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水森かおり「歌謡紀行23~三陸挽歌~」を聴いた

「ご当地ソングの女王」とよばれて久しい演歌界の第一人者、水森かおりの毎年恒例のアルバム「歌謡紀行」シリーズの最新作、「歌謡紀行23」が先日発売されました!

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もちろん私も予約して購入。なにしろ表題曲「三陸挽歌」はキャッチーかつドラマティック、やっぱり弦哲也先生&水森かおりの組み合わせは鉄板、失望させられることはありえない・・・という素晴らしい曲でしたからね。

 

ザ~ンザザザ~ン・・がとにかくキャッチー。こういう耳に残るフックがいつもちゃんとあるってのがスゴイ。シングル曲は曲名を言われればサビだけならすぐに思い浮かんできますからねえ。

その「三陸挽歌」のほか、過去のシングル曲が7曲(「水に咲く花・支笏湖へ~」「九十九里浜」「輪島朝市」「安芸の宮島」「ひとり長良川」「ひとり薩摩路」「鳥取砂丘」)、それから新録曲が6曲。カバーはなし。この構成は前作と同じですね。ていうかこれで4年連続?でカバー曲なしか。個人的には新録がいっぱい聴けるほうが嬉しいのでこれはいい傾向。

「輪島朝市」は「21」にも入っていたが今回また収録。今年は1月にあんなことが起こってたいへんなことになったから、入るのかどうかちょっと注目していたんですけど、入りましたね。2011年の東日本大震災のときはその後しばらく「松島紀行」を封印した、という話をしていたと記憶していますが、これはご当地の方々はどう感じるんだろう。どんどん歌ってくれたほうが応援になると思うのかそれとも逆なのか。

その「輪島朝市」、弦先生による水森かおりご当地マイナー演歌の王道というか、定番のフォーマットをもつ曲で、その意味で言うと最近にはないタイプですが、あらためて聴くとほんと素晴らしい。ここのところいきなりサビから入ったりといった変化球的な曲が多いけれど、次あたりは「王道」で来てくれてもいいかな、と思いますねえ。

それにしても、いつも言うけどシングル曲がスゴイ曲ばっかりだから、最新曲を含め8曲ではどうしても「あの曲がないじゃないか」となってしまうんですよねえ。CDではそれは仕方のないことですけどねえ。フツーの歌手ならお気に入りの曲をあつめても1枚のCDで十分になることがほとんどなのに、水森の場合はとてもとてもそれでは足らない。

注目の新録曲は・・・

で、新録曲が6曲。

「霧降高原」はシングル曲として採用されても違和感のないマイナー演歌。「いつもの」曲という安心感。イイなあ。あまり変わった曲はいらない。

「横須賀ラスト・ラブ」は亡くなった昔の恋人に思いをはせるという重い状況の女性の心情をうたっている。90年代の歌謡曲っぽい曲調が私好み。ぶ厚いコーラスが曲を盛り上げてくれるのもいいですねえ。

「渡月橋から」はイントロの琴が京都っぽさを全力で醸し出す、優雅さをとともにふかい哀しみもたたえる曲。イイんだけど私としては今作中最も印象薄かった曲。

「ブルーナイト神戸」はレトロなロック調の歌謡曲。カラオケで歌ったら盛り上がれそう。エレクトリック・ギターのオブリガートがいい味を加えている。そういえば「歌謡紀行」で新録で入ってそれだけだった曲って、通信カラオケとかではちゃんと配信されるんだろうか。もう長いことカラオケ行ってないのでわからない。

「メープル街道」は近作にはいつも入ってる外国モチーフの曲。これはカナダ。シタールのぺ~ンぺ~ンというフレーズが入るイントロと軽快なリズムが印象的なんだけど、そこに乗っかる水森の歌がリズミカルなのになんとも言えない切なさを含んでいるところが、なんとなくギャップのようなものを感じさせて感情を揺さぶられる。これは水森ならではの味というか持ち味が発揮されてて、今作の新録曲中、これがいちばん気に入りました。徳久広司先生さすがだ。

「海の子なれば」は「われは海の子」のあのフレーズから始まり、それが歌メロにもサラッと使われている、文字通り海への想いをうたった曲。作詞を武田鉄矢が担当してて、そう言われればそれらしいというふうになる。

 

印象の薄い曲もあるにはあったもののいつものクオリティ。ていうか歌ってるのが水森かおりだからそうなるっていうのもあるかもしれない。唯一無二の味、スタイルというものを完成させている人はやっぱり強いなあ。なにを歌ってもカッコよくなる。

 

そしてもちろんラストは問答無用の代表曲「鳥取砂丘」で締められます。

定番曲はどれも最高だし、新録曲も楽しめるものが多いし、なによりも水森かおりのいつもの素晴らしい歌声が堪能できる、といういつもの「歌謡紀行」で、ファンならずとも持っておくべきアルバム!ぜひとも買って応援していただきたい!

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