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加山雄三「演歌の若大将~Club 光進丸~」を聴いた

「若大将」こと加山雄三氏の所有するクルーザー「光進丸」が4月に炎上・沈没し、

彼のファンである私は、

相棒ともいえる光進丸を失って

意気消沈して老け込んだりしないだろうか・・・

と心配していたのですが

(私の別ブログで記事にしました→加山雄三「光進丸」炎上事件に思うこと)、

そんな心配は不要だったようです。

さすがは波乱万丈の人生を乗り越えてきた若大将、

その「光進丸」の名を冠したアルバムを発表しました。

「演歌の若大将 ~Club 光進丸~」。

もちろん買って聴きました!

「演歌」といっても・・・・

amazonの商品説明によると、

(若大将のオフィシャルサイトにはあまり詳しいことが書いてなかった)

数十年前に加山雄三(弾厚作)が光進丸で演歌曲を作詞作曲しました。その1曲の「嘘よ」を2017年9月に前川清がリリースし、もう1曲の「残り酒」は八代亜紀がリリースすることが決まりました。この2曲を中心に、1972年6月発売の『演歌流し唄』からと、加山が好きで、いつも光進丸のカラオケで歌う18番の演歌楽曲を新録しての演歌企画アルバム。

(amazon商品ページより引用)だそうです。


amazon.co.jp 演歌の若大将~Club光進丸

 

1曲目の「嘘よ」はさきに前川清が歌ったCDがリリースされています。

前川清のために書いたんじゃないの、と思うくらいビッタリハマっていて、

さすがは弾厚作・・・天才ですね。

amazon.co.jp 嘘よ/りんどう小唄

 

2曲目の「残り酒」は八代亜紀がリリースすることが決まった・・・そうですが

いまのところリリース情報は発見できず。

 

この2曲が、35年ほど前に光進丸で書いた曲だそうです。

 

ほかの収録曲は、

「別れたあの人」「しのび会い」「旅の手紙」「りんどう小唄」が若大将の過去曲、

「そして神戸」「奥飛騨慕情」「宗右衛門町ブルース」「雪國」が新録カバー、

「また会いたいあの人」が最新オリジナル曲。つんくが作詞。

 

とおして聴いてみると、カバー曲はもちろん、若大将のオリジナル曲も演歌テイスト。

「演歌の若大将」というタイトルに偽りはないですね。

しかし演歌テイストといっても、

たとえば岡千秋氏が書くようなコッテコテの演歌ではなく、

どこかGSや歌謡曲の風味が残る、

「演歌風の弾厚作楽曲」という印象でした。

 

「旅の手紙」は今現在音源をもっていなかったので

久しぶりに聴いたんですけど、カッコいいなあ。

YOU TUBEに内山田洋とクールファイブの「旅の手紙」があったのではっておきます。

前川清の歌唱はめちゃめちゃエモーショナル、

対して若大将の歌う「旅の手紙」は、前川清のような湿り気は希薄で、

女性の哀しい気持ちを歌っているのに、なんというかとにかく男らしく力強い感じ。

その特色は「嘘よ」にもあらわれていると感じました。

どちらがいい、とかいう話ではなく、

前川清も若大将も、なにを歌っても

自分のカラーに染め上げて歌っちゃうところが凄い。

 

「奥飛騨慕情」も、若大将が歌うとどこか前向きというか、

あまり哀しい感じがしませんね。

でもカッコいい。この味を出せる人はそうそういないでしょう。

 

とにかく男らしい、力強い。

情けない裏声を使い

ナヨナヨした曲を歌っている男性シンガーソングライターは

若大将の作品をすべて買って学んでほしい。

音域が狭くても、裏声を使わなくても、カッコいい曲はできるのだ。

 

若大将は、とくに凄い歌唱テクニックを駆使しているということもないと思うんですけど、

それでもどんな曲でも「加山雄三らしく」歌ってしまう。

最近はカバー曲を集めたアルバムを出す歌手が非常に多くて、

聴いてみると「ただのカラオケじゃねえか」みたいな人がけっこういてウンザリしてるんですが、

そういう歌手は若大将の歌唱を聴いて勉強するべきだ。

ていうか、若大将の場合はその類まれな才能、もって生まれた「味」で

凄いことをやってのけちゃうから、勉強してマネできるものではないかもしれない。

ファンでもなんでもない人に言わせれば、若大将の「雪國」や「奥飛騨慕情」こそ「ただのカラオケじゃねえか」となるかもしれないし。

若大将の圧倒的天才ぶりを再確認

ともかく、80代でこのカッコいいアルバムを出しちゃう

若大将の凄さに敬服。まさに天才。

まだまだその元気な歌声を聴くことができそうです。

 

加山雄三楽曲のすばらしさにふれる人がもっと増え、

その天才ぶりがすべての日本人の共通認識になってほしい・・・

と願いつつ、このへんにしておきます。

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