以前にいわゆる「デス・ボイス」についての記事を書きましたが、
それとは正反対の、透明感のあるきれいなハイトーンの声のことを、
「クリスタルボイス」って呼んだりしますね。
小田和正や徳永英明、クリス・ハートや林部智史・・などが
そう呼ばれていますが、個人的には好きじゃないんです。
曲がよければどんな声でも別に構わないけれども、
ここに名前を出した人たちの場合はなぜか曲も私の琴線には触れないものばかり。
とくに徳永英明は日本で最も過大評価されたシンガーの5本指に入ると思いますね。
で、今回は「奇跡のクリスタルボイス」がキャッチフレーズの松原健之の新曲
「花咲線~いま君に会いたい~」を聴いたので、そのあたりについて。
キャッチーなサビをもつ佳曲!
「花咲線~いま君に会いたい~」は彼の17枚目のシングル。
「花咲線」とは、北海道の根室本線の、釧路~根室の区間の愛称だそうです。
前のシングル「みちのく ふゆほたる」は秋田内陸線が舞台で、
今回は北海道の花咲線。
彼の透き通った声には寒い土地のイメージが合うのかもしれませんが、
どちらも「君に会いたい」とかいうありふれたフレーズが
つかわれているのがちょっと嫌だなあ。
とはいうものの、「花咲線」の「♪いま君に会いたい・・・」という
サビは非常に印象的でイッパツでおぼえられる感じで、
カラオケでヒットするかも。
「みちのく ふゆほたる」といいこの曲といい、
寒々とした曲をぬくもりを感じさせるクリスタルボイスで歌う・・・
というのを唯一無二のスタイルとして確立しつつある、という気がします。
カップリング曲は佐藤公彦(ケメ)の「通りゃんせ」。
ついこのあいだお亡くなりになりましたね。
やさしいメロディが松原のきれいな声にあっている感じですね。
なかなかいい選曲です。
「金沢望郷歌」を超える曲が出れば・・・
彼の曲は出るたびにいちおうすべてチェックしてまして、
どの曲もなかなかいい曲ばかりなのですが、
デビュー曲の「金沢望郷歌」を超えるような曲は
いまだ出ていないと感じます。
「金沢望郷歌」は弦哲也先生の作曲。
五木寛之の歌詞も素晴らしいですが、
とにかく感動的、叙情的、そのうえキャッチーであるという、
弦先生のような天才にしか書けない曲になっています。
私は金沢には行ったことはないけれども、
聴くたびに、まさに望郷の念に涙を誘われます。
私にとってはこの曲があまりにも素晴らしすぎて、
あとに続いた曲は
いい曲ではあるんだけれどいまひとつ、
みたいな感じばっかりだったんですよね。
デビュー当時よりも人気・知名度がアップしている
今の段階で、「金沢望郷歌」のような素晴らしい曲が出れば、
「クリスタルボイス」の第一人者への道がひらけるんじゃないでしょうか。
ともかく、今回の「花咲線~いま君に会いたい~」が
いい曲であることは間違いないので、
ぜひともヒットさせて、
自分のスタイルを確立させ、
それがもっと認知されてほしいですね。
彼の「クリスタルボイス」は、
ほかの「クリスタルボイス」の歌手にありがちな、
「どうです?感動するでしょ?泣けるでしょ?」
というあざとさ、わざとらしさ、白々しさを感じないので
嫌いじゃないのです。
ぜひとも頑張ってほしいと思っています!