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令和3年5月2日のNHK BSプレミアム「新・BS日本のうた」

3年ほど前にワイドショーをにぎわせた、「紀州のドンファン」と呼ばれた資産家が不審死した事件。

今になって元妻が殺害したのではないかということで容疑者として逮捕され、また話題になっています。

しかしどうやら、確実な「物証」はないのではないか、状況証拠の積み重ねで有罪立証を目指しているのではないか・・という話です。

「状況証拠」で思い出すのはやはり1998年に起こった「和歌山カレー毒物混入事件」。動機不明、物証ナシ、自供ナシ。「お前しか考えられないし、お前より黒っぽいやつは見当たらないし、お前がやったということを否定する材料が見つからないから」というだけで、林真須美死刑囚の死刑が確定してしまった事件。

これはとてつもなく恐ろしいことですよ。警察や検察が無能だから真犯人を見つけられないだけかもしれないのに、「お前しか疑わしいのが見つからねえんだよ!」ということだけで犯人にされちゃう。しかもこの事件の場合その「状況証拠」もあとになって次々に覆されたりしてるのに、再審は認められてない。

林真須美死刑囚が逮捕後黙秘したため、なんと7年間も「接見禁止」になるというヒドイ仕打ちを受けた、という話をきいて以来、こりゃあ非常に高い確率で冤罪なんじゃないか、と私は思っています。接見禁止とは、弁護士以外とはたとえ家族であっても面会や手紙のやり取りが禁止されること。手紙が届いたとしてもそれを見せてもらえない。誰かが面会に来たとしてもそれを知らせてもらえない。しかも彼女の場合は、市販の書籍や新聞などの差し入れや購入も禁じられたとききます。

接見禁止だから当然独居房。拘置所は刑務所と違って仲間と一緒に工場で働いたりすることもない。圧倒的孤独。想像力が少しでもはたらく人なら、これに7年耐えるということがどれだけ過酷なことであるかわかると思うんですよね。実際に犯人であったなら、どう頑張ってもせいぜい1年くらいで絶対に陥落して「私がやりました、だから勘弁してください、家族に会わせてください」ってなるでしょ。やってない、だから裁判で勝てる、勝てなきゃおかしい・・・と思ってたからそれに耐えられたんじゃないのか。

いすれにしろ和歌山の事件は「こんな危なっかしいあいまいな証拠(証拠と呼べるレベルのものではないんだけど)で死刑なんて、日本はほんとうに法治国家なの?」と唖然とする。「疑わしきは罰せず」という言葉はこの国の司法の辞書にはないらしい。今回のドンファンの件もこんなことにならないように祈るばかり。国民が「状況証拠だけで有罪?頭おかしいの?」っていう意識をもたないと、日本はいつまでたっても中国並みの人権後進国のままでしょうね。弁護士だのがワイドショーに出てても、そういうこと一言も言わないんだもんなあ。なんのためにコメンテーターやってるですかね。カネが欲しいだけか。

 

それはともかくとして、今回の「新・BS日本のうた」。

青森県平川市での開催。お客さんアリでした。やはり声は出さないように指示されてるようですね。

出演は、瀬川瑛子、山本譲二、中条きよし、神野美伽、新沼謙治、西尾夕紀、二見颯一、こおり健太、水森かおり。

録画にてチェック。

地域色を反映した選曲で楽しめた

今回の曲目は以下のようになっていました。

 

「硝子坂」・・・・・水森かおり

「理由(わけ)」・・中条きよし

「馬鹿っちょ出船」・・西尾夕紀

「花と竜」・・・・・二見颯一

「霧笛が俺を呼んでいる」・・山本譲二

「命くれない」・・・瀬川瑛子

「面影平野」・・・・神野美伽

「裏町人生」・・・・新沼謙治

「別れの予感」・・・水森かおり

「湖愁」・・・・・・こおり健太

「めぐり逢い紡いで」・・中条きよし

「修善寺の夜」・・・二見颯一

「いのちの人よ」・・瀬川瑛子

「津軽恋女」・・・・新沼謙治

「リンゴ村から」・・・こおり健太

「つんつん津軽」・・・西尾由紀

「千恵っ子よされ」・・神野美伽

「奥入瀬」・・・・・・山本譲二

「リンゴの唄」・・・・瀬川瑛子&神野美伽&水森かおり

「岩手の和尚さん」・・三橋美智也

「高原列車は行く」・・神野美伽&西尾由紀

「真室川音頭」・・・・二見颯一

「松島紀行」・・・・・水森かおり

「青葉城恋唄」・・・・中条きよし

「みちのくひとり旅」・・山本譲二

「ふるさとは今もかわらず」・・新沼謙治

 

東北にちなんだ名曲がたっぷり聴けて良かったと思います。

新沼謙治の右手の痛々しい包帯は「自宅で転んだ」とのこと。まだ65歳だから余計なお世話かもしれませんが、もう「高齢者」というくくりに入ってくる年齢であるわけで、自宅で転倒、っていうのはほんとうに怖いこと。手だけで済んだなら不幸中の幸いでしたね。

水森かおりの青森の歌ってなんだっけ・・・と考えながら、番組で出てくるまで思い浮かばなかった。「五能線」があったか。あらためて聴くとほんとにイイなあ。弦哲也先生&水森かおりのコンビによる哀愁ご当地ソングのテンプレのような曲だけど、この味はほんと唯一無二。「松島紀行」ももちろん最高です!

「ふるさとは今もかわらず」は良かったけど、これもコロナさえ終わってれば地元の合唱団の人たちとかを呼んでやってたんだろうなあ~と思うと、ほんとコロナ早く終わってほしい・・・としか言いようがないですね。

二見颯一が番組初登場

平成10年生まれの二見颯一が登場。なんとまだこの番組出たことなかったんですね。

少年時代から民謡で鍛えた「やまびこボイス」は、若々しいけれど青臭さはまったく感じられない、とてつもなく魅力的。

その新曲はラジオで1回聴いただけで、歌ってる姿ははじめて見ました。

Amazon.co.jp 修善寺の夜/若竹

 

この人の歌はほんとに素晴らしい。日本クラウンは二見(と、津吹みゆ)をもっと猛プッシュしなきゃダメでしょ。

 

う~ん、王道中の王道を行くマイナー演歌。のびやかなのに適度な湿り気もある歌声は素晴らしい。大川栄策が歌ったら相当にカッコよさそうな曲ですね。逆に彼が大川栄策のカバーをするのも聴いてみたい。大川栄策の曲を若造が歌うとたいがいサマにならないんですけど、二見の場合はたぶんそうはなりませんね。それくらい風格がある。MVは実際に修善寺で撮ったのかな。

もはや人間国宝級の名人といえる大川栄策のレベルに到達する可能性がいちばん高い若手歌手は、ひょっとして二見なのかもしれないなあ~・・と、「修善寺の夜」を聴いて感じた次第。売れてほしい!

 

といったところで今回はこのへんで。

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