以前に DESTRUCTIONが「THRASH ANTHEMS Ⅱ」を11月に発売予定!楽しみすぎる!
の記事で発売予定を紹介した
ドイツのベテラン・スラッシュメタルバンド、DESTRUCTIONの
セルフ・カバーアルバム第二弾「THRASH ANTHEMS Ⅱ」を聴きました!
今回はこの作品の感想など。
ファン投票で選ばれたという選曲は
前作は彼らの代表曲をそろえたともいえる選曲でしたが、
今作はファンの投票によって選んだそうです。
なかなかよくわかっているファンが投票したな・・という感じでうれしい。
amazon.co.jp デストラクション『スラッシュ・アンセム II』【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】
1.Confused Mind(「ETERNAL DEVASTATION」より)
2.Black Mass (「SENTENCE OF DEATH」より)
3.Front Beast (デモ・テープ「BESTIAL INVASION OF HELL」より)
4.Dissatisfied Existence (「RELEASE FROM AGONY」より)
5.United By Hatred (「ETERNAL DEVASTATION」より)
6.The Ritual (「INFERNAL OVERKILL」より)
7.Black Death (「INFERNAL OVERKILL」より)
8.Antichrist (「BESTIAL INVASION OF HELL」「INFERNAL OVERKILL」より)
9.Confound Games (「ETERNAL DEVASTATION」より)
10.Rippin' You Off Blind (「CRACKED BRAIN」より)
11.Satan's Vengeance (「BESTIAL INVASION OF HELL」「INFERNAL OVERKILL」より)
12.Holiday In Cambodia (DEAD KENNEDYSのカバー)
今回は新曲はナシ。
DEAD KENNEDYSのカバーは
選曲としてはおもしろいけれど・・・
どうもDESTRUCTIONはカバーはあんまり上手じゃない印象です。
まあ、シャレというかオマケでしょうから。
しかし、選曲には特に文句なし。
個人的に嫌いだった「CRACKED BRAIN」や「RELEASE FROM AGONY」からの曲が少なく、
初期作品からの選曲が多いからでしょう。
ファンはやはり、初期のころのような
圧倒的アグレッションを求めている、ということなのでしょう。
トータルではとても素晴らしいデキですが、
ファンが求めているのは初期作品のような曲や作風、ということを考えると、
このセルフ・カバー集には
ちょっと文句も出てくるかもしれない。
向上した演奏技術、モダンにアップデートされたサウンド・・いいことづくめのように思えるが・・
「SENTENCE OF DEATH」「INFERNAL OVERKILL」「ETERNAL DEVASTATION」
までは、とにかく演奏がヘタでしたね。
サウンドプロダクションのヒドさもあいまって
なにをやってるのかよくわかんない音像になっていました。
まあ~崩壊寸前って感じですよね。
スタジオ録音でもこれですから、ライヴは相当にハチャメチャだったんだろうな・・。
今聴くと稚拙で安っぽい感じですけど・・・
これが最高にクールだった。
この、狂気をまきちらして突進するパワー、
残忍に、冷酷無比に聴き手の神経を切り刻むような攻撃性、
それが魅力でした。
演奏がヘタ?それがどうした、と多くのファンは思っていたでしょう。
で、このセルフ・カバー集はどうかというと、
演奏技術は圧倒的に向上し、
サウンドはモダンにアップデートされ、
各楽器がなにをやってるのかちゃんとわかるクリアな音像。
すばらしい・・・のですが、
初期のようなハチャメチャな勢い、
狂気をはらんだ圧倒的、悪魔的な残忍さ、冷酷さは
ほとんど失われた・・・と感じるのです。
もちろん、それは全然悪いことではない。
安心して聴いていられるし、
私のカーステレオではヘヴィ・ローテーションになっています。
が・・・
ものすごくカッコいいのに、
「ETERNAL DEVASTATION」をはじめて聴いたときに感じた、
そこに充満する残忍さ、冷酷さ、狂気、殺気、恐怖に震える・・・
という感覚はまったくなくなってしまった。
そういうわけで、すばらしいデキではあるんですけど、
古き良きスラッシュ・メタルをもとめて
このアルバム、もしくは前作を聴くと、
ひょっとしてガッカリする人もいるんじゃないかな・・・と思いました。
私はこれはこれですごく好きですけどね。
さっき動画を張った「Black Mass」は新録のほうが圧倒的にカッコよくなってるし。
まあ、オリジナルもカッコいいが、カッコよさの質が違う、というべきか。
メタルにかぎらず、ミュージシャンが過去の遺産に頼って活動しているのを
みるのはあまり気持ちよくない・・とも思うんですが、
この作品は素晴らしいデキでしたので、
おすすめしておきます!