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平成初期に聴きまくっていたメタル名盤をふりかえってみる。その④~PARIAH編~

私が学生だった、平成に改元したころに好きだったメタル名盤をふりかえる記事の続き。

このシリーズ記事のために、アナログレコードをいろいろ引っぱり出して聴いたりしてるんですけどね、

けっこう「こんなもんをなんで好きだったんだろ・・?」と自分でもわからないようなものを発見します。

若いころに「カッコいい」と思ったものでも、

オッサンになってから聴くと「なんだよこのゴミ」と思うものがあったりしますね。

その逆ももちろんあるから面白い。

もちろんこのシリーズ記事では、いま聴いてもそのカッコよさは色あせない・・・というものを紹介しているつもり。

今回の作品も、いま聴いてもカッコいい、どころか、こんなカッコよさを体現しているバンドは

いまでもなかなかいねえだろ、という素晴らしいものです。

鋭く刻まれる印象的なリフ、湿ったヴォーカル、泣きの長尺ギターソロ・・・最高です。

今回取り上げるのはPARIAH。

アメリカのオルタナティヴ系のバンドに同名のものがありましたが、

そんなゴミと一緒にしてはいけない。

真性メタルマニアならばPARIAHといえば

ああ、SATANからBLIND FURYになってまたSATANになってPARIAHになってまたSATANになった

あのイギリスのバンドね、と思い当たるでしょう。

バンドのヒストリーを書いてるとそれだけでひとつの記事になっちゃうので省略。

詳しく知りたい方はこちらが便利です。→SATAN~Spiritual Beast

 

SATANの目下の最新作「CRUEL MAGIC」については

レビュー記事を書きましたのでそちらもみていただくとして、

変わらず古臭いままなのが魅力的。SATAN「CRUEL MAGIC」が期待を裏切らない素晴らしいデキ。

そこでも書いたように私はこのSATANの一連の作品が大好き。

 

スラッシュ・メタルっぽさも感じられるほど鋭い、とても個性的変態的、かつキャッチーリフ。

ジメジメとしてヘヴィなんだけどスピーディな曲に

これまた湿ってるんだけどアグレッシヴなヴォーカル。

そこへ泣きの長尺ギターソロが炸裂してドラマティックさを演出する・・・

という、あまりに独特なサウンド。

 

PARIAH名義では3枚の作品を発表していまして、

PARIAHとしての1枚目

「THE KINDRED」が1988年、

2枚目「BLAZE OF OBSCURITY」が1989年発表。

この2枚が、私が当時聴きまくっていた超名作アルバム。

スラッシュ・メタル色が濃かった「THE KINDRED」

「THE KINDRED」は1988年発表。

前年に出ていたSATAN名義の「SUSPENDED SENTENCE」と同様、

若干スラッシュ・メタルっぽいリフ、スピーディな曲が多く、

様式美系っぽい組曲などをやってみたりしています。

Amazon.co.jp Kindred

ヴォーカルはマイケル・ジャクソンという人で、

もちろんKING OF POPのあのマイケルとは同名異人。

SATANとしての1stアルバムで歌い、現在のSATANのヴォーカルをやってるブライアン・ロスよりも

もっとメタルっぽく、少しガナリ気味の歌唱も駆使する人ですが、

そのアグレッションと湿り気のバランスが絶妙。

ジメジメさ加減はブライアン・ロスに軍配があがりますが、

このアルバムで展開されるスラッシュ然とした楽曲には

マイケルのほうが合っているのかも。

 

貼ったのはA面トップの曲で、かなりスラッシュ・メタル寄り。

このまわりくどい曲展開が最高ですね

(SATAN名義の前作「SUSPENDED SENTENCE」のオープニングも同じような感じで、これよりもさらにじれったく、そして劇的な組曲でした。)。

 

全体的にはスラッシュ然としていながら歌メロは哀愁をたっぷりとふくむ曲が多い。

そこへ湿った長尺ギターソロが絡んでくるからもうたまんない。

学生だった私はこのアルバムのLPを学校の近くの商店街にあった中古盤店で入手、

カセット・テープに録音し、テープがヘロヘロになるまでウォークマンで聴きながら学校へ

(半分くらいは同じ商店街のパチンコ屋に行っちゃってたけど)通っていました。

スラッシュ色は薄れたがさらにメロディアスになった「BLAZE OF OBSCURITY」

PARIAHとして2枚目のアルバムが1989年発表の

「BLAZE OF OBSCURITY」。

Amazon.co.jp Blaze Of Obscurity ブレイズ・オブ・オブスキュリティ

こちらは日本国内盤も発売されました。

私は発売時にCDで入手。

 

ヴォーカルは今作もマイケル・ジャクソン。

残念ながらこの作品発表後にマイケルは脱退してしまい、

PARIAH自体も解散することになります(1997年に再結成してアルバムを1枚出しましたが、これはいまひとつの内容でしたのでとくに言うことはないです)。

 

このアルバムでは前作で色濃かったスラッシュ・メタル色が少し薄まり、

いま風に言えば「パワー・メタル」っぽい感じに。

とはいうもののスピードとアグレッションは後退してないし、

あまりに個性的かつカッコよすぎるリフは相変わらず。

SATAN、あるいはPARIAHの個性をそのままにメロディがさらに強化された感じ。

どの曲にも印象的な歌メロをもたせ、

長尺ギターソロはさらにメロディアスに。

 

イイなあ。リフはザクザクしてるのに曲はジメジメと湿っている・・という、

典型的ブリティッシュ・メタルの魅力が満載。

これがメタルのカッコよさというものです。

 

こういうのを聴くと、メタルってやっぱり素晴らしい・・と思うと同時に、

現在のメタル・シーンが退屈な理由がわかる気がします。

いまは、単純な「曲の良さ」で勝負しようとするバンドが少なすぎる。

デス声で吠えてりゃあカッコいいといまだに思ってたりとか、

ツーバスのキックの速さを自慢してドヤア・・とか、

キャバクラ嬢みたいに着飾ってみたりとか、

やたらと複雑な曲構成にして「俺たちは突っ走るだけの単細胞とは違います」ってアピールしてみたり・・・。

曲以外の部分で耳目を集めるフックをつくろうとしてるのばっかり。

そんなだからメタルはつまらないって言われちゃうんだな。

 

その意味では、

SATANあるいはPARIAHはまさに正統派。

ド派手なメイクをするわけでもなく、

やたらとテクニック自慢をするわけでもなく、

リフとメロディの素晴らしさで私を夢中にさせてくれました。

 

今回紹介した2枚の作品はどちらも現在入手困難で残念。再発しろ。

どこかでみつけたらぜひとも入手することをおすすめします。

嬉しいことにSATANはまだ現役で活動していて

素晴らしい作品を連発してくれてますから、今後にも注目ですね。

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