(ドラムの音がなあ・・)で、その意味ではむごたらしいまでに騒々しい音像だった「HUMAN WASTE」のほうが好き。

 

2作目「BREEDING THE SPAWN」、3作目「PIERCED FROM WITHIN」の、一度解散するまでの作品はどれも素晴らしいものばかりでそっちも必聴。しかし「HUMAN WASTE」を聴いたときの衝撃があまりに大きかったので、SUFFOCATIONの最高傑作は?と訊かれたら、私は「誰が何と言おうと『HUMAN WASTE』!」と答えますね!

21世紀になってからの再結成後の作品はイマイチですが、現代のデスメタルに絶大な影響を与えた先駆者。未聴の方にはいますぐに音源を買っておくことをおススメしておきます!

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