歌舞伎俳優の市川猿之助が母親に対する自殺ほう助の容疑で逮捕されたとのこと。
約1か月前にこの事件の報道にふれたとき、私は「両親を殺して一家心中を装ったのでは?」と疑ったのですが、捜査機関はどうやら「心中しようとしたけど間違って自分だけが生き残っちゃった」という本人の主張を信用したようです。ずいぶん物分かりがいいんだな。これが著名人ではなく無名な市井の人だったり、和歌山カレー事件の林さんのように「いかにもやりそう」みたいなイメージができてしまってる人だったらまた違ったでしょうね。両親が自殺を望んだと証明するものがない、だからこれは殺人なんじゃないか、それをしめす「状況証拠」をさがせ!・・となるんじゃないか。しかし猿之助も両親を殺す動機はないのか。いやあるかも。親子関係なんてのは他人にはわかりませんしね。
容疑者は「(自身のハラスメントや性加害を報じる)週刊誌報道がきっかけで、家族会議で『3人で死んで生まれ変わろう』という話になった」と供述しているらしいけど、それ自体があまりに不自然でしょう。ふつうそういうふうになるかあ? なんでムスコの不祥事で「家族みんなで死のう」ってなるんだよ。それで納得しちゃってるんだったら警察も検察もあまりにノーテンキじゃないか。ワイドショーでは「専門家」が「歌舞伎界の人は心中物をやるから『死生観が違う』」とかぬかしていたけど、いやいやいや、そんなことある? 宗教観が日本人とは根本から異なる外国人だったらまだしも、現代の日本に生きる人間だったら「頭おかしいの?」って話だし、心中物を演じてるからってそれに感化されて自分もそんな考え方になったりするかね。まあ歌舞伎界は一般の常識が通用する世界ではないらしいからそういうこともあるのかな。歌舞伎界のような閉ざされた世界に生まれ育った人間はそういうふうに考えるもんなのか。政治もそうだけど世襲が前提の世界ってのはやっぱりいけない、と再認識せざるをえない。いずれにしろ「歌舞伎界は特殊だから」で許される話ではないでしょう。「50近くにもなって自分のケツも自分でふけねえのか。両親を道連れにして自分だけ生き残るとはなんて奴だ!」と徹底的に批判されるべき・・・と思うんですが、そういうコメンテーターとかはいないのね。芸能界には「歌舞伎界を貶めてはいけない」という不文律があるんだろうか。気持ち悪いなあ。
先述のワイドショーなんかは彼が逮捕されてからも「容疑者」ではなく「さん」付け。かつて著名人が逮捕されたとき「○○メンバー」「○○司会者」「○○ギタリスト」とかいう言い方が批判されたから逆に開き直って「さん」付けにしたのか。そして「さん」付けが不自然に聞こえないようにということなのか、やたらと「これは自殺ほう助!彼は悩みを抱えててかわいそうだった!」と声高に主張し、「悩んでいる人はここに相談を」などと悩み相談の電話番号を紹介したりしてるのも非常に気持ちが悪い。小田急や京急の刺傷や放火の事件でも犯人は孤独などの「心の闇」が原因で犯行に及んだとされるけど、そっちのときには「悩んだら相談を!」とは言わないで、犯人個人の異常さだけにクローズアップするくせに!
まあ証拠がないらしいので「殺人」ということにはならない(和歌山カレー事件は証拠も動機も自白もないのに死刑になっちゃったけど)だろうし、証拠がないなら当然そんなことになってはならないですが、これが殺人罪となって死刑か無期かなんていう話になったとしたら、世論がどう動いたかなあ~というのにはちょっと興味がそそられる。「この人がそんなことするはずがない!なにか深い事情があったに違いない!」と多くの国民が勝手に思い込むような著名人が死刑判決を受けたら、ひょっとして死刑制度の是非に関する国民的議論が沸き起こってくれるかもしれない。いままで死刑を肯定していた人も「○○被告を死刑にしても殺された人は帰ってこない!死刑はムダ!」とか言い出すかもしれない。
HELLHOUND「レッツ・メタル LET METAL RULE THE WORLD」
日本のヘヴィ・メタル・サムライ、HELLHOUNDの3作目。2011年作。
Amazon.co.jp Let Metal Rule The World
1st、2ndともに素晴らしい作品で感激しちゃったのでこの3作目もさっそく購入。
今作のジャケ絵の元ネタは・・・GRAVE DIGGERの「HEAVY METAL BREAKDOWN」かな。CDのバックインレイにはDEEP PURPLEの「FIREBALL」そのまんまのイラストが。
音のほうはというと、期待を裏切らず徹頭徹尾、伝統的ヘヴィ・メタルで貫かれていて、EXCITER風パワー/スラッシュ曲と、メロディアスな曲がバランスよく配置されている。そしてどの曲もシンガロングしたくなるキャッチーさが満載なのも前作までと共通。
トップの「Let Metal Rule The World」や、序曲+3部からなる組曲風の「Legend Of Warriors」みたいな、まるっきりMANOWARすぎるエピカルな曲があるのは前作までとちょっと違うところか。
個人的には「Call me , MR HEAVY METAL!!」というサビが超印象的な「Mr. Heavy Metal」がいちばん気に入りました!イイなあ。こういうの聴くと「ヘヴィメタルは不滅だぜ!」と私も叫びたくなる!ライヴはとっても楽しそう!
おススメ度・・・★★★★☆
SHATTER SILENCE「OPENING OF THE END」
日本のメロディック・デス/メタルコアバンド、SHATTER SILENCEの1st。2010年作。
Amazon.co.jp Opening Of The End(オープニング・オブ・ジ・エンド)
イントロに続くトップの曲のオールドスクールなリフを聴いて「おおっ!?」となって、大期待して聴き進めましたが・・・
ひたすら同じ調子でわめく、キャッチーさゼロのヴォーカルが、私にはダメだった。メタルコアっぽくクリーンヴォーカルでのサビとかが配置されてるけど、そこも別にキャッチーであるわけでもないので、結局のところ「ヴォーカルがウルサイ」という印象しか残らなかった。カッコいいリフは満載なんだけどなあ。ヴォーカルのせいで全部同じ曲に感じてしまう。ハイクオリティなんだけど全編通して聴くのはつらい。
おススメ度・・・★★★
RE-ARMED「WORLDWIDE HYPNOTIZE」
フィンランドのデスラッシュ、RE-ARMEDの1st。2011年作。
Amazon.co.jp Worldwide Hypnotize
ヘヴィなリフで押して押して押しまくり、たまにズドズドズド~っていうスラッシュ・ビートで疾走する、正攻法のデスラッシュサウンド。なかなかいいですなあ。
へんに難しいことやろうとせず、どこまでもリフのカッコよさで勝負しようとしている姿勢に好感。ちょっとでいいからメロディアスな聴かせどころがあったりしても良かったと思うし、ヴォーカルにもキャッチーなところが欲しい気もしますけど、デビュー作でこのクオリティならほかの作品も聴いてみなくてはならない!
おススメ度・・・★★★☆