昭和の時代から数々のアニメソングの名曲を歌い。アニソン歌手の草分けとして「アニキ」と呼ばれ親しまれた水木一郎さんが74歳でお亡くなりに。心よりお悔やみ申し上げます。
私は1970年生まれ。水木さんがアニメソングを歌い始めたのが70年代初頭ですから、子ども時代は水木さんが主題歌を歌うアニメを見て過ごした世代です。幼いころに素晴らしい歌を聴かせてくれた人たちが次々に鬼籍に入るようになって悲しいのと同時に、自分自身もいつそうなってもいいように準備しておかないとなあと思ったりもします。
水木さんの持ち歌は1,000曲以上だそうで、もちろんすべては知らないながらも好きな曲はいっぱいあり、それはここには書ききれませんけど、いちばん好きな曲としてパッと思い浮かぶのは「バビル2世」のOP曲かな。
これはもうイントロからして神がかってる超絶名曲。そこへ「勇壮」「雄々しい」という言葉が世界一似合う水木さんの歌唱がかぶさってくるともうカッコよすぎて悶絶しちゃう。哀愁あふれるED曲もステキ。昭和のアニメソングのクオリティはほんと異常。今と違って当時は大人の誰もが「アニメ?ガキの見るものだろ」という認識だったと思うんですが、作り手のほうには「ガキが相手だから」という妥協はいっさいなかったであろうことがヒシヒシ伝わってきます。
幼いころに見てアニメの内容はあまり覚えてなくても、歌は今でもバッチリ覚えてるんだからやっぱり歌の魅力ってのは何十年たっても色あせないものなんだなあ。私の子ども時代をゆたかに彩ってくれた水木さんに感謝。
TRIUMPH「SURVEILLANCE」
カナダのハードロックバンド、TRIUMPHの9作目。1987年作。
70年代から(今も?)活動するバンド。どのアルバムも名作と呼べるものばかりで、それぞれに独自の味があるんですけど、個人的に最も好きなのはこの作品。ハードロック/ヘヴィメタルが「売れる」音楽だったころの、そのフォーマットを忠実に踏襲したサウンドながらも、キャッチーかつ湿り気のあるメロディとヴォーカルがとにかく大好きでした。古くからの真正TRIUMPHファンには評判悪かったらしいけど。
↑当時KANSASにいたスティーヴ・モーズが参加したこの曲を聴いてブッとんだ思い出が。それと、イントロから続く「Never Say Never」の、まさに歌詞通りに勇気を奮い立たせてくれるサビが大好きで、やる気を出したいとか、テンションを上げたいとかいうときに聴くとその効果はテキメン。そういう意味で人生の要所要所で手に取った私にとって重要な作品。棺桶アルバムです。廉価で再発盤が売られているようなので買っておくべし。
おススメ度・・・★★★★★
BROTHER FIRETRIBE「HEART FULL OF FIRE」
NIGHTWISHのギタリストが中心となったプロジェクトバンドの、2008年2作目。
Amazon.co.jp Heart Full of Fire
こちらもハードロックが「売れる」音楽だった80年代ころを思い出させるサウンド。非常にハイクオリティなメロディアス・ハード。
のびやかなハイトーンを駆使しながら、イキむとジョン・ボン・ジョヴィみたいな声になるヴォーカルは表情豊かで素晴らしい。どの曲もキラキラしててキャッチーで、できればもう少し湿り気が欲しかった気もしなくもないけれど、退屈することなく最後まで聴ける快作。
8曲目とか最高にいい曲なのに終わり方がやたら乱暴だったのが残念かな。そこで終わらずに泣きのギターソロとか入れてくれればなあ。そのへんの詰めの甘さを感じるところがあるにせよ、これは1stもすぐに買わなくては!という気にさせられました!
おススメ度・・・★★★★
ARAFEL「THE SECOND STRIKE」
イスラエルのフォーク/エピック/ウォー・メタルバンド、ARAFELの2枚目。2005年作。
Amazon.co.jp THE SECOND STRIKE
3作目は2011年に出たようだが今はやってるんだろうか。ジャケに写っているのは、ひょっとしてティーンエイジャーかな、っていうくらいの若いアンちゃんが3人。あんまり期待できそうにないなあ・・・
と思って聴いたらそんなに悪くなかった。イスラエルのバンドといってもメンバーはもともとロシアからの移民、だそうだけど。ところどころにそのへんをうかがわせる民族的メロディを挿入してくる。
しかしそれなら、もうちょっとヴォーカルをなんとかしてほしいなあ。この手のバンドはいろんな楽器入れたりSEに凝ってみたり、高尚なコンセプトだのを持ち出したりは一生懸命やるのに、どうしてヴォーカルは「ブルータルなデス声で吠えときゃいいんじゃね?」で済まそうとするのか。どの曲もただ同じように喚いてるだけだから結局印象が薄くなる。デス声一辺倒でもそこにキャッチーさをつくりだせるバンドもいっぱいいるわけで、そのへんが一流と二流以下の差になるんだなあ。
おススメ度・・・★★★