USのミュージシャン・音楽プロデューサー・作曲家、クインシー・ジョーンズが死去。91歳。心よりお悔やみ申し上げます。
私は彼の業績について細かくは知りませんが、世代的にその名を聴くと思い浮かぶのは、マイケル・ジャクソンの1982年発表の歴史的超大ヒット作「THRILLER」アルバムと、1985年のチャリティー曲「We Are The World」のプロデューサーをやった人であるということ。
これだけ超一流があつまった豪華すぎる顔ぶれでの製作は、ワガママいう人もきっといてそう簡単ではなかっただろうなあ。そんなことはどうでもいいけど、何度聴いても本当に心が揺さぶられる凄い曲。全員が誰が歌ってるか一発でわかる圧倒的個性をもっているのも凄すぎる。1億回も再生されてるのか。まあ歴史に残る名曲・名演ですからね、こういうのが動画サイトで手軽にみられる形で後世に残り続けるのは素晴らしいこと。
しかし、この素晴らしい曲で歌われているような崇高な精神性とはまったく正反対のことを主張し、じぶんの利益(彼は「アメリカ第一」と言うが、結局それは国民のことを思いやってのことではなく、どこまでもじぶん自身の利益のためであることに注意しなくてはならない)をひたすら追い求めることしか頭になく、世界に分断をもたらそうとする老人が、この曲をうみだした国のリーダーに選ばれてしまった。
この曲はチャリティソングで、これに参加したミュージシャンたちは直接的にはじぶんの利益にはつながらないことをわざわざやったわけだけれど、じぶんの名前が売れるとか名声を得るとかいう、回り回って得られる間接的な利益は得られたはず。そういう「情けは人の為ならず」的なことを理解できない、しようとしない、じぶんの直接的利益しか目に入らない人間が世界トップの権力者に返り咲いてしまったというのは恐怖でしかない。
まあそのへんはアメリカ国民の多くもわかっていたでしょう。しかし道徳や美徳などよりもじぶんたちの目先の経済のほうが重要、ということでこういう選択になったのかも。トランプはバカだし犯罪者なのはわかっているが、現政権にいるハリスよりもトランプのほうが我々の生活を救ってくれる、と期待したということか。そんなふうにじぶんたちに余裕がない状況では、「We Are The World」という心はもてなくなるのも当然なのかもしれない。私だって恵まれない人を救う余裕はない。「お金持ちがやれ」と思ってしまう。
ファシストでレイシストな老人をリーダーに選んだのはアメリカ国民の選択だから仕方がないことですが、頼むから世界に迷惑をかけることのないようにしてほしいものです。中国と同じようにアメリカが世界の嫌われ者になる日も近いかも。
葵かを里「西陣おんな帯」
愛知県出身の演歌歌手、葵かを里の最新曲。先日出たばかり。
ラジオで前もって聴いて「ああいつもと同じ感じなんだな」とわかっていつつCDを購入してしまうのは、やっぱりその「いつもと同じ」が私をはじめファンのもとめていることであるから。
う~ん、優雅でドラマティックなイントロ、艶やかでありながら湿り気をおびた歌唱、曲展開もいつものパターン。カップリングが「茶野香」(葵かを里本人)の作曲の「人生の応援歌」的な曲なのも最近のお約束。
これでクオリティが低かったら「ワンパターン。全部同じ曲」で済ませて二度と聴かないということになるんですが、彼女の場合はそうならない。ワンパターンだろうが、それが唯一無二の魅力を持っているのなら、それを貫いてくれたほうがいいに決まっている・・・
っていう私のレビューもいつも同じなんですけどね、この偉大なるワンパターンがもっとヒットして世に広まってくれることを願うばかり。こういう人を紅白に呼ばないNHKはほんと無能。
CDはカラオケも半音下げと半音上げを収録してて親切このうえない。お値打ち感のある商品になっています!
おススメ度・・・★★★★
TÝR「LAND」
デンマーク領フェロー諸島出身のヴァイキング/フォークメタルバンド、TÝRの4作目。2008年作。
私のフェイバリット・バンドのひとつ。当然このアルバムもすでに聴いていますし、内容についても以前の記事で少し触れたのでそちらをみていただきたいですが、
思い出の北欧メタル名盤④:漢メタルの大傑作!TÝR「THE LAY OF THRYM」
サウンド的には徐々にパワーメタル色もでてきたものの、まだまだ曲自体はコッテコテのフォーク・メタル色が濃かった作品で、好きだけどトップではない、っていうとらえ方をしている作品。それをなんで聴きなおしたかというと、ライヴDVDのついたエディションをたまたま見つけたから。こんなのあったのか知らなかった、ということで買ったのです。収録されていたのは2007年のWACKEN OPEN AIRでのライヴ。
DVDつきエディションを手に入れて喜んでいたら、YOU TUBEにはバンド公式チャンネルから全編あがっていて、なんだタダで観られたのか・・とちょっとガッカリしましたが、フィジカルでもっておくことに意味がありますからね。
時期的に私の好きなメロパワ的な曲はあんまりなかったから、選曲としてはあまり好みじゃないけど(ラストの「Ramund Hin Unge」は大好き)、いやあカッコいい。フォークメタルバンドはスタジオ録音でいろいろ凝って音をつくりすぎててライヴだと激ショボっていうのがけっこう多い印象なんですけど、彼らはそういうことはない。メロディはフォークであっても、基本はどこまでもヘヴィ・メタル。素晴らしい! 汗臭い漢メタルが好きなら買っておくべき!
おススメ度・・・★★★★
BLESSED BY A BROKEN HEART「PEDAL TO THE METAL」
カナダのヘヴィメタルバンド、BLESSED BY A BROKEN HEARTの2作目。2008年作。
Amazon.co.jp Pedal To the Metal
先週の記事で3作目を紹介。→今週聴いたもの:2024年10月24日~10月30日(水森かおり、BLESSED BY A BROKEN HEART、GOATWHORE)
そっちが素晴らしかったもんだから続けてこれも買ったのですが、
残念ながら期待に応えてくれなかった。2作目はありがちな、どこにでもいるただのメタルコアバンドとしか言いようがない作品になってました。まあそんななかにもキラっと光るものが感じられる曲もけっこうあって非凡さはそこかしこに感じられ、それが開花して3作目につながったんだろうな、という印象をもちました。しかし私はこのアルバムについてはもうサヨナラ。好みじゃないというだけで、クオリティは低くない。
おススメ度・・・★★★