BS日テレで時代劇「伝七捕物帳」(中村梅之助主演)が放送されてて、見たことなかったもので録画して見てるんです。
私が小学生のころにやってたドラマなんですが、これが面白い。ポッチャリした中村梅之助は、最初はあんまりカッコいいとは思えなかったんですけど、完璧に男前じゃないところがまたリアリティを感じさせる。それに、毎回毎回ホロリとさせられる人情話が盛り込まれていて、50すぎてだんだん涙腺がゆるくなってきた私などはすぐに泣かされちゃう。昭和のドラマはいいなあ。今のドラマにみられるような感動を押し売りされてるようなわざとらしさは全然ない。
といっても、刀振り回す相手を十手だけで圧倒したりとか、リアリティとはほど遠いところもありますね。しかし時代劇なんて全部そんなものだし、「十手で刀に勝てるわけねえだろ!」とか言うのは野暮というものでしょう。
それはともかく見てて気になるのは、劇中でもちあがるいろいろな問題のなかを、少なくない割合で「冤罪」が占めている、というところ。この時代は科学的な捜査手法とか防犯カメラ画像とかは当然なかったわけだから仕方がないんだけど、証拠は「目撃情報」や「だれかの証言」のような状況証拠と、「自白」、たまに凶器などの物証があるだけ。誰かが誰かを陥れようとしてウソの証言をしたり、たまたまそこに落ちてたかんざしやら印籠やらという「物証」だけで無実の人が下手人として捕縛されたりしちゃって、それを伝七親分がなんとかするべく奔走する・・・っていう話が多いのです。
少し考えてみると、科学的捜査手法が進化してるはずの現在の日本の刑事裁判においても同じようなことはフツーに行われているのがわかって、ドラマみながら空恐ろしい気持ちになってきます。現代でも「状況証拠」、つまり「お前しか犯人は考えられないし、お前が犯人であると考えて矛盾はないから」っていうだけで物証も動機もなく死刑確定しちゃった人もいるし、警察や検察が証拠を捏造することだってあるし、強要された自白によって有罪となり長いこと無実の罪で服役した人だっていっぱいいる。江戸時代と比較して刑事司法はたいして進化してないのです。
何度も言うけどそんなデタラメ刑事司法が死刑を執行する権利をもっているなんてとんでもない。それほど恐ろしいことはない。時代劇で誤認逮捕されて申し開きも聞いてもらえず窮地に陥る人の様をみていると戦慄する。人情話に涙しながら同時に権力の暴走の恐ろしさに震える、というある意味エキサイティングなところは昭和の時代劇ならでは。
山口かおる「夜は眠れなくて」
山口かおるの新曲!12月に出ていたのに知らなかった。日本クラウンはもっと一生懸命PRしろ!
前のシングル「ガラスの薔薇」に続き、作曲は浜圭介先生。
関西弁で歌う曲っていままであったっけ? これは似合うかに似合わないか、ファンでも意見がわかれるかな?
私はとくに違和感は感じないけれど、個人的にはカップリングの「あなたを奪いたい」のほうが好みかな。そちらも浜圭介先生の曲ですが、彼女にはこういうダンサブルでノリのいいなかにしっとりと哀愁をまぶしたような曲が似合う気がします。いやどっちもイイんだけど、どっちかっていうと、っていう話。「哀愁フラメンコ」とか猛烈にカッコよかったですもんね。
まあどんな曲であるにせよ、桂銀淑が消えてしまった今となっては(活動してるという話も?)唯一無二となったカスレ声の魅力は今回も不変。買っておくべきです。そろそろアルバムも新しいの出してほしいなあ。
おススメ度・・・★★★★
MANIMAL「THE DARKEST ROOM」
スウェーデンのパワー・メタルバンド、MANIMALの1st。2009年作。
昨年ニューアルバムを出していましたね。私は初めて聴きました。
聴く気がそそられないジャケット・デザインは猛烈にダサいけれども、サウンドは正統派メタル。ハイトーン・ヴォーカルがものすごく頑張っているせいで、イメージとしてはパワーメタル寄りのQUEENSRYCHEって感じか。
ドラマティックな盛り上がりをみせる曲も多くて、これはなかなかカッコいい。音像としてはパワー・メタルなんだけど、スピードやヘヴィさで押してくる感じではなくて、あくまでも歌メロを聴かせにきてるところに好感。でも似たような雰囲気、似たような歌メロの曲が多いなあ。ヴォーカルもほとんどひたすら全編でスクリームしまくってるっていうのもあり、アルバム1枚を聴きとおすとちょっと飽きるかも。その意味では80年代のQUEENSRYCHEは凄かったんだなあと改めて感じますね。
おススメ度・・・★★★☆
HUSH「Ⅱ」
ノルウェーのメロディアス・ハードロックバンド、HUSHの2作目。2001年作。
数年前にたしか新作を出してたのをみた記憶がある。まだ活動してるのか。音を聴いたのははじめて。さわやかなメロディアス・ハードという話は聞いていましたが・・・
たしかに。イントロからしてさわやか~なメロディアスハード。そのテが好きな人にはたまんないでしょうね。
ヴォーカルは音域も広く表情豊かで、低音域ではデヴィッド・カヴァデールやゲイリー・ヒューズみたいなシブい雰囲気もあってなかなかカッコいい。ギターソロも聴きごたえのあるメロディを奏でてくれるし、なによりも徹底的にさわやかなんだけど時おり適度な湿り気も滲み出すキャッチーな歌メロが素晴らしい。テレビドラマの挿入歌とかに使われても違和感のない、明るく大衆受けしやすそうな曲ばっかりながらも、売れ線を狙ってるとかいう軽い印象は受けない。
これはいいアルバム。個人的にはもうちょっとメタル寄りな重厚さがあると嬉しいけど、そういうバンドじゃないようだからそれは筋違いな要求。私が好んで繰り返し聴くようなタイプの音ではないけど、中古でみつけたら買っとくべきでしょう。
おススメ度・・・★★★☆