大相撲春場所は今場所新入幕、幕尻の尊富士が優勝。新入幕力士が優勝するのは110年ぶりだそうです。
凄いことだしよく頑張ったと思いますけど、必要以上に持ち上げるのはやめてほしい気がしますね。彼の所属する部屋には横綱照ノ富士や宝富士などの先輩関取もたくさんいて、「たまたま1回優勝したくれえで調子にのんな!」と言ってくれるだろうからテングになるということはないでしょうが、彼の経歴を見れば子どものころから相撲相撲で育ってきたんであろうことは容易に想像できて、いちおう大学にも行ってるとはいえ社会経験はないも同然の人間が、ポッと出てきてあっというまに幕内優勝までしちゃった、とあっては、ここで調子に乗って道を踏み外さないように師匠や先輩はちゃんと指導してほしいな、と願いたくなる。
野球の大谷さんの件を見ても思うけれども、わき目もふらずに競技一筋に打ち込んできたスポーツ選手は、社会経験が足らないばっかりにカネで失敗することがけっこう多いようにみえる。それはやっぱり成功をおさめるとそのカネや名誉に群がって自分も美味しい思いをしようという人間がいっぱい寄ってくるからなんでしょう。いちど就職でもして社会の荒波に揉まれたことがあれば、自分が有名になったとたんに寄ってくるような奴は信用できない、と考えて警戒もできるでしょうが、大谷さんのような人や閉鎖された社会で生きている相撲取りなんかにはそういう意識は育ちにくいんじゃないかという気がする。
競技でチャンピオンになることが人生のすべて、それが達成できたならもう死んでもいい・・というのなら、競技以外のことなど勉強しなくてもいいでしょうが、たいていのスポーツ選手は現役をやめてからのほうが人生は長い。すると指導者は「強ければそれでいい」という指導だけをしてはいけないということになる。競技を退いたあとも社会でやっていけるように、競技以外の部分も教えてやらないと。白鵬はそこを理解してなかったからあんなことになってしまった。白鵬自身がそういう指導をされなかったんだろうから仕方がないのか。
いずれにしても尊富士が白鵬みたいな「勝てばいいんだ」というテングにならないことを祈るばかり。そうならないように導いてやるのが師匠や横綱審議委員会なんかの役割のはずですけどねえ、横審じたいが星勘定だけをみてヤンヤ言うだけの「勝利至上主義」に染まった奴しかいませんからねえ・・・。
それはともかく、今回の「新・BS日本のうた」は、岩手県北上市での公開収録。
出演は、
千昌夫、山本譲二、水森かおり、田川寿美、山内惠介、工藤あやの、津吹みゆ、羽山みずき、おかゆ、戸子台ふみや。
それぞれに見せ場が用意されていてよかった
今回の曲目は以下のようになっていました。
「哀愁列車」・・・山内惠介
「春っコわらし」・・みちのく娘!
「北上夜曲」・・・水森かおり
「雨」・・・・・・戸子台ふみや
「ブランデーグラス」・・山本譲二
「フィーリング」・・田川寿美
「私は泣いています」・・おかゆ
「赤い靴のタンゴ」・・津吹みゆ
「傷だらけの恋」・・・工藤あやの
「あなた」・・・・・・羽山みずき
「アケミという名で十八で」・・千昌夫
「晩秋本線」・・・・戸子台ふみや
「紅の蝶」・・・・・山内惠介
「ヘイ・ポーラ」・・山内惠介&田川寿美&水森かおり
「ヘイヘイブギー」・・田川&水森&山内
「この広い野原いっぱい」・・水森&田川&山内
「修学旅行」・・・・山内&水森&田川
「都会の子守歌」・・・山本譲二
「螢火」・・・・・・おかゆ
「自動車ショー歌」・・戸子台ふみや
「真赤な太陽」・・・みちのく娘!
「夕焼け雲」・・・・千昌夫
「アキラのズンドコ節」・・千&おかゆ&戸子台&山内
「北国の春」・・・・千昌夫&みちのく娘!
「会津なみだ橋」・・津吹みゆ
「恋春歌」・・・・羽山みずき
「三陸挽歌」・・・水森かおり
みちのく娘!の3人が出るというので楽しみにしていました。花柳糸之センセイの無茶振りとも思えるハードな振り付けの「春っコわらし」を久しぶりに観られて満足。あれはもう歌声が多少乱れても仕方がない。勢いで聴かせる曲だから問題なし。
で、「みちのく娘!」として歌ってそれで終わりじゃねえだろうなあ!と心配してたんですけど、ちゃんと3人ともソロで歌ってて安心。それぞれ持ち味を発揮できる選曲でよかったんじゃないでしょうか。津吹みゆのファルセットの美しさと安定感は同世代の歌手の中では抜きんでていると感じます。羽山みずきの「恋春歌」は初めて聴いたときは平板で退屈な曲だと思いましたが今聴くとそうでもない。「らしさ」がにじみ出る作風で、その意味ではイイ曲ですねえ。
このメンバーだと冷遇されそうな戸子台ふみやも持ち味を発揮していましたね。小林旭の曲では小林の澄んでいながらドスの効いた歌唱を再現していて素晴らしかった。
山内惠介の新曲はいわゆるボーカロイド楽曲みたいな軽薄な曲で嫌だったなあ。カラオケでも歌いにくそうだし。水森英夫先生に書いてもらえよ。なにを歌ってもサマになるというタイプでもないんだから、変わったことやろうとしないほうがいいのでは。
それはともかく、やっぱり今回のハイライトは水森かおりの「三陸挽歌」だったでしょう。ご当地岩手県での公開収録なんだからこれを歌わなきゃウソ。コンサートでは「ザ~ン、ザザザ~ン、ザンザ~ンザザ~ン」が大合唱になったりするんだろうか。
振り付けは勇壮な曲調に合わせたような、クールさを前面に押し出したカッコいいものになっていましたね! こんなカッコいい曲、カッコいい振り付けなのにNHKは紅白でおかしな演出を追加したりしやがるんだろうなあ。
といったところで今回はこれくらいで。また来週。