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2024 NHK「演歌フェス」(PART 2)

JR長野駅前で3人が殺傷された事件。容疑者が逮捕されて地域の方はとりあえずホッとしたところでしょうか。

メディアではさっそく容疑者がどんな人物なのか深堀りが始まっているようですね。中居正広の件では「まだ真実がわかってないのに決めつけで彼の芸能人生を奪うなんてあんまりだ」とかいう声も出るのに、こういう名もない人が起こした事件では、まだ「容疑者」の段階ですぐに決めつけてあらゆることを暴露しようとするメディアの動きに対して「いやいやそういうことは裁判ですべてがはっきりしてからやれ」とは誰も言わない。気持ち悪いなあ。

で、容疑者逮捕に至る決め手になったのは「防犯カメラのリレー捜査」だったそうですよ。つまり複数の防犯カメラの映像をつなぎあわせて追跡する手法らしい。

警察もメディアもやたらとこれを喧伝していますが、これで「やっぱり防犯カメラは有効だ!必要だ!もっと増やそう!」とか思っちゃうのは危険なことと認識しておいたほうがいいんじゃないでしょうか。

そもそも「防犯」カメラっていうくらいだから、その最大の目的は「防犯」のはずなのに、万引きや落書きやポイ捨てとかならともかく、こういう凶悪犯罪については「防犯」の役にたってないというのはほとんど明らか。この容疑者はどうか知りませんが、闇バイトで強盗をやった奴らはカメラがあることなんか百も承知だったでしょ。

それでも犯人が捕まればそれでいいじゃないか、という向きもあるでしょうが、凶悪犯罪でひどい目に遭わされた犯罪被害者はみんな「犯人が死刑になっても被害者は帰ってこない」って言うじゃないか。捕まればそれ以上の犯罪が積み重ねられないというのはあるにせよ、こういう犯罪は起こった時点でもう取返しがつかない。

ならば防犯カメラをいくら増やしたところでたいして意味がないように思える。いやそれどころか、カメラを増やしまくればお互いを「不審者」として監視しあう空気が社会に充満し、ますます人心が荒廃し治安が悪化するのでは。そこらじゅうに警察官がいてどこへ行ってもず~っと監視されてたら「いったいなにがあったんだろう?なにがあるんだろう?」と不穏なものを感じて気分悪くなると思うんですけど、それがカメラだとなんとも思わないっていう神経は私には理解できない。

 

それはともかく、今回のNHK「新・BS日本のうた」の枠は特別編。昨年末に渋谷のNHKホールにて行われた、「演歌フェス 2024」の第二部の模様が放送されましたのでその感想を。

若手の頑張りに期待!

第二部の曲目は以下のようになっていました。

 

「柳ケ瀬ブルース」・・・美川憲一

「おだまり」・・・・・・美川憲一

「これで良しとする」・・美川憲一

「兄弟船」・・・・・・・鳥羽一郎

「みちのくひとり旅」・・山本譲二

「妻よ...ありがとう」・・山本譲二

「鳥羽の海女」・・・・・鳥羽一郎

「浪漫ーROMAN-」・・・山本譲二&鳥羽一郎

「二輪草」・・・・・・・川中美幸&山本譲二&鳥羽一郎&新浜レオン&青山新

「遣らずの雨」・・・・・川中美幸

「人生日和」・・・・・・川中美幸

「冬のファンタジー」・・カズン

「全てあげよう」・・・・新浜レオン

「迷宮のマリア」・・・・辰巳ゆうと

「TATSUYA」・・・・・・田中あいみ

「女がつらい」・・・・・青山新

「246」・・・・・・・・真田ナオキ

「個人授業」・・・・・真田&新浜&青山&辰巳&田中

「夢淡き東京」・・・・川野夏美&三丘翔太

「河内おとこ節」・・・中村美津子

「涙唱」・・・・・・・岩本公水

「瀧の恋歌」・・・・・岩本公水

「人それぞれに」・・・中村美津子

「そして神戸」・・・・前川清

「抱きしめて」・・・・前川清

「長崎は今日も雨だった」・・前川清&真田&新浜&青山&辰巳

「風潮」・・・・・・・前川清

 

田中あいみや新浜レオンらの「若手」の歌声の力強さが印象的でした。新浜は紅白に出て、実績という意味ではアタマひとつ抜きんでた感じになりましたが、個人的には歌唱の個性という点で真田ナオキにもっと突き抜けてほしい。「246」は彼のこれまでのシングル曲のなかでは最高のデキじゃないでしょうか。2024年の演歌/歌謡曲ベスト・チューンのひとつといって間違いない。作曲した吉幾三の天才っぷりが際立ちます。こんなカッコいい曲を聴いても紅白に出して歌わせようってならないんだからNHKはほんと無能。

 

その若手のパフォーマンスもみんな素晴らしかったですが、やっぱり別格の存在感を示していたのは川中美幸。これ昨年もその前も同じこと言ったかな? だとしてもそれが事実だから仕方がない。喜びも哀しみも幸せも不幸せも聴き手の胸に刻み込んでしまう独特の深みというか湿度のある歌唱の破壊力はもはや人間国宝。

 

朝花美穂あたりがこの域に達してくれれば演歌界の未来も明るいと思いますねえ。しかしその世代交代は、いまだ衰えない川中のパフォーマンスの凄さをみれば当分ないと痛感させられる。永遠に第一人者として頑張ってもらいたい。

 

といったところで第二部の感想はこれくらいで。また来週、続きの感想を。

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