昭和時代にヒット曲を多数輩出したムード歌謡グループ、「敏いとうとハッピー&ブルー」のリーダー、敏いとうさんが死去。心よりお悔やみ申し上げます。
現在、継承グループとして「新☆ハッピー&ブルー」が活動していて、その「らしさ」というかアイデンティティは滅びることはなく生き続けている。
「敏いとうとハッピー&ブルー」といえばやはり「星降る街角」や「わたし祈ってます」などが思い起こされますが、私がいちばん多く触れたのは「よせばいいのに」かな。小さいころ、たしか家にレコードがあって、それがよく流れていた。
|
そのへんの名曲を聴きなおすと、ムード歌謡特有の鼻にかかった甘い声のリードヴォーカル、そして猛烈にブ厚いコーラスの魅力は、どれだけ時代が変わっていこうと永遠に色あせないだろう・・・と思わせる。「新☆ハッピー&ブルー」には、ぜひともこの路線を突き詰めていって、素晴らしい曲をどんどん出していただきたい!
HELLHOUND「旭日の戦士 WARRIOR OF RISING SUN」
日本のヘヴィ・メタル・ウォリアー、HELLHOUNDが2021年に発表した、過去の代表曲のリ・レコーディングと、新曲3曲を組み合わせたアルバム。目下の最新作。
Amazon.co.jp 旭日の戦士 - Warrior Of Rising Sun
先日書いたように、「リ・レコーディングが大部分ならあとでいっかあ・・」と後回しにしてしまっていたもの。「Heavy Metal Telepathy」のMVをみて、やっぱり買っておくんだった・・と慌てて手配しました!
→今週聴いたもの:2024年8月29日~9月4日(WARSENAL、OMISION、OPHIS)
過去曲のリ・レコーディングは、大幅にアレンジが異なっているという曲はないようだったのでここではとくに触れません(選曲については「あの曲がないじゃないか!ってのはありましたけどね。「Mr.Heavy Metal」とか「Heavy Metal Never Dies」とか)が、新録3曲がどれも素晴らしい。やっぱり早く買わなかったことを大後悔。
「Heavy Metal Telepathy」は王道展開の、「らしさ」全開のキャッチーな曲だし、「Heavy Metal Hammer Down」はまさに初期EXCITERのを彷彿とさせる、前にあるものすべてを破壊して突進するようなパワーとスピードに思わず首を振っちゃう。「Heavy Metal Till I Die」はまるっきりいわゆる「メロスピ」で、らしくないといえばらしくないけれど、途中まるっきりMANOWARなベースソロが挿入されたり、そしてキャッチーなサビと男臭いコーラスなんかがあって、「やっぱりHELLHOUND」となる。一見「なんちゃらメタル」みたい、という曲をやったとしても、核となる方向性は絶対にブレないから、安心して聴けるというか、「信頼」できる。
全曲が「メタル・アンセム」。こういう正真正銘、まじりっけなしの「ヘヴィ・メタル」を聴くと、だれが何と言おうと「死ぬまでメタルとともにあり続けよう!」と決意しちゃうし、「LONG LIVE METAL !!」「LIVE FOR METAL !!」と叫びたくなる!
おススメ度・・・★★★★☆
TRIAL「VESSEL」
スウェーデンの正統派ヘヴィメタルバンド、TRIALの2作目。2015年作。
じつはこのバンド知らなくて、ジャケット絵からしてプログレッシヴ系かブラック系なのかな、と思ってまったく期待しないで聴いたんです。
そしたらびっくり。このバンド知らなかった、って書くの恥ずかしい、って思うくらいのハイクオリティでブッ飛ばされました。なんだこりゃあ最高じゃないの。
1曲目のヴォーカルが入ってきて、そのあまりにKING DIAMONDっぽい歌唱に引きずり込まれる。ブルース・ディッキンソン風の歌いまわしをするKINGって感じ。これがやたらカッコいい。ネッチョリとした湿り気を含みつつ、ときに金切り声でシャウトし感情を爆発させ、ときに雄々しい低音で聴き手の胸に迫ってくる歌唱は、たまらない魅力を発散している。たまに音程が危ないときもあるんだけれど、それがどうした。
楽曲もMERCYFUL FATEからの影響が色濃く出ていて、そこにドゥーミーな風味が加えられ、若干現代的(いわゆる「モダン」という意味ではない)にアップデートされた、という趣。
いやあこれは素晴らしい。たまにこういうことがあるから、知らないバンドのCDを適当に買い漁って聴くのはやめられない。9割以上がハズレであっても、わずかにあるこういう高品質作品に巡り合えるなら、そんな投資は安いもの.
オフィシャルっぽい動画が見当たらなかったのでここには貼りませんが、とにかく買ってきくべき素晴らしい作品。ほかのアルバムも急いでチェック!
おススメ度・・・★★★★☆
KEVIN KMETZ「GOD OF SHAMISEN」
USの三味線ロッカー(?)、ケヴィン・メッツの2008年発表のアルバム。
この人も知らなかった。いまも活動しているんだろうか。三味線でいろんなジャンルの音楽を演奏している人はけっこういますが、三味線でメタル、というのはやってる人がいそうであんまりいませんね。私が知らないだけかな。
しかし、なぜ「三味線でメタル」というのをあまり聞かないのか、というのが、このアルバムを聴くとなんとなくわかる気がする。う~ん、個人的には三味線とメタルって親和性が非常に低い、と感じるんですよねえ。このアルバムでは「ドラゴンクエスト」の曲のメドレーとか、面白いものがいっぱいあるんですけど、そこにブラストビートとかディストーションギターとかのメタル要素が加えられていたとしても、「メタル」としてカッコいい、と思った曲はなかった。
まあ曲がイマイチだからそう感じるのかもしれない。元の曲がカッコいいならまた別の話になってくるんだろう・・・と、下の動画(これは本作品には入ってません)を見て思いました。どうせなら全部をメタル名曲のカバーにしたほうがよかったのでは。
私は器が小さいので、「オーケストラとメタルの融合」とか、そういうのが受け入れられるケースが少ないんですよねえ。ほとんどが「とってつけた」ように感じられてしまって無理。この三味線メタルアルバムもそんな感じ。面白いアルバムだけど、ヘヴィメタルとして楽しめるかというと、そんなことはない。
おススメ度・・・★★★