サントリーと京浜急行電鉄が京急蒲田駅(東京都大田区)で実施しているコラボイベントが、アルコール依存問題の予防に取り組むNPO法人から「公共の場にそぐわない」などと抗議を受け、サントリーのチューハイになぞらえて駅に掲げた「京急タコハイ駅」という看板を撤去したそうです。
NPO法人は「電車にはアルコール依存で苦しんで禁酒している人やドクターストップで飲めない人や未成年もいる!きわめて公共性の高い駅で酒の宣伝するのは不適切!」みたいな主張をしているらしい。
いやいやいや、それ言ったらなにもできないでしょ。じゃあ公共の場である道端に店を構えて堂々と酒のPOP掲げて売っているスーパーやコンビニはどうなのか。「公共性の高い」テレビの電波でもふつうに酒のCM流してるじゃないか。まさに言いがかりとしか言いようがない。サントリーも京急もバカだなあ。こんなもん「ご意見ありがとうございます」で放っておけばいいのに。
この言いがかりが通用するなら、ほとんどの広告活動やイベントはまったくできなくなりますね。子ども連れを対象にしたイベントなんかをやれば「世の中には子どもを持てない人だっているんだ!」となり、ブライダル産業のイベントや広告は「結婚できない、しない人だっているんだ!」となり、家族団らんするCMを流せば「一人暮らしの人だっているんだ!寂しくなるだろ!どうしてくれる!」となる。演歌も酒の歌は歌えませんね。
いずれにしろこんなもんはNPO法人が「なにか仕事ないかな。とりあえずこれに噛みついておくかな」っていう「仕事してます」ポーズをとるための言いがかりでしかないでしょう。
パチンコなんかでも「ギャンブル依存症の人がいるんだ!」として排除しよう排除しようと大声で騒ぐ人たちがいて、じっさい広告が規制されていますがそれと同じですね。しかし、依存症の人の「酒やパチンコの広告なんか見たくない」という主張が尊重されるべきだとするなら、ほかの人間の「酒やパチンコの広告を流したい」という権利の主張も尊重されなければならないわけで、公共の場ではいったいどちらが尊重されるべきなのか、という話になり、それはやっぱり広告を流すほうの「表現の自由」のほうが優先されるべき、ということになるんじゃないか。
私も亡国企業トヨタや詐欺政党自民党の広告や看板なんかをみると吐き気がしてくるけれども、だからといってそれをすべて避けることは不可能だし、「見たくないから露出するな!」とか言ったところで無意味。見たくなければ見なければいい、ということにしかならない。
アルコール依存だと「タコハイ」という文字をみただけで「飲みてえ!」と気が狂いそうになるんだろうか。いやそういう人もいるんだろうけど、それで「タコハイの広告を出すほうが悪い」のならば、男性が街を歩く女性を見て欲情して性犯罪に走ったら「欲情させた女性が悪い」っていうのと同じにならないか。ギャンブルにしろ酒にしろ依存症はなった当人や家族にしてみれば深刻な問題でしょうが、どこまでも個人的な問題のはず。こういうのほんとうになくなってほしいですね。
羽山みずき「みずきの愛唱歌~山形生まれの癒しのコブシ~」
山形県出身の演歌歌手、羽山みずきの先日出たばかりのニューアルバム。「日本の心情を歌う」「日本の心情を歌うⅡ」につづく3枚目。
Amazon.co.jp みずきの愛唱歌~山形生まれの癒しのコブシ~
収録曲はやはり全曲カバー。しかし今回は「日本の心情」という縛りではないため、選曲のバラエティが豊かになっていますね。
ザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」とか、「愛は花、君はその種子」(べット・ミドラーの「The Rose」)とか、なかなか意外な曲が入ってますね。「紅の舟唄」(北見恭子)は彼女の出身地山形県にちなんで選曲されたか。これもなかなかマニアックでいいですね。
オリジナルとはだいぶ異なるアレンジとなっている曲もあって、それは彼女のほんわかしたやさしい歌声に合うように、ということなんだろうと感じられる。そのおかげもあってその歌唱のもつ唯一無二の味がたっぷり堪能できるアルバムになっています!カバー曲のみ10曲で2,800円+税は買う時にはちょっと高い気もしたけど、価格に見合う内容でした! ぜひとも次は新録オリジナル曲満載の全曲集をお願いしたい!
おススメ度・・・★★★★
GRAVEWORM「SCOURGE OF MALICE」
イタリアのメロディックブラック/ゴシックメタルバンド、GRAVEWORMの3作目。2001年作。
Amazon.co.jp Scourge of Malice
90年代から今に至るまで活動しているバンドですが今までに聴く機会がなかった。トレモロリフやヴォーカルの爬虫類系の声はまさにブラック・メタルだけれども、シンフォニックでゴシック寄りのエクストリーム・メタルという表現がいいのかな。随所に挿入される泣きのメロディはなかなか。
そのクオリティはかなり高いと思うけれども、う~ん、このヴォーカルの全部同じさ加減がちょっと嫌だな。はっきりいってウルサイ。頑張りすぎ。泣きメロが満載なのはいいんだけど、それもなんかとってつけたように感じられてしまう。1曲だけ聴くぶんにはいいけどアルバムとおして聴くとちょっと・・・。
おススメ度・・・★★★☆
SILENT CALL「GREED」
スウェーデンのプログレッシヴ・メタルバンド、SILENT CALLの2作目。2010年作。
私がプログレッシヴなんちゃらが嫌いであるというのはもう何十回も書いたから「嫌なら聴くなよ・・・」と言われるでしょうが、聴いてみなきゃあわからないっていうのも事実ですからね、だからこういうふうにとりあえず聴いてみることになります。まあだいたい予想通り「退屈だなあ」ってなるんですけど・・・
複雑なリズムや展開で聴かせてドヤるバンドではなかった。曲の中心にあるのはどこまでも歌のメロディ。プログレッシヴな味付けでパワーメタル寄りのメロハー、と言ってもいいだろうか。
これで曲が良ければプログレメタル大嫌いの私でもイケる・・・と思って聴き進めたんですが、う~ん、胸にグサグサっと突き刺さって耳に残るような曲はなかった。悪くないけど印象深いものもない、っていうくらい。プログレッシヴ色を捨てて叙情的な部分をもっと前面に押し出してほしかった。ほかの作品はどうなのかな?
おススメ度・・・★★★☆