哀しみの演歌と絶望のメタルを聴き漁るブログ

演歌とメタルをとおして、人生の理不尽さをみつめるブログ。

ディスク・レビュー ヘヴィ・メタル

ENFORCERの新作「ZENITH」を聴いた

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スウェーデン出身のヘヴィ・メタルバンド

ENFORCERの、5枚目となるニュー・アルバム

「ZENITH」を聴きました。

中年といわれるトシになってからは

「新譜を心待ちにする」対象になるようなバンドは

ほとんどいないという私ですが、

このバンドに関しては「いつまで待たせるんだよ!」

とヤキモキしていました!

レトロな正統派メタルは大好物

ENFORCERは2004年から活動しているヘヴィ・メタルバンド。

80年代以前の正統派メタルから強い影響を受けた音楽性で、

いわゆる「NWOTHM」(New Wave of Traditional Heavy Metal)と呼ばれたバンドの一角。

 

初期作品は初期IRON MAIDENの影響を感じさせるレトロなメタルで、

思いっきりダウン・チューニングのギターと、限界まで汚いデスヴォイスがあればカッコいいんだろ・・・

みたいな安直なメタルバンドばかりでウンザリしていた私にとっては

「おおお・・・来たぁ~!」と震えがくるサウンドでした。

とくに2ndアルバム「DIAMONDS」は大好き。

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若いのに音は古くさい。なにもかも80年代っぽい。ていうかモロMAIDEN。でも・・・カッコいい。

3作目の「DEATH BY FIRE」もスピード・メタルの名作といっていいデキでした。

 

・・・しかし、4作目となる前作「FROM BEYOND」では、

伝統的メタルの風味を残しつつもバラエティに富み、

しかも歌メロもさらにメロディアスになって

「速くてウルサイだけじゃねえし、80年代のマネだけで終わるつもりもねえぜ・・・」

といったところを聴かせてくれました。

この「FROM BEYOND」アルバムは完璧。

いつか記事にしようと思っています。

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速くてアグレッシヴ、でもメロディアスでレトロな正統派メタル・・

ということで、私が好きにならないはずがなく、

「FROM BEYOND」以来4年ぶりとなる新作を楽しみに待っていました。

しかし・・・リード・トラックを聴いて倒れそうに。

ポップなリード・トラックに驚愕

先行して発表されていた「Die For the Devil」。

アルバムのトップに収録されている曲ですが・・・

うわあああ。なにこれ。LAメタルか。もしくは90年代のSCORPIONSかDEF LEPPARD?

曲自体はさすがにカッコいいし、メタル以外のなにもでもないサウンドではあるけれど、

これがENFORCER?まじで?

 

・・・ENFORCERもいよいよ変わってしまうのか。

中心人物のギタリストが抜けてすっかりフヌケになってしまったBATTLE BEAST(こないだ出た新譜はクソそのものだった)と同じ轍を踏むのか。

頼むからほかの曲はファストなメタルであってくれ・・・と祈りつつ

CDを聴いてみると・・・

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クオリティは高いが・・・いろんなことやりすぎでちょっと散漫に?

ポップな曲もあり、HELLOWEENみたいな曲もあり、

ピアノを使ったバラードもあり、

シンセサイザーを使ってシンフォニック・メタルみたいな味付けの曲もあり、

MANOWARみたいなエピック・メタルもあり・・・

と、非常に多彩な構成になっていました。

 

どの曲もリフよりも歌メロを重視したような感じ。

ポップな曲も彼ららしい劇的で勇壮なメロディを配置してあるところはさすがで、

いままでのようなスピード・メタルも2曲くらいはいちおうあるし、

ポップであっても売れ線を狙っているという印象は受けないので、

決して悪くはない、素晴らしい作品でした・・・

 

が・・・・気になるとこともあります。

元ネタが透けて見える、というか「なんか○○みたい」と感じるところが多すぎるし露骨。

ファンはいわば「ENFORCERみたい」なメタルが聴きたいのに。

「Ode To Death」なんてどう聴いてもMANOWARそのもの。

シャウトするところなんて完全にエリック・アダムスのマネに聴こえる。

これは意図してやったことなのかな。

80年代メタルをベースに「ENFORCERのメタル」が「FROM BEYOND」で完成された・・・

と思っていましたが、彼らが目指していたのはもっと違う次元だったということか。

 

それに、いろんなことやりすぎてなんだかよくわからない、という気もしてきますね。

「Thunder And Hell」のような今まで通りの曲が半分くらいで、

残りがバラエティ豊か・・・だったならよかったなあ、と。

今まで通りの曲がオマケのような扱いでは、これまでのファンの何割かは確実に離れるでしょう。

私も「Sail On」の変拍子とか、

「One Thousand Years of Darkness」の

いかにもシンフォニック・メタルという安易さがにじみ出るシンセの使い方を聴いて

「やめて~。」と心の底から思いました。

 

しかし、これで(BATTLE BEASTみたいに)曲がクソみたいなデキだったら私も

「もうこのバンドを追いかけることはない」となるところですが、

曲自体はかなりカッコいいから逆に困っちゃう。

「Forever We Worship The Dark」なんかは

ライヴで感動的なシンガロングが沸き起こりそうでイイですね。

歌メロが心に響く、という点ではこれまでの作品を凌駕しているかもしれません。

 

というわけでまとめると、

「ZENITH」は素晴らしい作品で

ぜひとも買うべき。

しかし私が折に触れて手を伸ばすのは

やっぱり「FROM BEYOND」や「DIAMONDS」になるかな、といったところ。

今後に期待します!

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