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スイスのBURNING WITCHESのデビューアルバムが出色の出来!

女性だけのヘヴィ・メタルバンドが最近は多くなってきているんですかね。

日本国内でも、一昔前とは比べ物にならないハイクオリティなメタルを

聴かせるバンドが多く出てきていますね。

気に入ったものについては記事にしてみたいと思ってますけど、

人気になっているものを聴くとその多くは、サウンドはものすごくヘヴィなんだけど

曲はどこか売れ線を意識しているというか軽いというか、

ストロングで正統的メタル、という感じのものはあまりない印象です。

で、結局は大部分がいわゆる「嬢メタル」「ガールズ・メタル」

(←この言い方は良くないから今後使いません。後述)

というくくりの中にハマっていて同じように聴こえる、というように感じます。

 

で、7月に日本発売された、スイスのBURNING WITCHESのデビューアルバム、

「BURNING WITCES」を聴いたんですけど、

こいつは本格派。私の大好きなストロングな正統派ヘヴィ・メタルです。

オールドスクールなメタルであるところが嬉しい

BURNING WITCHESはスイスの女性5人組。

ギタリストのロマーナ・カルクールが中心人物。

DESTRUCTIONのシュミーアがプロデュース、ということで、

ゴリゴリのスラッシュ・メタルを期待しちゃう人もいるでしょうが全然違います。

アルバム冒頭の「Black Widow」からモロに「JUDAS PRIEST大好きです!」感が全開の

正統派、オールドスクールなヘヴィ・メタルが展開されます。

最近の日本の女性メタルバンドにありがちなピロピロいうネオクラシカルなツイン・リードの上に

線の細いハイトーン・ヴォーカルがのる、という感じでなくてよかった。

 

それだけなら珍しくないけれど、このバンドの素晴らしいのは楽曲の充実度。

どの曲もリフが印象的(「Creator Of Hell」とか超カッコいい)で、

「The Deathlist」みたいなスラッシーな曲も含め、すべての曲がキャッチー歌メロをもち、

聴かせどころを意識した曲作りがされています。

 

さらにボーナストラックとしてJUDAS PRIESTの不朽の名曲「Jawbreaker」のカバーを収録。

アレンジ自体は目新しいものはないけれど、ヴォーカルが上手いのでかなりカッコいいです。

こういうのを聴くと、歌えないヴォーカリストしかいないバンドとか、

デスヴォイスでごまかしたりするバンドはJUDASのカバーとかやらないでほしいな、と思いますね。

ARCH ENEMYの「Breaking The Law」はほんとにがっかりでしたから。


amazon.co.jp Burning Witches

 

 

「ガールズ・メタル」「嬢メタル」という呼称はなんかイヤだ

で、気になったのは、帯やライナーに「ガールズ・メタルバンド」っていう言葉を使っている点。

メンバーの年齢はわかりませんが、どう考えても「girl」という年ではない

(欧米人は老けて見えるからひょっとしてほんとうにgirlかもしれないが)し、

ここまで強烈なメタル(速いとか重いとかいう次元の話ではなく)を完膚なきまでに

叩きつけるバンドをつかまえて、「ガールズ・メタル」とか呼ぶのは、

なんかバカにした感じにきこえるんですよね。日本の女性のメタルバンドも

「嬢メタル」とか呼ばれたりしていますがそれも同様ですね。

 

かつて、MEGADETHのデイヴ・ムステインが「スラッシュ・メタル」という呼称を

「インテリジェンスの欠如を感じさせる」として嫌っていましたが、それと近いものを感じます。

なんとなく、オールフィメールのバンドを「キワモノ」扱いする意識が働いてないか。

 

オトコだけのバンドでもつまらないものはつまらないし、

オンナだけのバンドでもカッコいいものはカッコいい。

「オンナがやってるバンド」というだけでジャンル分けしてしまうと、

こういう有望なバンドを埋もれさせることにつながると思います。

 

まあとにかく素晴らしい作品でしたのでおススメしておきます!

 

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