ずっと前に、「新・BS日本のうた」の公開収録の観覧募集に応募したら落選した・・というだけの記事を書いたことがあるのですが、検索でこの記事を見に来て下さる方が多いのです。
→NHK「新・BS日本のうた」公開収録の観覧に応募したら・・・
演歌・歌謡曲ファンにとってみれば、いまテレビでみられる歌番組のなかでは随一ともいえるハイクオリティの番組ですから、「観覧の応募はどうすればいいの?」と考えて検索する方も多いのでしょう。
で、私も我が家から行ける距離の会場での開催ならば応募することにしていまして、こないだも応募ハガキを送ったのですが・・・
今回も観覧は叶わず。
応募したのは4月9日に静岡県の小山町で行われる予定だった公開収録。
ちょっと遠いけど泊まりで行く必要もないし・・と思って応募したのです。
しかし結果は予想したとおりでした。
当たるとかハズレるとかいう以前に、公開が中止になっちゃった。返信ハガキにその旨が記載されて送られてきました。
ハガキを送るときはこうなるとは夢にも思っていませんでした。残念ですが仕方がない。テレビでみられるんだからそれで我慢するべきでしょう。当たるとも限らなかったんだし。
音楽業界ではこういったことがいまそこらじゅうで起きていますね。NHKの公開番組の場合はお客さんからカネをとるわけではないからそれほどダメージはないでしょうが、一般の歌手やバンドのライヴやイベントなどではそうはいかない。
「自粛をもとめるなら補償を」というのは当然ではあるが・・・
ウィルスの感染拡大を防止するため「不要不急の」イベントなどを開催するのは自粛してくれ・・という話が行政から出ており、その流れで名指しされているライヴハウスやクラブの業界の方々が「ウィルス感染防止のためにお客を入れるのを停止します。でもそれでは潰れてしまう。文化を守るため、助成を求めます」という会見をしているのを見ました。
言っていることはわかるし、その窮状は想像するに難くないものがあります。
しかし、「助成」の中身については、「施設の維持費、従業員の給与、イベントの製作経費(出演料、音響、照明)などを含みます。また、新型コロナウイルスの影響でこれまでに中止にした公演に関しては、実損額を提示し、同額の助成を求めます」という。
たしかに「自粛しろ。損害は自己責任で。だって自粛を要請してるだけで強制してるわけじゃないからね」という行政の曖昧で無責任な言い方はムカつくし、ほかにも危険な業界はありそうなものなのにライヴ業界を名指しで「危険」と言っているのはおかしいとも思いますが、ここまですべてを助成しろっていうのはちょっとムリなんじゃないかなあ。
そもそもコロナは地震や台風みたいな天災と同じようなものなんだから、そのせいで損が出たからといってそれをすべて行政の責任にはできない。
とりあえず行政が最低やるべきは、仕事がなくなって食えなくなって死ぬかもしれない人への救済ということになるんだろうから、すると助成をするとしても(助成はもちろんやるべきだと思います)「従業員の給与」だけじゃないでしょうか。ほかは企業がリスクとして引き受けるしかない問題なのでは。
これで企業を救うとなるともうキリがなくなりますよね。私の住む地域は観光地で、「不要不急の外出を自粛」「花見を自粛」が呼びかけられたために観光客や花見客が激減、予定していたイベントなども自粛して中止で大打撃を受けていますが、この理屈だとホテルや土産物屋などみんなが「自粛を呼びかけた行政のせいだ。損した分全部カネよこせ」と言い出すことにならないか。みんな同じように税金払ってるんだから言うでしょ。ホテルに勤める私の知人もついにヒマを出されましたよ。どうするんだろ。
私の好きなメタル系アーティストのライヴを興行するプロモーターのサイトをちょっと見ましたが、予定されていた公演はどれもこれも延期かキャンセルになっていました。これもすべての損害を税金で補償・・というのはムリでしょう。海外アーティストとかだと自粛うんぬん以前にそもそも「来られない」っていうのもあるんだろうし。補償するにしても個別に判断するべきなのでは。
行政が救うべきなのは人であって企業ではないでしょう。企業経営はリスクを引き受けてやるものなんだから。そう考えるとまずは生活困窮者への給付が最優先ということになり、企業が補償してもらうべきは「給与」だけになるんじゃないのかなあ。
と、勝手なことを書いてみましたが、「自粛」のせいで大損害を受けている人はそれこそ無数にいるわけで、その損害すべてを補償・・というのはムリだし、それよりも先に爆発的感染にそなえての医療体制の準備や、生活困窮者の救済にカネを使ってほしいと思っています。
「新・BS日本のうた」とはあまり関係のない話になってしまいました。ふつうに観覧ができる日はいつになることか。というか、もう自分が感染したときのことを考えておかなくてはならない状況に差し掛かってきているわけで、それどころの話ではないのかも。