昭和40年代生まれ、子どものころはテレビにかじりついていた世代のオッサンである私も、最近はテレビよりもYOU TUBEをみる時間が増えてきました。
困るのは、なにかをYOU TUBEで視聴→関連する動画がおススメに出る→それを見ちゃう、という感じで、結局長時間みることになってしまうこと。それはネット検索でも同じことが起こるわけですが、この無限に引き込まれるシステムを作り出した人たちはほんとスゴイというかあくどいというか。
そんな感じで先日はおススメにSLAYERのライヴの動画が出てきました。それが1986年、まさにSLAYERがスラッシュメタルバンドとして究極の姿をみせていたころの映像だったから、つい寝るのも忘れて最後までみてしまいました。
バンドには悪いけれどこういうのがタダで観られてしまう時代になったのはファンにとっては嬉しい。屈強なセキュリティが怖いカオして睨んでいてもお構いなしにステージに上がってダイブしようとするファンの姿は微笑ましくて楽しい。そしてこの選曲は最高ですね。この時点までで出していた3枚のアルバムのすべてが歴史的名盤なんだから当たり前だけど。「Hell Awaits」のカッコよさは異常。個人的には「Angel Of Death」よりもそっちのが嬉しいしテンションがアガレる。
SLAYERのライヴ映像はたくさん出回っているけれど、いつなんどきなにをみても「スゴイ」という溜息しか出てこないし、気がつくと画面の前でヘドバンしちゃってる。ケリー・キングのバンドはライヴをやるならSLAYERの曲も当然やるんだろうとすれば、日本に来てくれるならぜひとも観たい。
WITCH MOUNTAIN「MOBILE OF ANGELS」
USのドゥーム・メタルバンド、WITCH MOUNTAINの4作目? 2014年作。
ジャケ絵やバンドロゴでスラッシュ・メタルであることを疑わず購入したら全然違った。ド~んよりと重いリフが延々と繰り返されるが、ドゥームメタルというよりサイケデリックな風味のあるドゥーム/ストーナーロック。感情表現が控えめな、ゆらゆらと歌う女性ヴォーカルはなかなかいい味を出しています。
このヴォーカリストは今作を最後に脱退しちゃったらしいですね。惜しい。
ひたすらドヨ~ンとしたリフと、気持ちよさそうにゆったりと歌うヴォーカル、良くも悪くも平板な歌メロ、しかも曲はやたら長い。とあって、聴いてると眠気を誘われる。4曲目なんかは「LSDとかやるとこういう音が聞こえたりするのかな」と感じさせられるトリップ感。
しかし眠たくなるからといってけっして退屈というわけでもなく、眠くなってくるのもその世界に引き込まれているせい、と考えれば、これはスゴイ作品じゃないかという気がしてくる。この手の音があまり好きでない私でも、眠くなりながら結局最後まで楽しめました。
おススメ度・・・★★★★
KING OF ASGARD「...TO NORTH」
スウェーデンのヴァイキングメタルバンド、KING OF ASGARDの2作目。2012年作。
バンド名からしてヴァイキングメタルの王道を行くサウンドを期待させる。できればAMON AMARTHみたいな、ヒロイックでドラマティックな泣きメロ満載のヤツがいいなあ・・・
その期待にはだいたいにおいて応えてくれました。まさにAMON AMARTHを彷彿とさせる、たたかう男の哀愁をただよわせるリフと、強力なデス声ヴォーカル。余計なSEが入ったりとか民族楽器を使ってみたりとかいうのはほとんどなく(音程が微妙な女性?ヴォーカルが挿入される曲あり)、ひたすらゴリゴリのメタルを聴かせてくれるのもいいですな。
しかし、吐き捨てヴォーカルにキャッチーさが足らなくて同じような曲に感じられがちなところとか、哀愁のメロディもなんか中途半端に終わるものばかり(ここからこう展開してくれれば鳥肌モンなのに!という期待はすべて裏切られる)で、そのへんがAMON AMARTHには及ばないところかなあという気はする。AMON AMARTHにはどのアルバムにも「コレ!」という曲があるがこっちはそれもない。でも、好きなタイプなので応援したい!
おススメ度・・・★★★☆
PRIMIGENIUM「INTORELANCE」
スペインのブラック・メタルバンド、PRIMIGENIUMの2作目。2002年作。
Amazon.co.jp Primigenium - Intolerance
ネットでさがすとメンバーふたりの画像が出てきましたが、どうやらBATHORYみたいないわゆる「ひとりブラックメタル」らしい? その手のブラックメタルは中心人物がやりたいように好き勝手し放題だからなのか、いろんな意味でイッちゃてるプリミティヴなものになる傾向があるように思いますが、これはどうかな・・・・
やはり。常人にはどの曲も同じにしか聴こえないであろう、ファストでイーヴルなプリミティヴ・ブラックメタル。
ブラック・メタルが好きな私であっても全曲ほぼ同じに感じるけれど、それでもこの作品、そんなに悪くない。全曲同じようであってもそれが同じようにカッコいいなら文句ないわけで。たまに哀愁のトレモロ・リフなんかも飛び出してきたりするし、陰鬱な世界に浸ってなにもかも忘れたい、という気分のときにはきっと聴きたくなる作品。それもこの手のサウンドのマニア限定の話で、常人にはけっして理解できないだろうけど。
おススメ度・・・★★★☆