将棋の羽生善治九段が32期連続で在籍した「竜王戦」の最上位クラス「1組」から陥落することが決まった、というニュースを見ました。
私は羽生さんと同世代なので、若い奴らに負けないでトップを張り続けてほしい・・といつも応援していますが、そこは才能と実力だけがモノを言う世界。永遠にトップにい続けることは誰にもできない。といっても羽生さんの場合はこれまでの実績といい十代から今に至るまでトップ棋士であり続けていることといい、まさに神がかり的な活躍を長年してこられたわけで、ちょっとくらい負けたりしたってそれがどうした、という話。今後も頑張っていただきたい。
それにしても、将棋や囲碁なんかはさっきも言ったように完全に才能と実力だけの世界。それ以外の要素が入り込む余地はない。大昔は名人位が世襲だったりしたらしいですが、いまは実力制ですよね。実力制になって以降、「親子2代でプロ棋士」とか、「2代とも九段」とかいう例も少ないながらあるらしいけれども、それは「コネ」とか「地盤を受け継ぐ」とかいう形でそうなったのではなく、あくまでも実力でそうなったというだけのことでしょう。名人が心血をそそいで将棋を教えたとしても才能が備わってなければどうにもならない。厳しい世界だなあ。
対して自民党の議員たち。才能(議員に才能なんか必要ないと思うけど)も志(これが最も大事だと思うが)もない野郎が、「親が政治家で、その地盤を受け継げば議員になって公金チューチューできていい暮らしができるから」というだけの理由で議員になろうとし、アホな選挙民がそんなのに投票して世襲を許してしまう。歌舞伎なんかも才能も実力もあんまり関係ないですね。歌舞伎が実力と才能を必要とするものなのであれば「子どもに継がせようとしたが才能がなくてダメだから血縁関係のない他人に名跡を譲った」とかいう話がいっぱいあってもよさそうなものだけど、そんな話は聞いたことがない。私が知らないだけかもしれませんが。血がつながっていさえすれば継ごうと思えば誰でも継げるんだからユルイ世界だなあ。
将棋の場合は実力と才能だけがモノを言う世界だからこそ羽生九段も、そして現在最強を誇る藤井八冠も、どれだけ無敵状態であってもいつも「いやまだまだです」みたいに反省ばっかり口にしてますよね。そりゃあそうでしょう。藤井さんだってひょっとしてすぐにもっとスゴイ天才が出てきてすぐに追い抜かれるかもしれないんだから。それがわかっているからこそ常に謙虚に自己研鑽を怠らない。
しかし自民党とかいう詐欺集団の議員たちにはそれがマネできないんだなあ。棋士が「次は負けるかもしれない」と思って常にじぶんの実力を磨き続けるのと同じように「まじめにやらないと次は落選するかもしれない」という危機感をもって死ぬ気ではたらく、ということがどうしてできないのだろう。
いや奴らも選挙に落ちることに対する恐怖心というのは常にもっているんでしょう。しかし自民党の奴らの場合はそこで「選挙で勝つために公約を死ぬ気で実現しよう」「政策を一生懸命選挙民にアピールしよう」とか考えない。やることは「選挙でばらまくカネを確保しておくために自由に使えるカネを裏金としてプールしとこう」とか、そんなゴミみたいなことだけ。その結果がいまの裏金問題でしょ。
奴らは自分の仕事というものをいったいなんだと思っているのだろう。たぶん「選挙で勝つこと」が最終目標になってて、そのためには党のなかで存在感を増したい、だからパー券を一生懸命売って党の幹部の覚えを良くしておこう、それこそが「仕事」・・・という認識なんだろうなあ。
選挙で勝ってからなにをするか、ってのが問題なはずなんですけどね、奴らにはもともと志とかビジョンとかいうものがないからなあ。もしあるんならあんな空虚で具体性のない「公約」を毎度毎度掲げることはありえないし、以前に掲げた公約についてそのためになにをしたのか、なぜそれが達成できなかったのかを反省し、それを国民に明らかにするはず。でも決してそれをやらない。まじめに仕事して「これを実現したい」なんていう気持ちがそもそもないから反省も検証もしない。いつもいつも「やるやる詐欺」で終わる。
自民党の政党支持率がいまだに3割以上もあるらしいですが、こんな奴らになにを期待して「支持」しているのかまったく理解に苦しむ。奴らのパー券なんかを買ってその見返りとして利益誘導を要求するトヨタみたいな奴らとかが「支持」してるんでしょうけど、それが結局日本という国を傾かせ、最終的には自分たちに不利益となる、ということを理解できないんだろうか。
いずれにしろいつも言うように、嘘つきなうえにカネと保身のことしか考えてない自民党の奴らになにかを期待するのはムダです。トヨタみたいな不正企業を消滅させることはなかなか困難だけど、嘘つき政党は議員全員を選挙で落とせば消滅させられるのですよ。なぜそれをやらないのか。
先日暗殺されたロシアの政治活動家ナワリヌイ氏は「プーチン以外に投票を」と訴えていたけれども、日本を救うには「自民党以外に投票を」することを全国民が一致団結してやりぬくしかない。広域暴力団よりも悪質な詐欺団体自民党の政権よりもサイテーな政権などありえない。優秀な学生とかにやらせたほうがまだマシでしょう。
VOICE「PREDICTION」
ドイツのメロディック・パワーメタルバンド、VOICEの1st。1996年作。
まだ活動しているらしい? よく知らないけれど、1曲目の様式美メタル的なオープニングに「おお~!」と身を乗り出し、こりゃあ期待できるかも・・・とワクワクしつつ聴き進めますと・・・
正統的ジャーマン・メタルの風味をプンプンさせながら雄々しいメロディを聴かせる、じつに素晴らしい作品でした!どこまでも男らしいヴォーカルがいいねえ。歌メロにもギターソロにも派手なところは全然なくて、一聴しただけでキョーレツなインパクト、っていう曲はないんだけれども、繰り返し聴くと味が出てくるスルメ的な曲が揃っている。基本はパワー・メタルなんだけどそこに絶妙なバランスでメロハー的湿り気が練り込まれている。メタル暗黒時代の90年代の作品も侮らずちゃんと聴いておかなくては!と反省させられる。
おススメ度・・・★★★★
CATTLE DECAPITATION「MONOLITH OF INHUMANITY」
USのデス/グラインドコアバンド、CATTLE DECAPITATIONの7作目。2012年作。
Amazon.co.jp モノリス・オブ・インヒューマニティ
ジャケ絵やアルバムタイトルから連想するのはやはりあのスタンリー・キューブリックの名作映画「2001年宇宙の旅」。メッセージ性の濃い知的な歌詞で知られるバンドなだけにこれには含むところがいろいろあるんでしょうが、私はそういうのにはあんまり興味ないので割愛。音がカッコよければ歌う内容がオンナだろうがクスリだろうが戦争だろうが、まったくどうでもいいというわけじゃないけどこの手のバンドにかぎっては別に・・・。
このバンドには触れたことなかったっけ。1枚くらい聴いたことがあるような気がするが覚えてない。ってことはたいしたことなかったということなんですけど、そんなに悪くもなかったような印象。ともかく覚えてないので、初めて聴くような気持ちでCDをプレイ。
冒頭のすさまじい下水道ボイスを聴くと、ただ汚いだけのグラインドコアなんだろうなあ・・と思っちゃうところですがさにあらず。緩急を心得た展開と、たまに挿入されるクリーン(でもないか)ボイスによってキャッチーさをつくりだしている。ちゃんと歌う部分は「イッちゃってるウド・ダークシュナイダー」みたいな趣でなかなか好き。そのメロディアスな部分がもっと多ければよかったなあ。すぐに一つ覚えのようにブラストして「ゴボボボボボ・・」ってやりたがるのがイマイチ。
おススメ度・・・★★★☆
BURIED DREAMS「NECROSPHERE」
メキシコのメロディック・デス、BURIED DREAMSの3作目。2002年作。これを最後に解散している?ようです。
メキシコのバンドか。中南米はどちらかというとスラッシュ・メタル系に宝物的バンドが多い印象ですが、これはメロデスなのか。どんな音かな・・・
プログレッシヴなリズムと曲展開に、北欧メロデス的な泣きのメロディをもちこんだサウンドでした!その泣きのメロディにはなかなか魅力的なものがあって、そういう聴かせどころを意識して配置しているところには好感がもてる・・・・
のですが、ちょっと曲展開がめまぐるしすぎて、演奏はヘタじゃないのにガチャガチャと整理されてないかんじ。聴きどころの哀メロに到達するまでが回りくどすぎる。そのせいでスピードの爽快さも泣きのメロディの快感もだいぶ薄れてしまうような気がする。結果どの曲も同じに聴こえる。ドラムスは自己主張しすぎなのでは。中心人物なのかな。この手のバンドの人たちはどうしてこう難しいことしてドヤるのが好きなんだろう。いずれにしろ、もっと哀メロを徹底的に聴かせるスタイルでやってほしかった。惜しい。
おススメ度・・・★★★