NHK Eテレにて毎週月曜日夜、「大人の人形劇」と題して「プリンプリン物語」が再放送されています。
これについては何度かここにも書いていますが、「プリンプリン物語」は1979年からNHKで放映された人形劇。当時小学生だった私はテレビにかじりついて観ていました。数年前にBSで再放送されてたのに見逃して歯噛みしていたら、今度は地上波で再放送。じつはそれも知らなくて1話と2話を見逃してしまいましたが、3話からはしっかり録画してまして、永久保存するつもり。元のテープはNHKにも残っていなくて視聴者に「録画している人いませんか」と呼びかけて映像をかき集めたという話で、1回分だけが見つかってないらしい。当時はビデオデッキがセレブしか持てない高級品でしたからね、そこまで集められたのは奇跡的なこと。
キャラクターや歌はけっこう覚えているけどストーリー自体はあまり覚えてないので新鮮な気持ちで観ています。子どものときとはまったく違った見方ができたり違った印象を受けたりするのが楽しい。石川ひとみの声の演技はけっこう棒だったけどそれが少女っぽくて良かったんだな、とか。怪人ランカーが「プリンプリンと結婚する」と言うのをきいたおさげやボンボンが「あんなオッサンなのに!?」とか「トシ考えろよ!」とか言って笑ったりプリンプリンが「考えただけで気持ち悪~い」とか言ってるのを、ランカーと同じ独身のオッサン(ただしランカーのようなカネもちではない)になってから観ると、なんか悲しい気持ちになったりも。オッサンが恋したっていいじゃないか。まあランカーの場合は純粋な恋ではなくて、「プリンセスと結婚してプリンスという身分を手に入れる」という下心もあるから嫌われても仕方がないのか。
それはともかくこの作品、人形の動きやキャラクターの魅力もさることながら、音楽がそれに輪をかけて魅力的。ヴォーカル曲を網羅した素晴らしいCDが容易に入手できます!
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そういえば劇中に出てくる独裁国家「アクタ共和国」(国歌がカッコイイ)はモロにナチス・ドイツのパロディだったけれど、放送はしてくれるんだろうか。番組でわざわざ「この作品は1979年に放送されたもので現在では不適切とされる表現もありますが可能なかぎり当時の表現で・・・」と断っていても、外人にはそんな言い訳は通じないだろうしなあ。あそこがいちばん面白かった覚えがあるから、ぜひとも全部放送してもらいたい。
水森かおり「しぶさわくんの唄」
言わずと知れた「ご当地ソングの女王」、水森かおりが2022年に発表したシングル。
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大河ドラマになったり新1万円札のカオに決まったりで話題になった渋沢栄一ゆかりの地、東京都北区のキャラクター「しぶさわくん」のテーマソング。発売当時にラジオで聴いていましたが実は買うのを見送っていました。それがたまたま安く手に入ったので聴きなおしました。
水森かおりの歌唱は相変わらず魅力的。でもべつに買わなくてもいいかな、と思って発売時に買わなかったんですけど、聴きなおしてもその感想は変わらない。歌だけを聴く限りではどのへんが「しぶさわくん」の唄なのかよくわからない。渋沢栄一という人物をよく知ってれば感じ方が違うのかな。もっとキャッチーなところがあったりとかすればいいけどなあ、それもない。耳の右から左へ通過して消える歌メロ。
カップリングの「赤い水門」も東京都北区にある「赤水門」を歌った曲とのことで、しっとりとしたバラード曲。「しぶさわくん~」よりは聴きごたえがあると思うけど、う~ん、いかにも今風なメロディで「どこかで聴いたような」感じしかしない、と言えなくもない。
おススメ度・・・★★★
EXMORTEM「BERZERKER LEGIONS」
デンマークのデスメタルバンド、EXMORTEMの3作目。2001年作。
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似たような名前のバンドを以前に聴いたような気もするがたぶん初めて。イントロの1曲目に続く2曲目から、激速ブラストと狂気の絶叫デス声が炸裂します。VADERやKRISIUNタイプか。
怒涛のブラストビートに身をまかせているだけで、この手のサウンドを聴くとき特有の快感につつまれるけれど、とくに印象的な曲があるわけでもないなあ~。スピードはスゴイ、でもそれで終わり、という感じ。2001年当時なら「スゲー!」と言われていたかもしれないし、当時に聴いていたら私ももっと違った印象をもったかもしれない。
おススメ度・・・★★★
GOD DISEASE「DRIFTING TOWARDS INVITABLE DEATH」
フィンランドのドゥームメタルバンド、GOD DISEASEの1st。2019年作。
バンドロゴをみて汚らしいブルータルデスを予想しましたがちょっと違った。初期CATHEDRALあたりにデスメタル風味をちょっと加えた、オールドスクールなドゥームメタル。ひたすらスローテンポで超ヘヴィなリフを刻み続けます。
しかし、ヴォーカルにはスラミングデスのバンドにありがちなヘンなエフェクトがかかっていて、何言ってるかはまったくわからない。まあわからなくてもいいんだけど、それが全曲全部同じなのがなあ・・・。そのせいで「ヘヴィで哀しげなリフをいっぱい思いついたからそれをつなげて、そのうえにゴボゴボいうデス声をテキトーにのせてみました」というだけにしか聴こえない。そういうふうになるか、それともどの曲にもなにか耳に残るものがあるか、そこが一流どころと二流以下の違いとなる。この作品は残念ながら後者だと思うなあ。
おススメ度・・・★★★